★★★ 2017年5月20日(土) シネヌーヴォ
冒頭で戦後の闇市界隈の混沌がスローモーションで捉えらえる。
今風だし、清順のそういう描法は見たことなく何が出てくるかの期待が高まる。
でも、結局は何も出てこない。
女同士のコミューンの諍いが描かれるが、下着の5原色の色分けなど形骸的だ。
今村や浦山なら、もっと突っ込んだディテールや台詞回しで突っ込むのだろうが、言っちゃなんだが清順は所詮、表層インテリなのだ。
で、煎じ詰めれば男の取り合い。
宍戸錠も煮え切らない心根不明の描かれ方なのでエモーションは高まらない。
闇市界隈の混沌を移動とスローモーションで捉える冒頭に何が出るかの期待高まるが結局何も出ず。女同士の諍いは下着5原色で色分けされ形骸化する。ディテールや台詞に依らぬ清順は所詮表層インテリなのだ。錠の煮え切らなさも物語ベクトルを弱体化。(cinemascape)