男の痰壺

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グラディエーターⅡ 英雄を呼ぶ声

★★★ 2024年11月23日(土) MOVIXあまがさき1

あれこれ盛った展開だけど、挙句に拡散して対立軸の強度は低下した。

 

リドリー・スコットの映画に何一つ期待もしなくなったのはいつ頃からやろ。少なくとも「グラディエーター」前作までは色んなジャンルを縦横に横断する無双のマエストロの感があったはずであるが、以降は新たな発想が枯渇した年寄りの繰言みたいにおんなじよーなもんばかり作って最早なんの刺激もない。

そこにきて本作ですから、おいでなすったね「エイリアン」の次はこれですか、てなわけで見る気もなかったんですが、他に見るもんもなく結局見ました。

 

最初に書いたとおり、前作ではラッセル・クロウVSホアキン・フェニックスの揺るぎない対立構図があったのに、今回は双子のバカ皇帝との間にデンゼルの奴隷商人を入れてしまった為に何だか訳わかんない展開に。最後の一騎打ちの萌えなさときたらフーンさよかレベル。

 

不要な仕掛けや捻りも目につく。奴隷市場での人喰い猿って空想上の怪獣でっか、闘技場でのサイって猛牛とかではアカンのか、コロシアムを海水プール化してのサメってマンガやん。このあたり見ても、リドリー・スコットは頭のネジ1、2本飛んでもたって思うしかないですわ。

 

主人公の個人的怒りのベクトルがメスカル・双子の間で浮遊した挙げ句にデンゼルへと向かい何故か帝国大義の為とは何でやねんである。蔑ろにされたエモーションはサイやサメや大猿モドキの仮想史劇のギミックで粉飾される。血迷ったとしか思えない。(cinemascape)

 

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