男の痰壺

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リンダ・ロンシュタット サウンド・オブ・マイ・ヴォイス

★★★ 2022年5月16日(月) シネリーブル梅田1

学生時代にリンダ・ロンシュタットのベスト版LPレコードを持っていて密かに聴いていた。そんなもん聴いてるのは恥ずかしいという思いがあったんでしょう。周りには言ったことはなかった。でも40年の時を経て、懐かしさ溺れてみたいとの衝動が湧き起こり映画館に行った。

 

半分満足して半分物足りなかった。

それは、この手のドキュメント作品によくある作り手の思惑が邪魔だという不満。ただひたすらに楽曲をライブシーンと合わせて聴いていたいという願いは切り貼りされたコラージュでは叶えられない。あらためてスコセッシの「シャイン・ア・ライト」はシュアだったと思う次第であった。

一方で、リンダ・ロンシュタットについて何も知らなかった俺は「あーそやったんかー」との思いもあった。ヴォーカリストとして天賦の才が自分にあるとは決して思わず、オールジャンルを熟せる小器用シンガーとして身を立てていくことに不断の努力を惜しまなかった。正しい自己判断と好きこそものの上手なれの実践がロック殿堂入りを成し遂げる偉業へとつながるのであります。

 

彼女の楽曲で好きなのは「ならず者」と「ダイスをころがせ」です。ってどっちもカバーなんですがね。前者はイーグルスがリンダのバックバンドやった時代の作。後者はミックが付き合ってたころ彼女のことを歌った曲らしい。カバー言うても彼女の人生と密接に関わってまんねんな。

 

歌大好き少女がポップスターになるがボーカリストとしての力量は何枚も上手がごまんといた。彼女が偉いのは可愛いルックス人気に安住せずに多彩なジャンル適応力が自分の行く道と知っていた点。でも、そんな豆知識知ってよかったでは映画として物足りない。(cinemascape)

 

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