男の痰壺

映画の感想中心です

ロックン・ロール・サーカス

★★★ 2022年8発31日(水) シネリーブル梅田1

なんでも1969年に作られたものの30年お蔵入りになってたTV作品だとかで、ストーンズがロックとサーカスがフュージョンしたらおもろいやんとの天啓を受け撮られたもんらしい。申し訳程度にサーカス芸人のショボい芸が演奏の合間に挟まれるけど、幕間つなぎの域は出ていません。企画倒れと言っていい。

 

何組かの演奏があって、トリでストーンズが数曲演奏するのだが「悪魔を憐れむ歌」が大トリです。この作品の前年1968年にゴダールの「ワン・プラス・ワン」で同曲の創作過程が記録されているが、あのエキサイティングな叙述を思えば凡庸の感は否めませんでした。

 

レアな記録として突出するのが、ジョン・レノンがクラプトン、キースと組んだこの時限りのユニット「ザ・ダーティ・マック」で、これはさすがに良い。レノンのヴォーカリストとしての才を改めて思い知る。

であるが、改めて断トツにスゲーと思わされたのがザ・フーで、もう最初からトランス状態で逝っております。ギター叩き折ったりドラムぶっ壊したりで名を馳せた彼らであったが、こんだけのめりこんだらそうなるやろなと思わせる。学生時代に「フーズ・ネクスト」は愛聴版でしたが、改めて聴きたいなと思わせました。

 

まあ、全体として今いち感拭えませんでしたけど、この2組のパフォーマンスだけでも見る価値あったと思います。

 

ロックとサーカスのフュージョン面白ーぜの当初案は雲散し単なる何組かのバンドの演奏ショーだが企画者ストーンズ影薄い。序盤のザ・フーのトランスパフォーマンスと中盤のレノン&クラプトンのセッションに持ってかれた。ヨーコは騒音。(cinemascape)

 

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