★★★ 2023年3月8日(水) シネリーブル梅田4
1970年代、フランス映画低迷期にうすボンヤリした恋愛映画が日本で続けて公開されて、当然、大して話題にもならなかった。「夕なぎ」「うず潮」「潮騒」で、ヒロインはそれぞれロミー・シュナイダー、カトリーヌ・ドヌーヴ、キャサリン・ロスだが、何故か全部イヴ・モンタンがお相手を務める。このうすボンヤリした親爺はフランス映画低迷の象徴だったのかも知れないっすな。
恋愛映画と書きましたが、とんでもないヘナチョコ映画だった。原題は「偶然と暴力」。監督のフィリップ・ラブロは日常に介在する暴力を描きたかったらしいのだが、その暴力がヘタレすぎて苦笑するしかないんです。でも、至って真面目に撮ってるらしいのがなんか憎めない。
恋愛の方もお座なりで本気で描く気もないらしいので、ドキドキもワクワクも皆無。でもキャサリン・ロスは脱ぎます。そして最後は憂愁に浸ったりするんですなあ。トホホと言うしかないっす。
「偶然と暴力」と題された意欲作なのだが、へなちょこカンフー擬きのおっさんが大暴れとかガキがパチンコで撃ってくるとか暴力がヘタレすぎて唖然とする。モンタンはモテるべくしてモテキャサリンは惜しげなく脱ぐ。ある意味すごい映画かもしれない。(cinemascape)