男の痰壺

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ハンターキラー 潜航せよ

★★★★ 2019年4月21日(日) MOVIXあまがさき4
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潜水艦にしてもネイビ^-シールズにしても手垢つきまくりの題材だ。

であるから、それをミックスしちまえってのは、どうにも安易に思える。
ではあるが、ベタだが強固なコンセプトが背骨のように貫いているので気持ちいい。
 
それは、現場主義とプロフェッショナリズムであり、それに基づいた人間の信義則なのだ。
開巻してまもなく、赴任した新艦長が訓示するのだが、彼は兵学校を出ていない、いわばノンキャリアなのであって艦勤務の底辺からたたき上げた男であって、であるからこそ言えるリアリズムで艦員の心を一気につかむ。
対するロシアの艦長も部下の信頼を全面的に得ている男。
一触即発の事態で「わしがたたき上げた連中ばかり」のロシア原潜が攻撃してこないことを確信し米艦長もそれを一瞬で信じる。
こういった解るもん同士の阿吽の呼吸が正味たまりません。
 
シールズの方でも同じことが描かれる。
任務のために命を捨てることをいとわないし、部下を助けるために命をかける。
そして、テロリストサイドでも同じような描写がある。
 
もう、これは漢気祭りの趣があります。
であるから、特徴がいまいちない新人監督の演出ではあるが、それでいいと思える。
こんだけテンコ盛りでグイグイくる脚本(原作)なんだから下手な手をうたない方が吉。
 
潜水艦とシールズを合体した手垢塗れのジャンル混合物だが、背骨に現場主義的ノンキャリ魂が図太く通ってベタを押し通す。この男たちは命を賭すことを厭わないだけでなく互いをとことん信じるし決して裏切らない。プロとは何かのアナログな回答が気持ちいい。(cinemascape)