★★★ 2017年8月27日(日) プラネットスタジオプラス1
一方、ホークスと言えば「男騒ぎ」である。
序盤のチンタラした展開も中盤からリチャード・バーセルメスとトーマス・ミッチェルが前面に出てくると俄然、映画は勢いづいてくる。
仲間を見殺しにして爪弾き者になったバーセルメスも淡々と皆が嫌がる危険な仕事をこなす。
全く男気にあふれている。
ひたすらに仕事が好きで勤しんできた好漢ミッチェルも視力の低下を忍て仕事をこなす。
全く男気にあふれている。
そして、男たちは一丸となって苦境を乗り切るのであった。
やんややんや。
終盤、死んだミッチェルの遺品を見てケーリー・グラントが言う。
「何十年も働いてきてたったこれだけか」
一握りのガラクタのような小物。
彼の生きてきた人生と人柄が一瞬にして観る者を打つであろう。
素晴らしいシークェンスであった。
女なんざあ頭っから水でもぶっかけなきゃ正気な判断できねえんだぜ的マッチョ思考はおっかなくって良しとは言えぬのだが、でも、中盤からのバーセルメスとミッチェルが牽引する男騒ぎには矢張り泣ける。打算などこれっぽっちもない生き様こそ美しい。(cinemascape)