男の痰壺

映画の感想中心です

赤い影

★★★ 2022年4月25日(月) シネヌーヴォ

イタリア資本下のジャーロ風味を感じるという点でダリオ・アルジェントを、音楽ピノ・ドナジオからデ・パルマをと、影響されたんじゃないかと思って調べてみると「サスペリア」や「キャリー」より前の作品なんですね、意外だった。

 

でも、やっぱ監督としてのニコラス・ローグデ・パルマやアルジェントほどの押しがない。で、思い出したように見せるケレンもダサい。序盤にある夫婦のベッドシーンに繰り返しカットインされる別シーンなんて何の意味かどういう意図か皆目わからない。お世辞にも成功してるとは思えません。

 

水都ヴェネチアの光と影。夜になると迷宮化する入り組んだ街路とそこに巣食うドブネズミ。こうしたコンセプトは終盤で多少フィーチャーされるが物足りない。「ベニスに死す」でヴィスコンティが描いたペスト蔓延下のヴェネチアの不穏な毒気は今更ながらに一級品だったと思い出されるのです。

最後はまさかのチャッキー登場でトホホでした。

 

因果関係ない憑依と亡くした娘の記憶との連結が出たとこ勝負の感がある。水都ベニスの裏路地や暗渠に巣食う地縛の霊魂は唆るモチーフだがそこへの拘りもないようだ。ローグの演出は小手先のカットイン使いまくりで萎えるしベッドシーンのそれは理解不能(cinemascape)

 

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