男の痰壺

映画の感想中心です

モスラ

★★ 2021年12月28日(火) 大阪ステーションシティシネマ12

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幼少の頃は怪獣博士を自称し怪獣図鑑なるものを自ら制作する怪獣フリークでしたが、そんな子供心にもモスラは弱っちそうであまり好きになれませんでした。

だいたいあれは、でっかい蛾ですよね。攻撃力のない蛾とか蝶なんて昆虫の中で最弱の部類。ゴジラなんかが相手だと捕まって羽もがれて地面に叩きつけられ踏み潰されるのがオチ。なのに、映画の中ではそれなりの戦いをしたりする。だから、モスラが出てくると俺は途端にシラけた気分になる。もともと虚構である怪獣映画が茶番にまで堕する気がするんです。

今回、オリジナルのモスラをスクリーンでやるってんで見る気になったが、やっぱ子供の頃見た印象とあまり変わりませんでした。

 

東宝怪獣映画には珍しいフランキー堺が主演ですが、印象に残るのはザ・ピーナッツを拉致ってきて見せ物にするジェリー伊藤のロジカルセンテンスな棒読みであろうか。

伊福部の音楽じゃないのが物足りないが、それだったらあの「モスラの歌」は生まれなかったんだからしゃーないっすな。

 

羽ばたきの衝撃波で崩壊する昭和30年代の家屋群の瓦屋根の隙間から火災の猛煙が噴き上がる。そのディテールの細緻さに感銘した。だが所詮は昆虫界最弱と思われる鱗翅目のドデカ版たるモスラは怖くなく小美人の言うこときく良い子ちゃん。主役の柄じゃない。(cinemascape)

 

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