男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【お】

おとうと

★★ 2010年2月5日(金) 梅田ブルク7シアター1 若い2人やホスピス周辺など多くの点描される脇キャラは相変わらず素晴らしいが、肝心の鶴瓶が可愛くないのが救いがたい。それを又今更の寅次郎のトレースとして出す山田には慢心した権威臭さえ感じた。シスコ…

L.A.大捜査線 狼たちの街

★★★ 1986年11月2日(日) 友楽会館大劇場 やっちまったの連続が『フレンチ・コネクション』リフレインなのだが、主演俳優にハックマン程の狂気と愛嬌が無く捜査の行き過ぎに必然を付与できなかった。大がかりなチェイスが見せる程度。ミューラーの撮影もシステ…

狼の死刑宣告

★★★★ 2010年10月15日(金) トビタシネマ 定型を踏み外さない展開のカタルシス。モラトリアム糞喰らえな殴りこみシークェンスに於いては如実に『わらの犬』や『タクシー・ドライバー』といった70年代映画への回帰が感じられる。前半の肝の駐車場での長回し…

男はつらいよ 夜霧にむせぶ寅次郎

★★ 1984年8月30日(木) 観光会館地下劇場 浅丘ルリ子や岸本加世子といった同系列の女フーテンに比して世荒びの疲弊感も天与の楽天思考も無いマドンナ。寅が加担する意味も理解不可能。加えて渡瀬の役回りなど最後まで煮え切らない展開にも唖然。総じて低調な…

お葬式

★★★★★ 1984年12月2日(日) 南街シネマ 「映画を撮りたい」…そういった鬱積した思いの丈を惜しげもなく全篇にぶちこみまくった挙げ句に技巧のオンパレード的祝祭気分が葬式という題材とセーブし合った絶妙のバランス感覚。80年代自主映画ムーブメントの土壌…

男はつらいよ 花も嵐も寅次郎

★★★ 1983年1月4日(火) 伊丹ローズ劇場 合わぬと思ってた裕子とジュリーが思いの他山田世界に親和してるのが意外だが後年の2人を見れば然もありなむ。微妙な均衡点で世界の調和が危うくも成立した。寅屋のシーンも前後のシリーズ中では充実してる方。寅も未…

男はつらいよ 柴又慕情

★★★ 1983年3月16日(水) 伊丹ローズ劇場 吉永小百合が頑固親爺に悩まされる素直な娘を好演しているものの、素直に相談相手として寅を慕うだけで色恋は何にもない。寅も約束事としてふられては見せるが如何にもとってつけたようだ。そういう淡泊な予定調和には…

俺っちのウエディング

★★★★ 1983年5月10日(火) 伊丹ローズ劇場 散文的な丸山の資質が冷徹でも炎を秘めた根岸演出と融合し日本映画としては希な本質で欧米的なライトコメディを現出させた。C調な時任・宮崎を配し尚刻印された青春は叙情性無くモラトリアムな混迷がある。前田撮影…

男はつらいよ 寅次郎の縁談

★★★ 2011年7月9日(土) トビタ東映 新味の欠片もない出がらし的一作なのだが、松坂の腰の据わった風情や城山の衒いのない直情など女たちは良い。そう思うそばから、引き際よすぎる寅のダメさと満男の意気地なさに相も変らぬ残尿感を覚える水準作。就職に絡…

大鹿村騒動記

★★★ 2011年7月21日(木) 梅田ブルク7シアター2 時宜を得た老キャスト連が醸す好コラボのまったり感に身を委ねてたゆたう至福はあるが、まったり過ぎてドラマチックな感興も無いのが物足りない。脇ストーリーに至っては、どれも半端な付け焼刃。故原田の声…

男はつらいよ 寅次郎紙風船

★★★ 1982年1月17日(日) 伊丹ローズ劇場 「男」から「父」への変遷の端境期に登場した『寅次郎頑張れ!』と似たマドンナ2枚看板で音無も岸本も良いだけに、どっちつかずに分散した構造が惜しい。シリーズ中興の80年代作中出来の良い部類だと思う。(cinemas…

恐るべき訪問者

★★★★ 1982年1月25日(日) 伊丹ローズ劇場 完全にキワもの的題材なのだが、英国版の地味オールスターとでも言うべき出演者達が所を得た芝居を堪能させ顔ぶれを見てるだけでも飽きない。ギルバート・テイラーのカメラもエッジの効いたシャープネスで全篇を統一…

鬼ガール!!

★★★★★ 2020年10月20日(火) MOVIXあまがさき2 高校生の自主映画製作の話を縦軸に、鬼である女子高生の青春の悶々が横軸として絡む。いうなれば真面にとりあうのもバカバカしい話ってことなのだが。 河内長野のご当地ムービーってことで、まあ言うなれ…

おとなのけんか

★★★★★ 2012年3月17日(土) 大阪ステーションシティシネマ6 融和と反目を繰り返す4人の順列組み合わせの果てしない錯綜が、中盤以降、アルコールが触媒となり一気に暴走し始めるあたりがポランスキーの面目躍如。それを牽引するジョディの青筋芸と拮抗する…

すいばれ一家 男になりたい

★★★ 2012年1月21日(土) 日劇会館 元祖チャラ男とでも言うべき山城のモテモテぶりも今一納得いかぬ鈍重で冴えぬことが味とは言え、女親分宮園と並んで物語りも締まりない。文太と遠藤が担う任侠マターで一安心の体たらくなら生パンまで持ち出された小百合に…

女の顔

★★★ 2020年9月21日(月) プラネットスタジオプラス1 ヒッチコックが舌舐めずりして撮りたそうな題材だと思った。後段にあるロープウェイと馬車による2つの大構えな見せ場はテイストもヒッチコック的だ。 スウェーデン時代のイングリッド・バーグマン主演…

男はつらいよ 旅と女と寅次郎

★★★★ 2020年9月19日(土) 大阪ステーションシティシネマ5 まさかアンコ椿で泣けるとは思わなかった。 「男はつらいよ」全48作劇場鑑賞の掉尾だとの思いが、狂おしく俺の涙腺を刺激してやまない。そんな感情が湧き起こるなんて思ってもみなかった。 この…

思い、思われ、ふり、ふられ

★★★ 2020年8月29日(土) TOHOシネマズ梅田9 この手のジャンルムービーを撮り続ける三木孝弘浩が、ある高みに達したみたいな評を読んで興味を惹かれたが、全然凡庸だった。 同じ巨大マンションに住む高校生たちが主役です。 っていうと昨年の山戸結希「…

オン・ザ・ロード

★★★ 1982年4月22日(木) 伊丹グリーン劇場 男と女が疾走を続けながら追いつ追われつ南下すると言うコンセプトなら20年前の『憎いあンちくしょう』の方が、他者の為の行為が自己に訴求するという点で100倍高踏的だ。良くも悪くもベタなのである。全体的に…

男はつらいよ 寅次郎春の夢

★★★★ 2020年8月30日(日) 大阪ステーションシティシネマ6 胡散臭い感じがして、長年食指の動かなかった作だが、予想に反して佳品だった。 だいたい、何でレナード・シュレイダー?ってのもあったし、ハーブ・エデルマンって誰?ってのもあって、それが山田…

脅迫

★★★ 2020年8月9日(月) 新世界東映 「脅迫」と書いて「おどし」と読ませます。 サラリーマン一家に逃亡犯が押し入り、家族を人質に亭主にあれやこれや指示する。 ワイラー「必死の逃亡者」が先鞭をつけたこの設定は昨今に至るまで多くの変奏作を産んでいる…

狼と豚と人間

★★★ 2020年8月9日(月) 新世界東映 最初の30分くらい、これは、ものすごい傑作なのではの期待でテンションが上がる。 3兄弟物語だが、配役の不親和がスリリングだ。高倉健って深作映画に出てたんやの異質感。気取ったグラサンで海の彼方の異国への憧憬語…

おかしなおかしな石器人

★★★ 1982年5月28日(金) 伊丹グリーン劇場 どうでもいいような間延びコメディとも言い切れないのは、かのハリーハウゼン直伝のデヴィド・アレンの特撮が高水準だからだろう。それが要所を締めるおかげで間延び度も綿密な計算に裏打ちされてるかと錯覚しそうだ…

女の都

★★★ 1982年7月2日(金) 大毎地下劇場 女性への憧憬というよりマゾヒズム願望に思える。何れにせよ『8 1/2』『魂のジュリエッタ』系譜の夢か現かのゴチャマゼ世界の成れの果てが、こういう幼児的願望をさらけ出す帰結とは…老醜とも思うが、それも又ええやんと…

男はつらいよ フーテンの寅

★★★★ 2020年6月20日(土) 大阪ステーションシティシネマ5 シリーズ49作のうち46作を映画館で見ていて、これで残り2本。ステーションシティシネマで全作やるそうなのでチャンスである。 思えば、高校生の頃、秋吉久美子の「ワニと鸚鵡とオットセイ」目…

王朝の陰謀 判事ディーと人体発火怪奇事件

★★★ 2012年9月15日(土) 新世界国際劇場 ツイ・ハーク演出も場数を踏みマキノ張りの力み無き安定領域に達したかとも思えるのだが、怪奇事件に対するにラウ判事の関心ベクトルは中盤ではビンビン嬢への想いへ、終盤では女帝カリーナとの融解へ傾き拡散する。…

男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋

★★ 1982年8月10日(火) 伊丹ローズ劇場 ルーチンワーク的側面から破綻しているわけでもない。寧ろ出涸らし的要素を相変わらず巧みにリミックスしているが、シリーズ中特筆すべき暗さ。薄幸のヒロインをサディスティックなまでに突き落とす作劇にいしだあゆみ…

狼男アメリカン

★★★★ 1982年9月13日(月) 伊丹グリーン劇場 バカがアメリカでバカやってもウンザリするような埋没感があるが、ダークネスなロンドンの空気が抑制と対比を与えて、悲喜劇のブレンド感が絶妙な中途半端さを醸し出す。後半の展開が性急すぎたのが惜しまれるが佳…

女ドラゴンと怒りの未亡人軍団

★ 2012年10月13日(土) 新世界国際劇場 宝塚もどきの熟女連のチャンバラカンフー学芸会ごっこを見せられ続けることで、怒り→諦念で本来済む感情バイオリズムが揺り戻し、頂上的不快領域で高位安定してしまった。大体が優等生ジャッキーが絡んで未亡人のエロ…

黄金を抱いて翔べ

★★★ 2012年11月4日(日) MOVIXあまがさき10 物語の背景に「半島」や「新左翼」という硬質ファクターを匂わせ、過剰な暴力とコテコテ笑いをを随所に配置する。前半に関しては惚れ惚れする捌き具合だった。だが、そういうのを全部置き去りにし段取り劇…