男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【ち】

チャーリー・イズ・マイ・ダーリン

★★★★ 2022年8発31日(水) シネリーブル梅田1 別にチャーリー・ワッツを殊更にフィーチャーした映画ではない。なのにこのタイトルなんなんやろか思いますが。 ストーンズの1965年のアイルランドツアーを記録したもので、前年に「ビートルズがやって来る…

血祭の朝

★★★ 1994年4月2日(土) みなみ会館 良くも悪くも優等生的であり、小綺麗にまとまっているものの、話法が妙にこなれ過ぎてて却って面白みがない。本来もっと激しく骨太で土俗的にプリミティブであって欲しかったと思わせる題材であるし、阿るだけで批評性が無…

蝶の舌

★★★★ 2002年2月12日(火) サンケイホール 定番通りの少年期の不安や友情や異性への想いが過不足なく綴られるが、一方で洗濯する女達や水浴する少女達等の背景描写がオリジナルで美しいのでルーティーンから免れている。不穏の予兆が顕現し急転する終盤。唐突…

沈黙の要塞

★★ 1994年8月14日(日) 新世界国際劇場 ナルシズム臭ふんぷんたる男でも他者フィルターを通せば何某かの愛嬌を醸し出す。そこがセガール映画の魅力でもあるのだが、自分で監督しちまった自惚れ鏡では救われないぜセニョール。ただジョアン・チェンが結構いい…

忠臣蔵外伝 四谷怪談

★★★★ 1994年11月27日(日) 池田映劇 『忠臣蔵』にせよ『四谷怪談』にせよ大概にして欲しいという何の新鮮味もない題材で、しかもその2つを合体させると言う臆面の無さが素晴らしいと言えば素晴らしい。佐藤浩市の何とも言えぬ虚無的風情は見所。(cinemascape)…

チョコレート

★★★★★ 2002年8月26日(月) シネリーブル梅田1 愛無き3代の父と息子の葛藤も母の肥満ガキへの憎愛も痛い。楽しい事など何も無い人生で偶然に手にした小さな幸福だからこそ身に染み入る。SEXが愛の根拠たる事をてらいなく描き清清しく、2転3転する女心を…

直撃地獄拳 大逆転

★★★ 2002年11月15日(金 扇町ミュージアムスクエア アクションもギャグも寒くてアホでいいかげんな代物だとしても、やたらテンポが良いので退屈はしない。武者人形に変装した甲賀忍者直系子孫の千葉のしてやったりの佇まいの確信振りには、やむを得ずにしても…

血を吸う薔薇

★★★ 2002年12月18日(水) 扇町ミュージアムスクエア ひとりぼっちの孤独よりも、案外2人ぼっちの孤独の方が切ないかも…と思った。加えて虐げられた者への真摯な共感意識が多少胸を打つ。所詮バッタもんでも、実直な生真面目さで作られた映画には決して唾は吐…

ちぎれた愛の殺人

★★★★ 1993年7月12日(月) テアトル梅田2 終局で底が割れるにつれ又かの失望感があったが、例によってどっぷり浸かった名美と村木の物語が、主人公に刑事を置くことで適度に客体化され、ずるずる感軽減の程よい塩梅に思えた。何より池田の語り口が徹底してダ…

TITANE チタン

★★★ 2022年4月11日(月) 梅田ブルク7シアター4 ジュリア・デュクルノーの前作「RAW」はかなり好きだったのですが、本作はここまで壊れてしまうと如何なもんかと思いました。ニコラス・ウィンディング・レフンが「オンリー・ゴッド」で半壊の旨味を醸し…

沈黙の戦艦

★★★ 1993年8月10日(火) 新世界国際劇場 セガールの思わせぶりだが本質何も考えてない的キャラとジョーンズの屈託あり気だが確信犯キャラが絶妙な対置をもたらしてる。だが閉塞空間での1人きりでの抗戦という基本構図はどう見たって『ダイ・ハード』の2番煎…

チャーリーズ・エンジェル フルスロットル

★★★★★ 2003年7月3日(木) 梅田ピカデリー1 コンセプトを貫くというのは言うほど簡単ではなく、ここまで徹底するのは並大抵ではないと思う。おきゃんな年頃というには些かトウの立ったディアスを筆頭に必死の思いの3人の馬鹿騒ぎにプロ魂を垣間見た。テンシ…

ちょっと思い出しただけ

★★★ 2022年2月26日(土) シネリーブル梅田1 見てませんけど「花束みたいな恋をした」と比較するような評を見たことがあったので、男女の出会いと別れみたいな話だろうとは思われ、そういうのはもうええかなとも思ったのだが、伊藤沙莉のハスキーボイスに悩…

チャップリンの殺人狂時代

★★★ 2003年8月7日(木) OS劇場CAP 大不況下の絶望感を滲み出させてソクソク身に沁みる物語だけに、トレードマークは脱ぎ捨てても残るチャップリンの尻尾が煩わしい。有名なラストの演説も戯言にしか思えない。何故なら物語は其処に収斂するようには組ま…

着信アリ

★★★ 2004年1月30日(金) 三番街シネマ3 従来の閉じた世界に括られるホラーの頸木を打ち破る展開に思えた中盤のTV局での惨劇までは乗れた。しかし、再び内的世界に回帰した物語があろうことか現代病を持ち出しての謎解きに帰結するのでは当たり前すぎる。三…

血と骨

★★★★ 2004年11月19日(金) 梅田ブルク7シアター6 現場のポテンシャルがビシビシ伝わる気の入った演技のオンパレードと堂に入った美術には心底惚れたが、後半のクロニクルに並列的なエピソードの配置からは意外なほど何も見る者に訴求して来ない。かなわん親…

小さき勇者たち ガメラ

★★★ 2006年5月29日(月) 梅田ピカデリー3 「子供の味方」であるガメラというコンセプトを突き詰めた挙句に現出された神憑り的霊感リレーに良い意味での開き直りの境地を感じた。前半の鳥羽の風情の細緻で叙情性に富む描写も良く、怪獣バトルも実景との融合…

地下鉄のザジ

★★★★★ 1992年12月10日(木) シネマアルゴ梅田 少女の都会での1昼夜の冒険譚をスラプスティックな技法を駆使してお茶目に描くと見せかけつつ大人世界の陰影と狂気を散りばめる2重底のような視線を現出させアナーキーな破壊の饗宴の果てにヌケヌケと物語を収…

父親たちの星条旗

★★★ 2006年11月11日(土) 梅田ピカデリー4 捏造された英雄神話に拘る余りにあっけないまでに単視眼的であり、ベトナム経由の出し遅れ感が横溢する。2部作になんか分けずに日米が対峙する戦略をパノラミックに錯綜する視点で描いてこそのものだろう。又、…

チャイニーズ・ゴースト・ストーリー2

★★★ 1991年3月21日(木) 新世界国際劇場 過剰なまでの情緒綿々さが拭い去られて1作目よりおもしろい…かもだが、張りぼてめいたラスボス登場の終盤は、やっぱり…感がもしや感を凌駕し反面安心感も覚えるという毎度馴染みの思考経路を踏襲してくれる。(cinemas…

注文の多い料理店

★★★ 2021年8月15日(日) シネヌーヴォX 恥ずかしながらこの有名な原作を読んだことないし話もどんな内容か知らなかった。でも、こういう怪異譚のオリジナルとも言えるベーシックなもので、宮沢賢治がオリジンなのか、彼もまた何かを参照したのか知りません…

チ・ジニ✕ムン・ソリ 女教授

★★ 2008年3月8日(土) 新世界国際劇場 女教授のトラウマとか凄惨な過去とかそういうものを描こうとしたようにも見えるがそうでもないらしくもある。演出は気取ってるようでもそうでもないようでもあるが単に稚拙なだけかもしれない。合間を縫ってひたすらム…

チコタン ぼくのおよめさん

★★★★★ 2021年8月15日(日) シネヌーヴォX 小学生の男の子が寝ても覚めても同級生の女の子が好きやと、そればっかり考えている。 なんじゃあそりゃあ、そんなん考えてるヒマあったらもっと遊んでもっと勉強しろ。 と俺が親なら言いそう。 でも、チコタンチコ…

近松物語

★★★★★ 1991年11月18日(月) 高槻松竹 溝口のと言うより日本映画の頂点を極める独立最高峰。宮川が印画した滋賀山中の朝靄と水谷が誂た商家の薄暗い奥座敷での衣擦れ。依田がセットする偶発の運命翻弄と沈殿の底より浮び上るパッショネイトな意思の昂揚と堕ち…

昭和残俠伝 血染の唐獅子

★★★ 1990年4月1日(日) 日劇会館 『昭和残侠伝』の監督として佐伯清の凡庸なアナクロは後世に残らなかった。集団のコラボと叙情味で秀でるマキノの水準作。予想外に屹立してしまった『死んで貰います』を別格としてもこれはこれで退屈はしない。しかし、若干…

チャーリー・ウィルソンズ・ウォー

★★★★ 2008年10月25日(土) トビタシネマ 強者の論理に依る単視眼な構造。対ヘリ砲の有無に収斂する物語は深みが無い。期待値ゼロのニコルズ演出にピークアウトした主演2人。見所はホフマンの曲演技のみかと思ったが今更にスター2人の力感に痺れた。特にジ…

菊豆

★★★ 1990年5月27日(日) 三番街シネマ2 次々と主従が逆転していく変遷は長編仕立てで撮るような題材なのに切りすぎて形骸化している。しかもフィルムの解像度が妙に良すぎるので形式主義的セット美術への拘りのみが突出してしまって浅薄な印象しか与え得ない…

地球でたったふたり

★★★ 2008年12月27日(土) ホクテンザ1 逆境に陥っても自己を卑下せず幼いながら社会と対等に対峙していこうという姉のバイタリズムに希望の灯を見出したいのだが、一方で姉妹愛とでも言うべき閉じた世界へ内向していく。そのへん何を描きたいのか困惑する…

チェンジリング

★★★★★ 2009年2月21日(土) 梅田ブルク7シアター7 実事件の再現物ジャンルの最高峰に屹立する厚み。衣装・美術・装置・メイク・CGの渾然一体となった達成度。その土壌の上で吠えまくるイーストウッドは愚直に全てを描ききろうとする。幸福な融合であろう…

チェイサー

★★★★ 2009年5月23日(土) 心斎橋シネマート2 イレギュラーな展開はグダグダだが苦にならない。ゴミでも頼らざるを得ない女と心根ではゴミではない男の距離感が絶妙だからだ。だから決定的に携帯留守録が心揺さぶる。『殺人の追憶』ほど深淵でもないが演出…