男の痰壺

映画の感想中心です

正しい日 間違えた日

★★★★★ 2018年7月7日(土) シネリーブル梅田3
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キム・ミニはホン・サンスにとって明らかにさげまん。
夜の浜辺でひとり」と「それから」を見てそう思った。
だが、初めてタッグ作のこれはすごく良い。
未ださげまん効果が顕現していないのだろう。
すごくいいと言ったが、めちゃくちゃ良い。ホン・サンスの中で一番好きかもしれない。
 
まあ、言いずらいことは早めに言おう!
って教訓話で、そういやあホン・サンスがなぞらえられるエリック・ロメールにも6つの教訓シリーズがあったね。
 
女を口説く。
もう、これに特化した映画で、うまくいかないパターンとうまくいったパターン。
ともに男の理想郷が現出している。
うまくいかないパターンのほうが過程の中の女はけっこう好意的。
 
ああ、いずれにしても、こんなグダ酔い親爺に付き合ってくれる美女ってのは夢なのであって
でも、ホン・サンスはそれを信じてるんだよな。
信ずるものは救われる。
ゴーン…ってか。
 
言いにくいことほど先に言っちゃえの教訓は反復される2挿話においてキム・ミニの怒りの放心と落胆の逡巡という微妙さで対比され奥深い。じっと見つめて可愛いの1点突破での口説きが爆笑もんだが冷や汗も。お寺の鐘のピリオド含め愛らしさに満ちた好篇。(cinemascape)