★★★ 2021年12月20日(月) シネヌーヴォ✕
女の子2人のフシギ譚はワンピース姿のサラサラ黒髪のイメージがダブり岩井俊二かと思わせるワールドだが、演じてる2人はアジアインディーズのミューズと謳われた杉野希妃と「息もできない」のキム・.コッピなのでヤワじゃない。ちなみにヤン・イクチュンも出てます。
背景不詳の女の子2人が、香港の寂れたリゾート地で何するともなくフラフラしている。2人は各々、日本と韓国からの旅行者なのだが、宿の都合で相部屋になる。で、2人で出かけたりするのだが…。
ドラマは大して起こらない。
揺蕩うような何もロクに起こらない空間と時間の中で、奥底から立ち昇ってくるのは寄る辺ない居た堪れなさで、模造品で造られたような廃リゾート施設は生気を蝕み続ける。
おそらく2人の女の子が期待して来たマジックは欠片もなく何かを失い続けるだけ。
そういう意味で、ベルボーイのヤン・イクチュンが2人をナンパして飲みに行く件は、遣る瀬無さの極みであった。
廃リゾートの安宿の寄る方ないバカンスは2人の女子の言語不通もあり生気を蝕んでいく。模造品で彩られた世界に期待されたマジックはなく何かを失い続けるだけ。ベルボーイに誘われ飲みに出かける顛末は『息もできない』の2人と重なり虚しさを倍加させる。(cinemascape)