男の痰壺

映画の感想中心です

来る

★★★★ 2018年12月9日(日) MOVIXあまがさき6
イメージ 1
中島哲也はジャンルとしてのホラー映画に本当に関心があるのかって疑問。
たぶん無いんだと思う…っていうかあんまり巧くもない。
 
映画の前半は、人間の負の部分を拡大した陳列ショーで、嫌な連中ばっかの、ドラマが延々続く。
婚約者を連れての里帰り→結婚式→出産にまつわる妻夫木のダメさと軽薄とズルさ。
これでもかっていうくらいで、まあ、これが中島哲也の本懐なんでしょう。
あきらかに、徹底的な人間嫌いで、そのへん日本のラース・フォン・トリアーと言えるかも。
 
滅してもいいような連中が憑りつかれて死んでいくのは楽しい~っな!
て終わると世間の目が怖い。
で、比嘉姉妹の子が産めない妹、小松菜奈の母性愛を抽出するのだが、そのへんがあざといと思った。
っていうか凡庸な感じ。
でも、姉貴、松たかこを引っ張り出すトリガーが要るんだから仕方ないんでしょうな。
 
終盤はドンツクドンツクと中型マンションの敷地や周囲を縦横に活かしての大活劇…にはなりきれなかった。
が、この大構えは買う。
 
キャストでは松たかこ、柴田理恵が懸念をふっとばして好演。
妻夫木と黒木は気の毒な役でかわいそう。
岡田准一は何しにでてきたんだか。
 
蟲での凶兆表現とか凡庸だしホラーとしてインパクトは無いのだが、時代に阿るクソ野郎どもの表現が徹底していて其奴等がギボワンの餌食になったらイイナってのが中島の本懐で、そこと比嘉姉妹の立ち位置はズレる。だが終盤のドンツクな大構えは悪くない。(cinemascape)