男の痰壺

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アズミ・ハルコは行方不明

★★★★ 2016年12月10日 シネリーブル梅田1
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あっち側へ行くっていう話であり、ただそれが女性の被虐論的に語られるのが違うんちゃうかとも思う。
だって男だってあっち側へ行きたいっていうか、みんなあっちに行きたいんちゃうやろか。
 
東京近郊の地方都市の閉塞感が絶妙で、この空気は昨年の「ローリング」あたりと通底する。
時間軸の解体と再構築は「桐島」より感覚的・本能的でセンスを感じる。
ハルコの勤務先はデフォルメが形骸的でリアリティが欠如ぎみ。
総じて良いも悪いも込みで60年代後半から70年代前半のATG映画のアナーキズムの残滓を感じる。
 
石崎ひゅーいを筆頭に男=クソであり少女ギャングがクソを掃討する…このロジックはきわどい。
閉塞されたフェミニズムの匂いがする。
一歩間違えれば総スカンを喰いそうだが、語りの巧緻で切り抜けている。
 
蒼井優は最近こんな役ばっかりやってて俺は危惧する。
高畑充希には驚いた。正直、根性を感じた。
 
あっち側へ行くって話が女性の被虐論的に語られるのが違う。男だってあっち側へ行きたいのだ。石崎ひゅーい筆頭に男=クソでありJKギャングがクソを掃討する。このロジックは際どく閉塞されたフェミニズムの匂いがする。そこを語りの巧緻で切り抜けた。(cinemascape)