★★★★ 2024年8月27日(火) TOHOシネマズ梅田6
スカしたようなデヴィッド・リーチの作風は相変わらずだが、それでも真摯なスタント愛と、男と女の関係に於ける衒いのない想い。この2つがおふざけして見せても隠し難い本音とわかるのが好ましい。今まで見た彼の作品では最上位に置きたい出来だと思います。
映画制作の現場に於けるヒエラルキー。それは、スター俳優とスタントマンだけでなく、新人監督とベテランプロデューサーの間にも厳然とある。この2つをほぼ同格に描いたのが構成的に優れていて、ゴズリング=スタントマン、エミリー=新人監督という虐げられる側の2人が各々こんニャロメーとばかりにスター、プロデューサーをぶちのめす、そして2人の愛は成就するのである。とまあ、W快感なわけです。
そういう意味で、スタントのド本気度も清々しいの一言ですが、エミリーの撮ってる「メタルストーム」なるチープなスペースオペラの造形もかなりのもんで拘りを感じさせる。そういう現場の膨大な熱量を軽やかなジョークとウィットでオブラートする。これが粋ってもんやわな。