★★★★ 2024年11月17日(日) シネヌーヴォ
決して幸せとはいえない女がいて、その彼女が危機に見舞われ、ふらりとやって来た男に救われる。という女性の白馬の王子様願望を取り入れた鉄板の売れ線ストーリーであります。セバスチャン・ジャプリソはフランスの赤川次郎みたいなもんですかね。
ただ、その王子様がドテかぼちゃみたいなチャールズ・ブロンソンなのが、コペルニクス的な価値観転倒を起こして、2枚目だったら自分を仮託しょうがない男どもまでも引きつける要因となりヒットに結びついたのであった。(ホンマかいな)
それにしても子どもの頃にTV放映で見たきりで今回久しぶりに見ましたが、このブロンソンあらためてええなーと思いました。決して動じない胆力と余裕もありますが、そこはかと滲み出る男の優しさ。これやったら俺でもなれるかも、であります。
一方でヒロインのマルレーヌ・ジョベールの儚さがこれ又絶品で、守ってあげたいの男の庇護本能を最大限まで振り切れさせる。クソみたいな亭主放ってこっちおいでませーであります。
正直、ルネ・クレマンの演出にさして見るべきもんもないとは思いますが、主演の2人が破格に良いのでこの点数にしました。
服買うくらいしか生きる寄す処のない薄幸女が見舞われた災厄に見知らぬ男が現れて助けてくれるという、女性の白馬の王子様願望をドテかぼちゃ男が転倒させるが、予想外の身の熟しとダンディズムが価値観を再転倒させる。このブロンソンには男も惚れるぜ。(cinemascape)