男の痰壺

映画の感想中心です

嘘八百

★★★★ 2018年1月14日(日) TOHOシネマズ梅田3
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終盤の結婚式場でのドタバタの中でエレベーターでの鉢合わせがある。
そのとき、瞬間的にこういうシーン見たことあるとの既視感が去来した。
見終わったあとも何の映画やったかとずーっと考えていて、ふと閃いた。
内田けんじの映画やったみたいです。
「アフタースクール」やったか「鍵泥棒のメソッド」やったか…。
ああ、それにしても内田けんじの新作見たいわあ…。って関係ないんですけどね。
 
ええ歳こいたおっさん2人が、むさ苦しい部屋のこたつに入って茶飲んでる。
「お前なんでこの仕事しとんねん」
「小っちゃいころ、有名な陶器の破片もったときチンチン立ってん」
(台詞は意訳です)
このシークェンスが、この映画の美点を表していると思います。
要は内田けんじのように垢抜けてないんですわ。
程よく泥臭くって程よく下品であります。
 
達者な面子がそろって安心して見てられるが、特に塚地とほうかはダレ場を持ち芸で押し切った。
 
利休の遺作という大風呂敷の歴史ロマンティシズムが意外に下味として効き、コンゲームの見てくれショボさを補完する。何より、おっさん2人がチマチマ炬燵で茶を啜る世界を熟達の貴一&蔵之介は満喫している。その充足感こそが命だし世界に適合する。(cinemascape)