★★ 12月16日(金) 大阪ステーションシティシネマ6
はるか昔TV放映で見て子供心におもんない思ったのだが、その後これが東宝特撮映画の中でも秀でた作品として評価されているのを知って機会があれば見直してみたいと思っておりました。
で、今回見てやっぱおもんないわ思いました。
とにかくこの映画、前半ラドンは出てこなくって出るのはメガヌロンばっかです。巨大トンボのヤゴなんだそうで、こいつが民家の庭から入ってきて人を切り裂く。けっこうな人数が切り裂かれて死ぬ。体長何十メートルの怪獣よりも何メートルの奴の方が怖く感じるのはリアリティがあるからなんでしょうね。
メガヌロンがえっちらこっちら山肌を登るとこなんかはモスラの幼虫みたいだし、地底の空洞で巨大卵が孵化してラドンが現れるシーンなんかも後年の「モスラ」に延用されてるんだろう。ただ現地人の代わりに周りにうじゃうじゃいるのはメガヌロンなんですが。彼らは生まれたラドンの美味しいお食事となります。
で、ラドンが地上に姿を現してからは余り覚えてません。睡眠不足もあり意識が朦朧とし出して時折覚醒するのだが又朦朧とする。現実世界に舞い戻ってスクリーンとしっかり対峙した時には哀れラドンは阿蘇山火口に飛び込んで心中したのだった。
最初にその姿が撮影された際に学者たちが太古の翼竜プテラノドンのようだと言う。しかし、同一シーン内でいきなりラドンに呼称が変わる。せめて「ラドンと命名しよう」とかの台詞がほしい。些細なことやけど。
民家の軒先から現れるメガヌロンは日常と非日常の接点を融解させる戦慄なのだが、一方で山肌をえっちらこっちら登る様は玩具めいて微笑ましい。地底の巨大卵の周りで群れなす様は孵化したラドンの餌となるとも知らず哀れである。後半は彼らが消え退屈の極み。(cinemascape)