男の痰壺

映画の感想中心です

パーティで女の子に話しかけるには

★★ 2017年12月2日(土) 大阪ステーションシティシネマ12
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ジョン・キャメロン・ミッチェルの映画の特質と美点というのは、「イノセント」な資質だと思っている。
特に「ヘドウィグ」と「ラビット・ホール」に使用された自身のアニメーションが切なくて俺は好きだった。
ただ、それは、映画のわずかな1部を構成するに留まったから良かったのであって…。
 
この映画は、イノセント全開であります。
イノセントすぎてゲップが出そう。
 
対置するリアリティとして70年代パンクシーンがあるのだろうと思うのだが、どうもそれも覚束ない。
中盤で、ど素人宇宙人のエル・ファニングが舞台に上げられ歌いだす。
そして、やんやの喝采を受けるのだが、ウソやろうというレベル。
業界にアイコン的存在でニコール・キッドマンが客演してるが、これも見てくれだけなぞった感がぬぐい難い。
 
そもそも、エル・ファニング自体が居場所をつかめきってない感が横溢している。
全体に痛々しくて見るに堪えない結果となってしまった。
 
過去作ではアニメーションに仮託されハードな世界に温もりを与えたJ・C・ミッチェルのイノセンスがだだ漏れでゲップが出そう。エルのヘタレ歌とキッドマンの見てくれだけ感の所為で対置されたパンクシーンが胡散臭い。居た堪れなさが滲み出る。(cinemascape)