男の痰壺

映画の感想中心です

奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール

★★★★★ 2017年9月23日(土) TOHOシネマズ梅田8
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 極めて普遍的な感情を描いて、文字通り絵に描いたように映像に定着させる…ってことは結構に壁が高い。
漫画でよくある男子が可愛い娘ちゃんを見て目がハート心臓ドッキュンみたいなのはリアルな映像に定着されると大概に寒いものだ。
であるが、この映画…ものの見事にそこをクリアしてみせます。
水原希子の初出シーンで世界中の全ての男は妻夫木と自己同一化しスクリーンに没入するだろう。
 
いや、ほんまに参ったというか、この希子ちゃんの演ったキャラのクソビッチぶりの突き抜け方が半端ない。
まあ、奥田民生に関する主人公のあれこれなんて霞んじゃうんだが、映画を支配するのは希子ちゃんなんだからしゃーないじゃんと思えるオーラだ。(奥田民生は好きですよ…一応)
 
恋の門」のエクストリームなクソテイストを彷彿とさせる、キスモンタージュに痺れた。
それは「ニュー・シネマ・パラダイス」のくだらないキスの継ぎ接ぎを印籠の中に封印するだろう。
 
ソバ屋での妻夫木の男泣き。
又かよ感でうんざりするするのだが、少なくとも「マイ・バック・ページ」のそれよりは感情移入できた。
 
これも又かの感があるにしてもやっぱ巧緻だわ。
 
可愛い娘ちゃんに目がハート胸ドッキュンな廃れリアクションに生命吹き込む希子初出シーン。世界中の男は妻夫木と同一化しスクリーンに没入するだろう。あとはキャラのクソビッチが突き抜け映画は自走する。行き着くソバ屋での詠嘆は存外に本物だ。(cinemascape)