男の痰壺

映画の感想中心です

黄昏の交渉術

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昨年末に、2022年は金銭的などん詰まりに陥ることが確実なので馬車馬の如くに策を練り動き回らねばならないと誓った俺であったが、しんどいことは後回しの習性でどんよりズルズルと徒に日々は過ぎるのであった。

 

まあ、どうするかの解は出てるわけで、出を減らして入りを増やすしかないが、入りを増やすのが厳しいのは目に見えてる。そっちは後回しにしてしゃーないから取り敢えず住んでるマンション売って返済縮小しよかとか考えたが考えてるだけであった。

 

である晩、業を煮やした女房が不動産査定のまとめサイトに俺の名前と電話番号で査定依頼したら直後から電話が鳴り出した。仕方ないから腹括りました。で、ここんとこ休みのたびに取っ替え引っ替え不動産屋を家に呼んで話をしている。

正直、交渉は俺も相手も本当の手の内を明かさない腹の読み合いだから疲れるよと思いつつ、その日の最後の業者が帰り一息ついてると

「あんたなあ、さっき見てたらおじいちゃんみたいに見えたわ」

「はあ?」

「疲れてんのはわかるけど、背中丸まって目泳いで視点定まらへんし」

「そう?」

「そんなやから、途中から不動産屋の兄ちゃんあかんわ思て私の方見て話すようになったやん」

「そやったかな」

「午前中のときは背筋伸びてふんぞり返ってたのに」

「うーん、そう言われてみたら、さっきの業者何話していったんかあんまり記憶にないかも」

「もーしっかりしいや」

 

そんなんで1月は5本しか映画を見てない。こりゃ年間50本切るな。

想念だけが俺の頭の中でぐるぐる回っている。