男の痰壺

映画の感想中心です

THE MOLE ザ・モール

★★★ 2022年2月16日(水) 新世界国際劇場

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ポスターの惹句に「この男、ヤバすぎる」とありましたが、俺のもった印象は、「この男、胡散臭すぎる」です。

フェイクドキュなんじゃないかの疑念が拭い難いのだが、英BBCやNHKBSでも放映された作品だそうです。

 

デンマークの一介のコックが、ドキュメンタリー映画を見て北朝鮮に関心を持つ。それはわかる。しかし、自らの人生を賭すほどの思い込みが醸成される根拠ってのは何なのかは丸っきり描かれません。

 

彼はまず、コペンハーゲン北朝鮮友好協会へ入会する。北欧の地デンマークにそんなもんがあるのかと驚くが、俺が知らないだけで、日本にも何百何千とそういった団体があるんやろね。(試しに話題のベラルーシで検索するとNPO法人日本ベラルーシ友好協会なるもんが出てきました)

トップにいるオッサンは、明らかに利権がらみなんだろうけど、その他の会員ってのは他に行き場がないような連中らしい。今の時代にこぞって北は素晴らしい天国、金正恩は神さまって、こんな世界もあるのかあって驚く。

 

この映画、10年に及ぶ彼の潜入記で、その記録をずっとカメラに収めてるのが、どうにも眉ツバ感がある。一応、協会の広報担当になったとの言い訳はあるが、にしてもである。10年間スパイじみた生活をするだけでも大変だろうに、ときに応じて隠し撮り続ける忍耐や根性ありそうなオッサンに見えません。

 

製作陣が見つけてきた売れない役者をオイルマネーの金持ちに仕立てて、北から兵器密売の大芝居ってことだが、そんなんに北の高官たちが騙されるのかね。身辺調査とかしないのか?

ヒリヒリするような緊張がからきしない顛末を見てて思うのだ。サスペンサブルな展開は映画の世界の話で、現実とはこの程度にいい加減でも何とかなるものかもしれない。

だとすれば、俺の今後の人生もなんとかなるかも。

 

丁の一介の調理人の人生賭すような思い込みが醸成される過程がすっ飛ばされ、トントン拍子に親北友好教会の広報担当に出世。10年に及ぶという年月を隠し撮りし続ける信念や度胸は何処からの疑念。中東への武器輸出交渉は北の腋の甘さを露呈したか?ほんま?(cinemascape)

 

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