男の痰壺

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ランボー

★★★ 2024年10月28日(月) 大阪ステーションシティシネマ

ずいぶん昔TV放映で見たことがあるのだけど、驚くくらいに覚えていた。それは話が単純だからだろうし、その単純さを押し破って表出する使い捨てられた者のエモーションの強度だろう。

シリーズ化された後続の作品(「最後の戦場」以外未見)のベトナムアフガニスタン・タイといった海外に於けるスーパーヒーローの戦闘譚と違いアメリカの地方都市が舞台というのが70年代のニューシネマめいて味わい深い。そいつらの排他性は見事なまでに保守反動的なのだ。数多あるベトナム帰還兵が祖国アメリカからもスポイルされるという映画群の中で直情的にスタローンの泣きに帰結する展開は単細胞ではあるが先述のとおりの強度で見る者の心を揺さぶる。そいでまたリチャード・クレンナの大佐が唯一彼を理解してやるというのが泣かせるんです。

 

保安官を演じるブライアン・デネヒーも本作が主要な役としては初抜擢だったが、元々演劇畑の人で後にグリーナウェイの「建築家の腹」の主演を務める実力派。クレンナと彼がスタローンを挟んで三角軸を形成してるのも安定感をもたらしています。

 

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