男の痰壺

映画の感想中心です

パーソナル・ショッパー

★★★★★ 2017年5月18日(木) 大阪ステーションシティシネマ
イメージ 1
概要だけを語るなら完璧なB級ホラー。
…なのだが、語り口がとんでもなく蠱惑的。
初見だが、こういう語り口の職人とは思わなかった。
 
中盤で主人公に登録なしの誰かからメールが入る。
よせばいいのに返信しちまった主人公。
そこから時と場所を変えながら延々とメールの遣り取りが続く。
その異様な長さを切れのいい編集で見せきることに於いて、これは「映画」だ。
 
パーソナルショッパーなる職業が大変リアリティをもって描かれるが、本筋に関係しない。
そのベラボーな無駄を磨き上げる手管に於いて、これは「映画」だ。
 
フェイドアウトを多用し、バンバン寸止めで顛末をボカしてぶった切る。
なんなん、これ。わけわかんない。「映画だ」
 
クリステン・スチュワートのおっぱい丁度いい塩梅のおおきさ。
いやあ…実に実に「映画」っていいもんすなあ。
 
完璧にB級ホラーな梗概だが語り口がとんでもなく蠱惑的。中盤のメール送受信の件の逸脱を編集で牛耳る自覚に於いて、ブランド店巡りのリアリズムのべラボーな無駄を磨き上げる手管に於いて、フェイドアウト多用の寸止め天国の陶酔に於いてこれは「映画」だ。(cinemascape)