男の痰壺

映画の感想中心です

ルージュの手紙

★★★★ 2018年1月26日(金) シネリーブル梅田1
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まず、主人公の助産師としての日常の丁寧な描写に惹かれる。
仕事バリバリ女性ってのは、往々にしてタカビー女として描かれるが、真に仕事に打ち込む人は美しい。
 
で、ドヌーヴ登場だが、彼女も大概映画に出倒してるので、いまさらカリスマも感じないだろう。
と思ってたら、この映画では、すごい存在感だ。
中年太りした体躯も迫力があります。
 
物語の流れは、オーソドックス。
反目してたもの同士が心を通わせるって話である。
しかし、随所で傍系のエピソードが効き、まったく飽きません。
息子とその彼女、菜園んで知り合ったドライバー、仕事の解雇話。
 
全体に奇異を衒ったカメラワークはないのだが、唯一1か所、終盤で池で佇むドヌーヴの主観カメラ。
パンニングの意表をついた使い方に戦慄した。
これがラストとシンクロする。
 
価値観反目の融解というテーマは今更だが助産師への限りない敬意とドヌーヴの巨躯の存在感が相俟って出涸らし感は相殺される。フロの疲弊も好ましい。佇む湖畔の視点がパンアップする衝撃はラストとシンクロ。稀に見るハードボイルドヒロインの降臨。(cinemascape)

 

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