★★★★ 2018年9月9日(日) シネヌーヴォ
あー…やっぱ今更見る映画じゃなかったかも。
と見始めて、そんなことを思ったりもした。
色褪せ感というか救い難いズレ感が横溢する。
コンセプトは映画が始まってほどなく見えてくる。
現状で社会を規範している「モノ」を破壊してリセットしないといけないということらしい。
また、家族が徒に変人(特に息子と娘)なのも絵空事めく。
正直なんだかなあ~と思ったのであったが。
終盤、終わりかと思われた朝餉のシーンのあと、映画は急転回する。
石井聰互の揺るがぬ信念がスパークしたように感じた。
コンセプトは辛うじて貫徹されたのだ。
周りが変だと言ってる自分が結局一番変なのであった…が再周回し辿り着いた社会リセット待望論。類型的前半ではあるが老父の為に掘り始めた行為は逸脱してアナーキーな破壊に向かう。終息かと思えた後の顛末は『爆裂都市』を経た石井の力業で容認したい。(cinemascape)