★★★ 2024年8月5日(月) プラネットプラス1
サミュエル・フラーほとんど見てませんが、これ見て彼の論理と倫理のまっとうな平衡感覚に今更ながらに驚きました。弱小プロダクションで制作・脚本もほとんど兼務してきた人だから気骨があるんでしょう。こういう人やったんかっちゅう意外性。
「ダンス・ウィズ・ウルブス」の原型みたいなもんで、白人でありながらスー族に受け入れられ彼らの側として戦う男の話である。
騎兵隊が残虐なアメリカ先住民と戦うといったアメリカ映画史は70年代になってカウンターカルチャーの勃興とともに見直された。なんとなくそんなイメージを持ってたんですが、50年代から連綿とこういう映画も作られてたんだってことを改めて考えるきっかけになりました。アメリカという国の懐の深さとでも言いましょうか。そして、南北戦争という内戦が、如何にその後長きにわたって人々の考え方に影響したのかということも。
50年代に「波止場」で脚光を浴びたロッド・スタイガーの足跡は60年代終盤に「質屋」と「夜の大捜査線」で俄かにピークを迎える。その間の雌伏期間の作品の1本としても見て良かった。あゝこんな普通の人を普通に演ってたんやってことです。