★★★ 2018年5月19日(土) プラネットスタジオプラスワン
1936年制作は、2・26事件の年。
簡易保険局と日活の提携作品で国策映画とされているが、そういうプロパガンダ色はうかがえない。
姉・弟物語であって、常道パターンである。
親のいないらしい2人。
親類の世話になっていたが、どうにも居づらく家を出る。
真面目な姉は内職で生計を立てるのであった。
ところが、美大生の弟はやってはいけないことに手を染める。
悲嘆の底で姉は結核に…。
まあ、ありがち展開です。
描法は手堅い。
プリント状態も良かった。
薄幸ななか甲斐甲斐しく面倒をみていた弟の不義理を機に病気とはいえ1通の置手紙で転地療養に行っちまう姉がスーパークールなようで割り切り上手なようで竹を割ったような展開。説明的要素を削いだ小国脚本は姉・弟ジャンルの甘酸っぱさをも排除する。(cinemascape)