男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【はあ~はの】

花のお江戸の法界坊

★★ 1992年3月8日(日) 日劇シネマ にぎにぎしいまでのテンコ盛りではあるが、フランキー・伴淳・のり平たちが主要面子とくれば、どうしても本気汁も出ず、典型的プログラムピクチャーの典型的陥穽に落ちた出来となった。とりたててどう言うこともない水準的コ…

パッション

★★★★ 2002年12月25日(水) テアトル梅田2 80年代にしてもアナクロな階級闘争や言葉尻に終始する「光」等相変わらずの胡散臭さだが、ゴダール帰還に当時の欧州トップの2大女優をかませクタールと再結合適った本作はやはり感慨深い。端役に至るまでの「顔」…

ハイヒール

★★ 1993年6月9日(水) 京都朝日シネマ1 「母」或いは「母性」と言うものに対する思いのたけのベクトルが理屈では解かってもアルモドヴァル流に捏ねくり回されて提示されたとき、どうも俺にはピンと来ない。アブリル他出演者全て覇気無く燻っている印象。(cin…

果てなき船路

★★★ 2022年4月24日(日) プラネットプラスワン ジョン・フォードの作品だが、先般見た「逃亡者」でも感じた救われない閉塞感を本作でも感じた。てことは、こういう行き詰まりの救われなさに作家魂をフォーカスする志向はフォードの例外的な一面ではないんだ…

薄桜記

★★ 1993年6月20日(日) サンポードアップルシアター 正直、何がどうなろうとどうでもしろとしか思えない展開で一片の感情移入をも出来かねる。それが、リアリズムの対極としての様式美ではなく大量生産のルーティーン似非美学に乗せて呈示され堪らん。この白…

8人の女たち

★★★★★ 2003年5月8日(木) 梅田ブルク7シアター5 大輪ドヌーブを囲んで3人の隠花が撒き散らす毒気は反応し合い、やがて度し難い美へと昇華するだろう。ヌーベルバーグの遺産を血流に残す最後の世代を新世代のオゾンが統合し仏映画の伝統と展望を感じさせる…

初恋・地獄篇

★★ 1993年9月26日(日) 高槻松竹 四畳半的寺山の怨念がアナーキーに解放されずに日常に埋没し糞詰まりのようで、更に羽仁の演出がゴダールの洗礼を受けた60年代シネアストの悪しき典型とでもいう舌足らずさで追い打ちをかける。(cinemascape) kenironkun.ha…

バトル・ロワイアルⅡ 鎮魂歌

★★ 2003年7月5日(土) ホクテンザ1 家畜小屋の革命思想の浅薄さが薄ら寒い。中途半端な反米論はファションなのか?某映画を真似した弾着を用いぬCG処理の軽さや自己模倣を繰り返すたけしをまんまトレースした力には脱力。とっとと親爺の名をクレジットから…

バッドボーイズ

★★ 2003年7月11日(金)~12日(土) トビタシネマ 実際に刑事もののバディムービーが今までどれくらい作られたのか知らないが、何故に今更こういう何の変哲もないものを作ったのか意味不明。中でも夫婦交換のシチュエーションギャグは緩さの極みだし、黒人同士…

花のあすか組!

★ 1993年10月30日(土) 第七藝術劇場 少女ががなり立てて様になるのは難しい。声質も表情も挙動も何かを捨てて境界を越えないと様にはなれないから。そして、当然ここには越えた者など居ない。見ている間人事ながら恥ずかしくて仕方なかった。学芸会以下のク…

パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち

★★★ 2003年9月26日(金) 梅田ピカデリー4 冒頭の前日譚のムード醸成の巧みさに、さすが密かに目を付けた男バービンスキーだと唸ったが、あとはダラな展開が続くだけだった。ラリ演技のデップが小男すぎて物語まで縮こまる。海賊ものは矢張りマッチョな筋肉の…

ハートブルー

★★★ 1992年2月9日(日) 新世界国際劇場 潜入捜査をしてみりゃあ結構良い連中じゃんってのはありそな話だが、その連中がアウトドア派の健全享楽に明け暮れるというのが変で面白いと言えば面白い。ビグローの専らの関心もサーフィンやスカイダイブらしいのが正…

背徳の仮面

★★★ 1992年2月2日(日) 新世界国際劇場 こんなんあり得んと思いつつ「いや、もしかして」と思わせられるところが気が重く低予算故の裏寂しさがその思いを倍化させる。どうせサイコ展開になるんだろと思ってたら、ならないのも好感を持った。サスペンスとして…

バートン・フィンク

★★★★★ 1992年3月26日(木) テアトル梅田1 陰鬱な東部での健全と陽光のカリフォルニアでの退廃。更にその陽光の裏でミニマムに濃縮された安ホテルでの時間は永遠にたゆたう無限地獄への誘いか。2重3重の逆説の螺旋構造の果てに到達した楽園は幻影に過ぎない…

花と蛇

★★★ 2004年3月20日(土) ホクテンザ1 密室相対型のSMをオープンな円形劇場に開放してしまったことで本来の隠微さからは遠ざかり替わりに導入されたのが恒例のバイオレンスと純愛。役名「名美」でも違和感ない強引な石井世界への引き寄せは好悪半ばか…。ピ…

ハウス・オブ・グッチ

★★★ 2022年1月19日(水) 梅田ブルク7シアター2 とりあえずガガ無双と言っておきます。 親がシチリア島からの移民だそうで、序盤のイタリアシークェンスでの画面への馴染み込みはそういうことかと納得。デ・シーカやジェルミの映画に出てきそうなザ・イタ…

パッション

★★★★ 2004年8月7日(土) ホクテンザ2 虐げられた民衆のイエスへの狂熱が描かれないので教会側が単なるサディストに見えるが、にしても延々と続く一大拷問ショーと耐える姿がその信念と教義への興味を掻き立てるのは事実。単調な作劇に帝政ローマ覇権の末端ピ…

バイオハザードⅡ アポカリプス

★★★ 2004年9月22日(水) 梅田ピカデリー1 脈絡もなく登場したジルという新キャラに続篇の定型をブチ壊す歪なる展開を期待したが、アリスのベタ過ぎな登場以降ヘタレとも言うべき定型バージョンに終始。それでもええけど、ミラは格好つけ過ぎの割にはドタ走り…

爆裂都市

★★★ 2005年1月8日(土) 天六ユウラク座 空港や高速道路といった舞台を縦横に駆使し主要3者の主客が入れ替わりに展開する前半は傑作なのだが、第4の男千葉登場で物語は停滞し始める。悦に入り演じてるがその思いが物語を拡散させ肝心の復讐のベクトルが消失…

パッチギ!

★★★★ 2005年2月3日(木) 梅田ブルク7シアター4 『ガキ帝国』『岸和田』の男子祭り系譜と『のど自慢』『ゲロッパ!』の歌謡映画系譜を巧みにミックスさせた集大成と言えばそうだが加減が程良すぎる一方なおざりな感じもした。「朝鮮人になれる?」の真摯な問…

バウンディン

★★★ 2005年1月15日(土) 梅田ブルク7シアター4 苦境に陥っても実はそれは全然苦境なんかではなく、気の持ちよう次第で幾らでもクリアしていける…しかし、それに気付くのが至難なのだ。人生に於いては多くの先輩や友人がアドバイスしてくれるだろう。耳を傾…

裸のランチ

★★ 1992年7月12日(日) 道頓堀浪花座2 俺のような凡人にとっては境界を越える瞬間こそが興味を持ち得るのであって、最初から最後まで徹頭徹尾逝ってしまったジャンキーの白昼夢に興味は持てない。しかも、メタルと粘液の融合イメージが余りにクローネンバー…

裸足の伯爵夫人

★★★★ 1992年7月22日(水) 梅田コマシルバー 成り上がって行くガードナーを常に醒めた視線で眺めるボギーがプロらしい冷徹さを演じて正にタイプキャストだが、つるむオブライエンともども根底には慈愛がある。救いがない顛末を語るに絶妙な距離と語り口。『イ…

ハウルの動く城

★★★★ 2005年3月21日(月) 伊丹TOHOプレックス7 ハウルが何故に孤軍奮闘我が身を賭して闘うのか解らないのに出自等はけっこう描かれ、その辺が論理的世界観の構築から逃げムーディに媚びてるようにも感じたが、細密画の如き「動く城」が動く様には矢張り…

馬鹿まるだし

★★★★ 1992年9月5日(土) サンポードアップルシアター 後年の「寅さん」のように作者の思惑を超えた破壊力は無く余りに完全無欠にまとまりすぎたキャラだが、それを慈しむが如く大事に丁寧に磨き上げてて微塵の破綻も無いのが恐れ入る。特に好きとも言えないが…

ハサミ男

★★★★ 2005年6月15日(水) 動物園前シネフェスタ4 米2大サイコホラーをミックスしたかの如きオリジナリティの欠如に加え豊川&麻生コンビにも最早新味の欠片も無い。ただ池田の演出が正面から衒いなく収斂しゆく「愛」と「再生」の物語に向き合うので魅せら…

馬鹿が戦車でやって来る

★★★ 1992年8月29日(土) サンポードアップルシアター 小さな悪意の総和が加虐のマスエネルギーへと変質する閉鎖集団の暴走を描いているのだが『ドッグヴィル』な不可逆的帰結ではなく安寧な寓話世界へ閉じ込めようとする。戦車というアイコンの衝撃性が殻を打…

ハウス・オブ・ザ・デッド

★★ 2005年6月15日(水) 新世界国際劇場 ゴダールが既成の映画文法を破壊しして半世紀。更なる解体を試みた男ウーヴェ・ボル…って嘘で単なる馬鹿なのだと思う。繋ぎを無視して御丁寧に主人公全員を『マトリックス』っちまう歌舞伎の大見得かと見紛う馬鹿馬鹿し…

バス停留所

★★★★ 1992年9月20日(日) シネマアルゴ梅田 アクターズスタジオを経たモンローの転換点。彼女の表情に窺える疲労感が狂騒的でステロタイプなハッピーエンドストーリーとミスマッチを起こし物語とは遊離した悲哀感を醸し出す。その瞬間が堪らなく愛おしい。(ci…

爆 BAKU!

★★★ 1992年12月12日(土) 天六ユウラク座 巻き込まれ型ヒロインを緩いタレントと思っていた西村知美が頑張って体当たりで演じているのに予断を覆される。一方で松尾にせよ片岡にせよ男側は背景設定が稚拙でリアリティを欠いてこっ恥ずかしい。演出は奇異さを…