★★★★ 2018年4月3日(火) TOHOシネマズ梅田4
【ネタバレあります】
女スパイに養成されるってことで、「ニキータ」の亜流みたいなもんかという予断。
あるいはパツキン美女の諜報員ってことで、「アトミック・ブロンド」の類似品かという懸念。
ジェニファーも、そんな二番煎じに甘んじていてはヤキがまわったな…って懸念は開巻10分で払拭された。
画面に厚みがあって重い。
いわゆる重厚ってやつで、タイトルが出たころには、この映画イケるって確信があった。
予想外に超人的なガンアクションやカースタントやマーシャルアーツ系の体技は無い。
色仕掛けっていっても、殊更の何かを弄するわけでもない。
当たって砕けろ…なのだ。
地に足ついた展開が好ましい。
アメリカ側のエージェントとの駆け引きがメインストリームで、そこで惚れた腫れたと、祖国を裏切る裏切らないの確執とが絡む。
しかし、予想外に定番展開は周到にはぐらかされる。
米側に亡命をはかった主人公が直前に拉致されロシアに送還されようとする。
救助に向かうアメリカのエージェント。
しかし、ドンパチで彼女奪還…にはなりません。
映画は終盤のクライマックスで、あることが明かされる。
ここで、ちょっと、俺は食傷を感じた。
んな、アホなってこと以上に、世界が一挙に縮小してしまうんですよ。
2大名優の使い方は最高ランクだった。
使い切った感がある。
アクションへの傾倒を封じ地味&鈍重な駆け引きに終始して重厚なジャンル新機軸を打ち出せた感がある。単線で突きすすむ展開も卓袱台返しに近い大技で反転させた。ジェニファー得意のケバメイク&スッピン往還も良だが2大名優の使い切った感も半端ない。(cinemascape)