★★★ 2024年8月31日(土) 大阪ステーションシティシネマ1
【ネタバレです】
満島ひかりのキャラ設定が良い。単に異動してきたやり手のセンター長という表の人事の裏により高所から何らかのミッションの為に送り込まれたというネタ明かしが終盤にある。(まあ、最初にネタバレと書いたものの、こりゃ完全な映画の肝言っちゃいましたね、知らんがな)
ヒエラルキーの転倒がもたらす快感は「ザ・ハント」が頭をかすめる。だけど、降って湧いた連続配送物爆発事件が起こりてんてこ舞いする為に、当初のミッション何やったん、との疑義もあるんですが。
運輸業界の過労と低所得の問題を提議している。それは何年も前から言われてきたことで、2024年問題とかはどうなったんですかね。もう4月はとっくに過ぎてますけど。満島が独断で運輸業者と個当たりの単価を何10円か引き上げるんですが、宇野祥平の末端孫請けドライバーが焼石に水やと言う通り、その程度じゃ話にならんでしょね。話にならん結末をして話の締めとせざるを得ないあたり、まあ真摯なんだろうが詰めは甘いんじゃないでしょか。宅配ピザを店舗に取りに行ったときとの価格差なんかが、俺は宅配の付加価値としては適正だと思うんですがね。
所詮、社会問題を取り込んでみました的なマニュアル臭が抜けきらない出来だし、演出的にも可もなく不可もないレベル。テレビ局主体の作劇なんてこの程度にしかならねーんやと改めて思わされる。悪くない出来なのにきつい言い方かもしれませんが。でも、もっと世界をひっくり返すくらいのこと映画でやってみろよ、とか思っちゃうんですよね。