男の痰壺

映画の感想中心です

ムーンライト

★★★★ 2017年4月6日(木) TOHOシネマズ梅田2
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正直、これで終わりかいな…ってのが終映後の感想です。
以前、「ブロークバック・マウンテン」評で読んだものに、これが男と女の話だったら、この内容でこれだけの評価を得られるだろうか。
ってのがあって、深く賛同の意を覚えたものです。
 
1夜の浜辺の出来事が何年間も彼の心の拠り所であった。
まあ、マイノリティゆえの切なくも奥ゆかしい心根であり、大きく変貌を遂げてしまった見てくれが又、行き着くとこまで行ったんやなの感慨を付加しラストシークェンスは見せ場ではあるのだが、それなのに少女のように添い寝するだけって思ってしまった。
数年前のレズビアン映画「アデル」では、そこんとこの性描写が徹底的だった。
 
しかし、詩的な描写は全篇素晴らしい。
初期のガス・ヴァン・サントのように揺らぐカメラ。
虹のような光沢を放つ黒い肌。
まさにゲイゆえの感性だと思う。
 
何年間も心の拠り所であった1夜の切なくも奥床しい心根。不可逆的に大きく変貌を遂げちまった見てくれも行き着くとこまで行ったの感慨を付加する。だが炸裂に至らぬ少女チック添い寝が糞詰まり。心象的に揺らぐカメラと虹のような光沢を放つ黒い肌が印象的。(cinemascape)