男の痰壺

映画の感想中心です

チキン

★★★★ 2017年9月23日(土) プラネットスタジオプラス1
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クロード・ベリってよく知らんが、調べるとゲンズブールが監督した「スタン・ザ・フラシャー」ってのを俺は見ていて、その映画の主演を演った男で、まあドヘンタイの役でした。
あと、「愛と宿命の泉」ってのを脚本・監督で作ってるが、確かこれはキネ旬のベストテンにも入ってたと思う(未見)。
で、これは、彼がキャリアの初期に監督した短篇なのだが、すごくいい。
 
まあ、ありがちな掌編で、飼っている雄鶏が食卓に上がるのを防ぐべく少年は可愛いらしい嘘をつくのであった。
…ってな話なのだが、この両親役の2人が、一見、好人物に見えない。
であるから、少年、大丈夫かいなって思わせるあたりで予定調和を脱している。
でもって、実は2人は息子が可愛いくってしゃあないんですわ…って最後にわかる。
 
ブレッソンの映画を手掛けた人だが「バルタザール」なみのモノクロ撮影の粋。
 
アカデミー短篇映画賞を受賞している。
日本劇場未公開。多分、ビデオやDVDにもなっていないと思う。
 
ありがち掌編だが少年可愛いやのベタ視線でなく一見したとこ好人物には見えぬ両親役2人が生温さを冷ます。少年、大丈夫かって思わせるあたりで予定調和を逸脱。でも2人は息子が可愛いくってしゃあないんですなあ。エッジの効いたクロケのモノクロが粋。(cinemascape)