男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【お】

狼と豚と人間

★★★ 2020年8月9日(月) 新世界東映 最初の30分くらい、これは、ものすごい傑作なのではの期待でテンションが上がる。 3兄弟物語だが、配役の不親和がスリリングだ。高倉健って深作映画に出てたんやの異質感。気取ったグラサンで海の彼方の異国への憧憬語…

おかしなおかしな石器人

★★★ 1982年5月28日(金) 伊丹グリーン劇場 どうでもいいような間延びコメディとも言い切れないのは、かのハリーハウゼン直伝のデヴィド・アレンの特撮が高水準だからだろう。それが要所を締めるおかげで間延び度も綿密な計算に裏打ちされてるかと錯覚しそうだ…

女の都

★★★ 1982年7月2日(金) 大毎地下劇場 女性への憧憬というよりマゾヒズム願望に思える。何れにせよ『8 1/2』『魂のジュリエッタ』系譜の夢か現かのゴチャマゼ世界の成れの果てが、こういう幼児的願望をさらけ出す帰結とは…老醜とも思うが、それも又ええやんと…

男はつらいよ フーテンの寅

★★★★ 2020年6月20日(土) 大阪ステーションシティシネマ5 シリーズ49作のうち46作を映画館で見ていて、これで残り2本。ステーションシティシネマで全作やるそうなのでチャンスである。 思えば、高校生の頃、秋吉久美子の「ワニと鸚鵡とオットセイ」目…

王朝の陰謀 判事ディーと人体発火怪奇事件

★★★ 2012年9月15日(土) 新世界国際劇場 ツイ・ハーク演出も場数を踏みマキノ張りの力み無き安定領域に達したかとも思えるのだが、怪奇事件に対するにラウ判事の関心ベクトルは中盤ではビンビン嬢への想いへ、終盤では女帝カリーナとの融解へ傾き拡散する。…

男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋

★★ 1982年8月10日(火) 伊丹ローズ劇場 ルーチンワーク的側面から破綻しているわけでもない。寧ろ出涸らし的要素を相変わらず巧みにリミックスしているが、シリーズ中特筆すべき暗さ。薄幸のヒロインをサディスティックなまでに突き落とす作劇にいしだあゆみ…

狼男アメリカン

★★★★ 1982年9月13日(月) 伊丹グリーン劇場 バカがアメリカでバカやってもウンザリするような埋没感があるが、ダークネスなロンドンの空気が抑制と対比を与えて、悲喜劇のブレンド感が絶妙な中途半端さを醸し出す。後半の展開が性急すぎたのが惜しまれるが佳…

女ドラゴンと怒りの未亡人軍団

★ 2012年10月13日(土) 新世界国際劇場 宝塚もどきの熟女連のチャンバラカンフー学芸会ごっこを見せられ続けることで、怒り→諦念で本来済む感情バイオリズムが揺り戻し、頂上的不快領域で高位安定してしまった。大体が優等生ジャッキーが絡んで未亡人のエロ…

黄金を抱いて翔べ

★★★ 2012年11月4日(日) MOVIXあまがさき10 物語の背景に「半島」や「新左翼」という硬質ファクターを匂わせ、過剰な暴力とコテコテ笑いをを随所に配置する。前半に関しては惚れ惚れする捌き具合だった。だが、そういうのを全部置き去りにし段取り劇…

新・男はつらいよ

★★★★ 2013年1月17日(木) トビタ東映 真面目なさくらが不在の中、擬似寅的おいちゃんおばちゃんがフィーチャーされ、前半のドタバタは破壊力は無いが安定強度抜群。で一方で栗原小巻の可愛らしさは破壊的で、寅のダメージが沁みる。演出の見劣りは感じなか…

大いなる西部

★★★★ 2013年2月14日(木)TOHOシネマズ梅田10 笑ってしまうくらいな大構えがお茶目。新旧や東西の対立軸を錯綜させた構成は見事だが、旧世代の終焉による収め方が性急過ぎ。シークェンスの頭に何度か置かれたカウボーイ達のダラな日常。ワイラーのこう…

音楽

★★★★ 2020年4月2日(木) シネリーブル梅田2 ズバリ「音楽」というシンプルなタイトルが表すように、人類の初源的な音楽との出会いみたいなのを描こうとしている。 のだと思います。 喧嘩くらいしかやることない不良の3人が、ひょんなことから手に入れたベ…

オクラホマ巨人

★★★ 2020年2月11日(火) プラネットスタジオプラス1 なんだか意味不明の邦題である。「オクラホマの石油」ってんじゃダメなのはわかるが、なんで巨人?しかも助詞がないから固有名詞みたいで、これじゃ怪物の名前みたいやん。 ってなことも考え、配給会社…

おとうと

★★★ 1981年2月21日(土) SABホール 暗黒波動が渦巻く家庭でも健気な姉弟はかく生きたという視点は無い。両者は乖離し相克を見ずドラマトゥルギー無きなか崑の歪な変質趣味と宮川の強固な偏執審美のみが際だつ。甘ったれた「おとうと」にも最後まで共感で…

オブリビオン

★★★ 2013年6月13日(木) TOHOシネマズ梅田3 まあ、一応ビジュアルは良しとしても、フリーマン以下の面々が物語的に機能せずで寧ろ妻への想いの純度を薄め切なさを拡散。で、彼らがいないとしても、このネタは余りに近年で多く語られハードルが高い。そ…

男はつらいよ お帰り寅さん

★★★ 2019年12月29日(日) MOVIXあまがさき11 いったいどんなもんになるんやろと期待と不安が半々であったが、まあ予想通りというか、でもやっぱそんなもんかよって感じだった。 故渥美清の映像をどう処理して新たな撮影分と組みあわせるのかという点…

男はつらいよ 幸福の青い鳥

★★★ 2013年8月17日(土) トビタ東映 庇護者と化した寅が最早、物語を牽引するに適わぬことは知れたことなのだが、にしても途中、別映画かと思える悦子・長渕への尺の割き方で、これが又相も変わらぬ時代錯誤感を纏うのも毎度のこと。筑豊シークェンスが総じ…

おんなの細道 濡れた海峡

★★★ 1981年6月4日(木) 毎日ホール ただただ流される主人公に次から次へと降りかかる新展開に飽きる間もない脚本が最大の功績だろうが、石橋と草薙の助演男優2人が男の優しさを滲み出させて出色である。演出的にはエッジが効いてるわけではないがロマンポル…

俺とあいつの物語

★★ 1981年8月9日(日) 伊丹ローズ劇場 大体、こういう民青めいた集団農営に対して戦略を追及するでもなく、男と女のなあなあ主義に埋没するのでは何をか言わんやであって、自己矛盾も甚だしい。いくら蘭ちゃんが良いっても、女房が働くのどうのってだけでは話…

劇場版 おっさんずラブ LOVE or DEAD

★★★ 2019年9月1日(日) MOVIXあまがさき2 はっきり言って1000%見る気がない映画だった。 TVドラマも見ていない。 女房が又ぞろ「天気の子」が見たいとか言い出して、ゴネてたら、この映画でもいいということでやむなく行った次第です。 けっこ…

俺たちに墓はない

★★★ 2013年11月16日(土) トビタ東映 『遊戯』シリーズ系譜上のパターン演技を踏襲する優作のアドリブ的ヘタウマ演技のために、べらぼうなテキトー設定も釈然とさせる映画王国のマジックなのだが、どうも、その王国から志賀勝が浮いている。真面目すぎて情…

男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎

★★★★ 1981年8月9日(日) 伊丹ローズ劇場 約束事でそうならないとは解っていても、寅とマドンナの一線を越えるキワのキワまで迫った展開はシリーズ中でも出色。松坂は絶品で雁之助も好助演。極めてよくまとまった一品。(cinemascape)

女っ気なし

★★★★★ 2013年12月14日(土) 梅田ガーデンシネマ1 そんな上手いこと行く訳ねえよがあるのがバカンスだということを来りて去りゆく母娘の寓意性に仮託し納得させる終盤の神話性。覚束ない手つきの硬直が解れる訳でもなく一度限りの悲哀を漂わす。折に触れ海…

黄金狂時代

★★★★ 1975年1月26日(日) 伊丹グリーン劇場 靴食などの飢餓表現が笑いのフィルターを通して尚、切ないまでのリアリティを感じさせ伝説的ないくつかの名シーンは至芸と言っていいのだろうが、これでもかのメロメロな情がてんこ盛りで、その過剰さがチャップリ…

狼たちの午後

★★★ 1976年12月7日(日) 伊丹グリーン劇場 成り行きから初舞台に立った男が空気に慣れ饒舌化し自分をさらけ出し始める。整った設定と申し分ない役者を誂え、それでも弾け切らないのは演出が流されてるだけだからだ。外の炎暑の不足は中での不穏な冷気を弱め…

オンリー・ゴッド

★★★★ 2014年1月25日(土) 梅田ブルク7シアター7 原色に濡れたアジアが異界めいてるのだが、そこに理解を超越した倫理が跋扈し通り一遍のノワールを遥かに逸脱している。堪らなくゴアでクールだがギリシャ悲劇のようでもあり吉本新喜劇のようでもあり香港…

黄金の腕

★★★★★ 2019年6月23日(日) プラネットスタジオプラス1 子供のころにTV放映で見た覚えがあるのだが、ほとんど忘れていた。 エルマー・バーンステインの主題曲があまりに有名。 故に、曲だけが残って、映画本篇はたいしたことないんだろうと思っていた。 …

おもいでの夏

★★★★ 1981年9月5日(土) 毎日文化ホール 泡沫の如くに過ぎ去るひと夏の思い出が人生に何を呈するのかなぞと野暮は言わずに浸りきろうという割り切り。ズームやスローモーションの多用がかなり煩いが、ここまで戦略的にやられると諦めがつく気もする。ベタに…

オーメン 最後の闘争

★★★ 1981年8月31日(月) 新劇会館 天使にも準える子供が悪さするのがシリーズのキモだった筈なのに、おっさんになってしまったのでは妙味を欠く。しかも一大コンツェルン総帥にして政界進出を目論むと大風呂敷広げた割には追われて防戦一方なのが竜頭蛇尾。殺…

犯された白衣

★★ 1981年10月17日(土) 新世界東宝敷島 内向し自己完結するテロリズムはオナニーに過ぎない。足立が投げたテーゼは若松と唐の商業主義的妥協に媒介され半端な形で現出してしまったのではなかろうか。画力はあるが俺にはマイナーすぎ。(cinemascape)