男の痰壺

映画の感想中心です

デュエル

★★ 2022年5月23日(月) テアトル梅田1

結論から言うとつまらんかった。

ジャック・リヴェットの最大の商業的成功は「美しき諍い女」じゃないかと思うのだが、あれにせよ「恋ごころ」にせよ(見てるのはこの2本だけです)普通の映画だったよなと思いました。なんだかゴダールの"ごっこ"3部作「小さな兵隊」「アルファビル」「メイド・イン・USA」に通じる気恥ずかしい居た堪れなさを感じる。

 

冒頭はすごく良い。何故か玉乗りする女から開巻する物語は長回しフレームワークが決まり、男を追って安宿を訪ねてきた正体不明の女が醸すノワールなムードが期待を煽る。

続いて競馬場の馬券売り場みたいなところで女2人が歩いてる。手持ちカメラでドキュメンタルなと言えば聞こえがいいけどぞんざい。

とまあ、記憶にあるのはここまでで、あとは誰が誰でいったい何が起きてるのかさっぱり話が入って来なかった。

 

見た後、梗概を読むと「地上に降臨した月の女神と太陽の女神の戦い」とある。「はあ?」と絶句し膝が崩れ落ちそうになり「ざけんじゃねえ」と奥歯を噛みしめ吐息をついた。

「茶番劇やん」

 

ファムファタール登壇めいたノワールな導入は長回しと的確なフレームワークが決まり大層に魅力的だが、あとはグダグダ。だいたいにこの茶番めいた設定から何を押し出したかったのか皆目解らん。アホに振り切れずマジな心情の迸りもない。付き合い切れない。(cinemascape)

 

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