男の痰壺

映画の感想中心です

ゴジラ キング・オブ・モンスターズ

★★ 2019年6月3日(月) 大阪ステーションシティシネマ
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なんやねんと思った。
何がって、ラドンである。
キングギドラに歯がたたないとわかったら、手のひら返して軍門に下りモスラに襲い掛かりやがんの。
それで、ギドラがゴジラに負かされると頭を垂れて「へへーすんません」。
これじゃ、水戸黄門の三下ヤクザみたいなもんで、三文芝居も甚だしい。
 
この面子は「三大怪獣 地球最大の決戦」と同じであって、それって怪獣博士の異名をとった俺の幼少時の記憶でも、なんだかなーの出来具合なのであった。
であるから、所詮こんなもんなのかもしれんが、それにしてもダメなとこまでリスペクトせんでもと思う。
 
伊福部の音楽のアレンジも、どーも東宝映画ならしっくりくるが、合わないわー。
オキシジェンデストロイヤーも全然効かないやん。
そんなんやったら使わんといて欲しい。
 
俺は、ギャレス・エドワーズの前作を非常に評価するものだが、今回の監督がダメだと思うのは、ロングショットが無いんですわ。
リアルな風景の中の怪獣ってのがくすぐるところなのに、接写ばかりです。
「大怪獣総攻撃」とか「グエムル」とか、そのへん絶妙な映画で勉強して出直してこい…と思った。
 
「どうかお許しを」の寝返りラドンの平伏が象徴する東宝チャンピオン祭りの今更の復刻テイスト。音楽・武器・キャラなど原シリーズの摘まみ食い的な意匠投入も半端なので食い合わせの悪さだけが残る。見たいのは日常の風景の中の怪獣でCGプロレスではない。(cinemascape)