男の痰壺

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風に濡れた女

★★★ 2017年2月13日(月) シネリーブル梅田4
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日活ロマンポルノリブート作なのだそうだ。
曰く、制約(何分か毎の濡れ場の挿入)さえ守れば何やっても良かった。
多くの業界人は述懐し、その歴史的意義に触れる。
少なからぬ傑作を残した…と。
まあ、過去の追憶は良い思い出しか残らないってことです。
 
あの頃、シコシコと3本立ての映画館に通っていた俺の思い出。
本当に、ごくたまに良作もあるが、残り大半はどうしようもなかった。
その多くの遺棄された作品群にこそ思いを馳せるのがリブートなんじゃないかって思うんです。
 
で、これはそういうどうしようもなさを感じさせるという意味で遣る瀬無く灌漑深い。
終盤のつるべ打ちが爆笑を誘発するほど破壊的なだけに大半の哲学ぶった内省が鬱陶しい。
 
70年代的な奇矯行為と内省的な自己陶酔に3本立ての大半の遺棄された作品群に馳せる遣る瀬無い感慨を覚える点で正しくロマンポルノのリブート作だ。ただ、終盤の釣瓶打ちが爆笑を誘発する破壊性を帯びただけに解体・再構築に更に意識的であって欲しかった。(cinemascape)