男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【お】

男はつらいよ 寅次郎紙風船

★★★ 1982年1月17日(日) 伊丹ローズ劇場 「男」から「父」への変遷の端境期に登場した『寅次郎頑張れ!』と似たマドンナ2枚看板で音無も岸本も良いだけに、どっちつかずに分散した構造が惜しい。シリーズ中興の80年代作中出来の良い部類だと思う。(cinemas…

恐るべき訪問者

★★★★ 1982年1月25日(日) 伊丹ローズ劇場 完全にキワもの的題材なのだが、英国版の地味オールスターとでも言うべき出演者達が所を得た芝居を堪能させ顔ぶれを見てるだけでも飽きない。ギルバート・テイラーのカメラもエッジの効いたシャープネスで全篇を統一…

鬼ガール!!

★★★★★ 2020年10月20日(火) MOVIXあまがさき2 高校生の自主映画製作の話を縦軸に、鬼である女子高生の青春の悶々が横軸として絡む。いうなれば真面にとりあうのもバカバカしい話ってことなのだが。 河内長野のご当地ムービーってことで、まあ言うなれ…

おとなのけんか

★★★★★ 2012年3月17日(土) 大阪ステーションシティシネマ6 融和と反目を繰り返す4人の順列組み合わせの果てしない錯綜が、中盤以降、アルコールが触媒となり一気に暴走し始めるあたりがポランスキーの面目躍如。それを牽引するジョディの青筋芸と拮抗する…

すいばれ一家 男になりたい

★★★ 2012年1月21日(土) 日劇会館 元祖チャラ男とでも言うべき山城のモテモテぶりも今一納得いかぬ鈍重で冴えぬことが味とは言え、女親分宮園と並んで物語りも締まりない。文太と遠藤が担う任侠マターで一安心の体たらくなら生パンまで持ち出された小百合に…

女の顔

★★★ 2020年9月21日(月) プラネットスタジオプラス1 ヒッチコックが舌舐めずりして撮りたそうな題材だと思った。後段にあるロープウェイと馬車による2つの大構えな見せ場はテイストもヒッチコック的だ。 スウェーデン時代のイングリッド・バーグマン主演…

男はつらいよ 旅と女と寅次郎

★★★★ 2020年9月19日(土) 大阪ステーションシティシネマ5 まさかアンコ椿で泣けるとは思わなかった。 「男はつらいよ」全48作劇場鑑賞の掉尾だとの思いが、狂おしく俺の涙腺を刺激してやまない。そんな感情が湧き起こるなんて思ってもみなかった。 この…

思い、思われ、ふり、ふられ

★★★ 2020年8月29日(土) TOHOシネマズ梅田9 この手のジャンルムービーを撮り続ける三木孝弘浩が、ある高みに達したみたいな評を読んで興味を惹かれたが、全然凡庸だった。 同じ巨大マンションに住む高校生たちが主役です。 っていうと昨年の山戸結希「…

オン・ザ・ロード

★★★ 1982年4月22日(木) 伊丹グリーン劇場 男と女が疾走を続けながら追いつ追われつ南下すると言うコンセプトなら20年前の『憎いあンちくしょう』の方が、他者の為の行為が自己に訴求するという点で100倍高踏的だ。良くも悪くもベタなのである。全体的に…

男はつらいよ 寅次郎春の夢

★★★★ 2020年8月30日(日) 大阪ステーションシティシネマ6 胡散臭い感じがして、長年食指の動かなかった作だが、予想に反して佳品だった。 だいたい、何でレナード・シュレイダー?ってのもあったし、ハーブ・エデルマンって誰?ってのもあって、それが山田…

脅迫

★★★ 2020年8月9日(月) 新世界東映 「脅迫」と書いて「おどし」と読ませます。 サラリーマン一家に逃亡犯が押し入り、家族を人質に亭主にあれやこれや指示する。 ワイラー「必死の逃亡者」が先鞭をつけたこの設定は昨今に至るまで多くの変奏作を産んでいる…

狼と豚と人間

★★★ 2020年8月9日(月) 新世界東映 最初の30分くらい、これは、ものすごい傑作なのではの期待でテンションが上がる。 3兄弟物語だが、配役の不親和がスリリングだ。高倉健って深作映画に出てたんやの異質感。気取ったグラサンで海の彼方の異国への憧憬語…

おかしなおかしな石器人

★★★ 1982年5月28日(金) 伊丹グリーン劇場 どうでもいいような間延びコメディとも言い切れないのは、かのハリーハウゼン直伝のデヴィド・アレンの特撮が高水準だからだろう。それが要所を締めるおかげで間延び度も綿密な計算に裏打ちされてるかと錯覚しそうだ…

女の都

★★★ 1982年7月2日(金) 大毎地下劇場 女性への憧憬というよりマゾヒズム願望に思える。何れにせよ『8 1/2』『魂のジュリエッタ』系譜の夢か現かのゴチャマゼ世界の成れの果てが、こういう幼児的願望をさらけ出す帰結とは…老醜とも思うが、それも又ええやんと…

男はつらいよ フーテンの寅

★★★★ 2020年6月20日(土) 大阪ステーションシティシネマ5 シリーズ49作のうち46作を映画館で見ていて、これで残り2本。ステーションシティシネマで全作やるそうなのでチャンスである。 思えば、高校生の頃、秋吉久美子の「ワニと鸚鵡とオットセイ」目…

王朝の陰謀 判事ディーと人体発火怪奇事件

★★★ 2012年9月15日(土) 新世界国際劇場 ツイ・ハーク演出も場数を踏みマキノ張りの力み無き安定領域に達したかとも思えるのだが、怪奇事件に対するにラウ判事の関心ベクトルは中盤ではビンビン嬢への想いへ、終盤では女帝カリーナとの融解へ傾き拡散する。…

男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋

★★ 1982年8月10日(火) 伊丹ローズ劇場 ルーチンワーク的側面から破綻しているわけでもない。寧ろ出涸らし的要素を相変わらず巧みにリミックスしているが、シリーズ中特筆すべき暗さ。薄幸のヒロインをサディスティックなまでに突き落とす作劇にいしだあゆみ…

狼男アメリカン

★★★★ 1982年9月13日(月) 伊丹グリーン劇場 バカがアメリカでバカやってもウンザリするような埋没感があるが、ダークネスなロンドンの空気が抑制と対比を与えて、悲喜劇のブレンド感が絶妙な中途半端さを醸し出す。後半の展開が性急すぎたのが惜しまれるが佳…

女ドラゴンと怒りの未亡人軍団

★ 2012年10月13日(土) 新世界国際劇場 宝塚もどきの熟女連のチャンバラカンフー学芸会ごっこを見せられ続けることで、怒り→諦念で本来済む感情バイオリズムが揺り戻し、頂上的不快領域で高位安定してしまった。大体が優等生ジャッキーが絡んで未亡人のエロ…

黄金を抱いて翔べ

★★★ 2012年11月4日(日) MOVIXあまがさき10 物語の背景に「半島」や「新左翼」という硬質ファクターを匂わせ、過剰な暴力とコテコテ笑いをを随所に配置する。前半に関しては惚れ惚れする捌き具合だった。だが、そういうのを全部置き去りにし段取り劇…

新・男はつらいよ

★★★★ 2013年1月17日(木) トビタ東映 真面目なさくらが不在の中、擬似寅的おいちゃんおばちゃんがフィーチャーされ、前半のドタバタは破壊力は無いが安定強度抜群。で一方で栗原小巻の可愛らしさは破壊的で、寅のダメージが沁みる。演出の見劣りは感じなか…

大いなる西部

★★★★ 2013年2月14日(木)TOHOシネマズ梅田10 笑ってしまうくらいな大構えがお茶目。新旧や東西の対立軸を錯綜させた構成は見事だが、旧世代の終焉による収め方が性急過ぎ。シークェンスの頭に何度か置かれたカウボーイ達のダラな日常。ワイラーのこう…

音楽

★★★★ 2020年4月2日(木) シネリーブル梅田2 ズバリ「音楽」というシンプルなタイトルが表すように、人類の初源的な音楽との出会いみたいなのを描こうとしている。 のだと思います。 喧嘩くらいしかやることない不良の3人が、ひょんなことから手に入れたベ…

オクラホマ巨人

★★★ 2020年2月11日(火) プラネットスタジオプラス1 なんだか意味不明の邦題である。「オクラホマの石油」ってんじゃダメなのはわかるが、なんで巨人?しかも助詞がないから固有名詞みたいで、これじゃ怪物の名前みたいやん。 ってなことも考え、配給会社…

おとうと

★★★ 1981年2月21日(土) SABホール 暗黒波動が渦巻く家庭でも健気な姉弟はかく生きたという視点は無い。両者は乖離し相克を見ずドラマトゥルギー無きなか崑の歪な変質趣味と宮川の強固な偏執審美のみが際だつ。甘ったれた「おとうと」にも最後まで共感で…

オブリビオン

★★★ 2013年6月13日(木) TOHOシネマズ梅田3 まあ、一応ビジュアルは良しとしても、フリーマン以下の面々が物語的に機能せずで寧ろ妻への想いの純度を薄め切なさを拡散。で、彼らがいないとしても、このネタは余りに近年で多く語られハードルが高い。そ…

男はつらいよ お帰り寅さん

★★★ 2019年12月29日(日) MOVIXあまがさき11 いったいどんなもんになるんやろと期待と不安が半々であったが、まあ予想通りというか、でもやっぱそんなもんかよって感じだった。 故渥美清の映像をどう処理して新たな撮影分と組みあわせるのかという点…

男はつらいよ 幸福の青い鳥

★★★ 2013年8月17日(土) トビタ東映 庇護者と化した寅が最早、物語を牽引するに適わぬことは知れたことなのだが、にしても途中、別映画かと思える悦子・長渕への尺の割き方で、これが又相も変わらぬ時代錯誤感を纏うのも毎度のこと。筑豊シークェンスが総じ…

おんなの細道 濡れた海峡

★★★ 1981年6月4日(木) 毎日ホール ただただ流される主人公に次から次へと降りかかる新展開に飽きる間もない脚本が最大の功績だろうが、石橋と草薙の助演男優2人が男の優しさを滲み出させて出色である。演出的にはエッジが効いてるわけではないがロマンポル…

俺とあいつの物語

★★ 1981年8月9日(日) 伊丹ローズ劇場 大体、こういう民青めいた集団農営に対して戦略を追及するでもなく、男と女のなあなあ主義に埋没するのでは何をか言わんやであって、自己矛盾も甚だしい。いくら蘭ちゃんが良いっても、女房が働くのどうのってだけでは話…