男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【はあ~はの】

八十日間世界一周

★★ 1985年10月19日(土) 大阪松竹座 「大予算」の「オールスター」の「珍道中」として多くの亜流を産んだマスターピース。だが、このオリジナルには年月に耐えて残るものが無い。製作者の映画としてセルズニックやザナック等に比してマイケル・トッドの切る判…

BIRD★SHT バード・シット

★★★★★ 2010年9月11日(土) シネヌーヴォ 「鳥になって大空を飛びたい」などと言うメルヘンチック願望は、完膚なきまでに嘲笑され貶められ、糞まみれの毒で彩られる一大バーレスク。しかし、出演者が皆アルトマンに心から愛されているらしい羨望の楽園の現出…

81/2

★★★★ 1984年1月27日(金) 三番街シネマ3 悩める自己顕示慾のマスターベーションが延々と垂れ流され続け挙げ句勝手に自己解消。煎じ詰めれば結局多くの女達と少年時代のトラウマに帰結する。ハイキーなヴェナンツォのカメラは胡散臭い。ただ、奔流の如きイメ…

蜜月

★★★ 1984年1月13日(金) 高島屋ホール 極私的な同時代性を共有できる観客は限られているであろうに、デートを重ねる2人が通る町並みのセレクションへの偏向的な執着。劇的なドラマのない私小説世界を丁寧に映画化しただけのもので想いは観客の上を空虚に通り…

ばかもの

★★★ 2010年12月25日(土) シネリーブル梅田2 SEXやアルコールや宗教などへの多くの依存に言及されるが、それは物語の骨子として捉えられず編年体の再生説話の背景でしかない。そこが物足りぬし散漫でもある。とは言えラストは泣かされた。内田は力演だ…

バクラウ 地図から消された村

★★★★ 2020年12月20日(日) 梅田ブルク7シアター4 今年公開された2つの映画を容易に連想させる。 「ミッドサマー」と「ザ・ハント」で、どっちが先なのか知らんけど不運やなあと思う。 またかいなと思って0.5ポイントくらい値びいてしまうから。 【以下…

白昼の決闘

★★★★ 2020年11月1日(日) プラネットスタジオプラス1 これは、ある意味おったまげたと言っていいだろう。 デヴィッド・O・セルズニック、「風と共に去りぬ」「レベッカ」「第三の男」「終着駅」を手掛けた文字通りの不朽不滅の大プロデューサーであるが、…

バトルシップ

★★★ 2012年4月15日(日) MOVIXあまがさき5 序盤で「絶対に勝てるわけないやん」的圧倒的力量差を提示してるのに、結局はガッツと友情で何とかなっちまう相変わらずの竜頭蛇尾。が、今回はアホ映画であることを最初から結構曝け出してるので許せる気が…

果てなき路

★★★ 2012年4月7日(土) 第七藝術劇場 ノワールだと言うならフィルムの醸す鈍色のハッタリやケレンが全然足りず、撮影裏話と言うならトリュフォーやゴダールほどの確信的自己陶酔が不足。実俳優への言及や過去名画のインサートも閉じた世界を露呈させる。構…

爆烈都市 Burst City

★★★ 1982年4月7日(水) 梅田東映ホール 人様に見せるという事を忘れ、ひたすら自分たちが、どれだけしんどい思いをしたかで自己充足する若気の至りとも言うべき薄さがある…なんちゃって当時は熱い思いで見入ってました。しかし、一本調子で途中で飽きがくるの…

灰とダイヤモンド

★★★★ 1982年8月14日(土) SABホール ネオリアリズモな乾いた即物感と詩的なケレンが混在して統制されている。戦車と民衆の混乱のリアルな市街から隔絶されたホテルのバーの文学的静謐。その構成の妙。挫折感の表現も充分恒久耐性を持つが、それでもチブル…

バイオハザードⅣ アフターライフ

★★★ 2012年7月28日(土) トビタシネマ 冒頭、渋谷のザック・スナイダー的ケレンに期待値は上昇したが、ダークスーツ黒眼鏡野郎と分身の術で一気に氷点下に下落。あとはマジ凡庸な出来。多くのアンデッド化した魂は無視され高位の抗組織戦に収斂するなら急転…

花のれん

★★★ 1982年7月8日(木) 新世界東宝敷島 ストーリーテラーとしての山崎豊子は文句付けよう無いのだから黄金期の手慣れたスタッフとキャストが撮ればこの程度には面白くなろう。が、豊田は山本や市川みたくピンポイントでエッセンスを抽出しようとしないので漫…

ハイティーン・ブギ

★★★★ 1982年9月10日(金) 伊丹ローズ劇場 シリーズ最高作。4作目ともなれば皆堂に入って来たところに日活職人舛田利雄を持ってきた英断。東宝子飼の温い河崎義祐との格の違い。一瞬たりとも緩まない。脳天気馬鹿マッチも良いが俊ちゃんの翳りをフィーチャア…

莫逆家族 バクギャクファミーリア

★★★ 2012年9月15日(土) 大阪ステーションシティシネマ5 宴の後を描いたものだとしても、敵も味方も明確な境界を失くし、諦念として閉じることもなく再起への希望も見出せない曖昧な混沌。家族或いは家族的なるコミューンに関し随所で言及するが正直形骸的…

八月の濡れた砂

★★ 1982年8月20日(金) 毎日ホール 若者の倦怠や反抗心は何も「太陽族」や「ヌーベルバーグ」の専売特許ではなく普遍の題材なのだとは思うが、海やギラつく太陽や車や金持ちのお嬢さんや鼻持ちならない大人等の最早陳腐化した記号で彩っても何の感興も涌かな…

ハスラー

★★★★ 2012年10月21日(日) TOHOシネマズ梅田10 仰角を多用するロッセンの冷めた視線は買うが、成り上がり野郎のアップダウンストーリーは今一論理的拠り所を欠く。年月を経て再浮上するのはパイパー・ローリーの造形。この地獄に生き尚涙を見せない女…

パサジェルカ

★★★ 1982年8月13日(金) SABホール 後年に幾度となく扇情的に再生産されたナチス収容所もの真摯な原型。わかっていても主人公の反抗の姿勢は緩くカタルシスは封印される。無言のプロテストに精神世界で追いつめられるまでの高踏的描写には至らない。未完で…

バチェロレッテ あの子が結婚するなんて!

★★★ 2013年2月23日(土) TOHOシネマズ梅田6 売れ残ることのヒガミや焦りがクローズアップされることもなければ、ドレスをめぐるスッタモンダの女版バチェラーパーティーが弾ける術もない。表層で漂う女子たちに未来はあるか?徒労感だけが残る映画だが…

初恋

★★★★ 2020年2月29日(土) 梅田ブルク7シアター7 低迷とまでは言わないが、もう新たな抽斗は枯渇した感のあった三池であるが、この映画もやっぱ従来の手の内の範囲でやってる感じはする。 のだが、まあ、それでも終盤に折れてしまうようなダメさは回避して…

ハッシュパピー バスタブ島の少女

★★★★★ 2013年5月13日(日) シネリーブル梅田2 水没の町や破壊獣に又も宮崎世界のエッセンスを嗅ぐのであるが、一方で少女が垣間見る大人世界の生臭さ。境界上で危うげに戸惑いつつアッケラカンと世界を制する少女に『ザジ』の転生身を重ねる。あざとさとの…

箱入り息子の恋

★★★★ 2013年6月26日(日) MOVIXあまがさき3 手を握ったときの嬉しそうな仕草ひとつで男は変われるし何でもできる。閉塞状況を打破したい願望が渦巻く今このシンプルな提言を噛み締めたい。市井演出は時間軸の把握に余りに無頓着な一方、アングル使い…

バトルクリーク・ブロー

★★ 1981年4月29日(水) 伊丹ローズ劇場 毒にも薬にもならない優等生チャイニーズとしてお膳立てされた設定に収まりきって歯痒いことこの上ない。加えて同じ道の達人が闘うのならまだしも異種格闘技がショーとして成立しないことは証明されてしまっている。…

パシフィック・リム

★★★ 2013年8月11日(日) MOVIXあまがさき3 ヘリで吊り下げ移送する絵やギッコンバッタン足踏み操縦の真剣さに局所では愛を感じるのだが、ジャンルへの横断的なリスペクトを謳いつつも所詮は『エヴァ』1本かぶりの底浅を露呈するにつれ俺の期待は急速…

バタフライはフリー

★★★ 1981年5月23日(土) 毎日文化ホール ヒッピー娘っ子に良識派旧世代はギャフンという良くも悪くもフラワームーヴメントな背景抜きには語れない題材。しかし、終盤の展開に、そういった世代間の相克が直結していかないのでカタルシスがない。ゴールディの…

バイオハザードⅤ リトリビューション

★★ 2013年7月27日(土) トビタシネマ 脳内で構築された世界に屋上屋を重ね、もはや余人の与り知らぬ妄想世界に突入。それが、斬新ならともかく、過去作のキャラ総動員的なアイデア枯渇展開とあった日にゃあ目も当てられない。大体ミラ始めド素人連中が決め…

パッション

★★★★ 2013年10月11日(金) TOHOシネマズ梅田10 嫉妬と懐疑の錯綜するタペストリーを心ゆくまでねっとり巧緻に織り成したいというデ・パルマイズム純粋系譜上の佳作。ただ、技巧的には随分淡白になった。来たーっと思ったら、あっさり切ってしまう長回…

配達されない三通の手紙

★★★★ 1981年10月3日(土) 伊丹ローズ劇場 パーティだワインだと翻案物特有のバタ臭い気恥ずかしさは否めないが、それにしても新藤の巧い脚色もあって滅法面白い。もちろん原作の力もあるのだろうが。出演者の中では松坂慶子が正に油が乗ってる感じ。彼女のシ…

初恋 お父さん、チビがいなくなりました

★★★ 2019年5月18日(土) 梅田ブルク7シアター2 10年前だったら見ないタイプの映画なのだが、歳も歳だし。 ってことなんでしょう。 予告篇で老夫婦が歩いていく後姿の侘び寂びが、おのれの先行きにダブってしまう。 冒頭からの幾つかのエピソードで夫の…

ハイ・ライフ

★★ 2019年5月6日(月) シネリーブル梅田3 別に厳格なものを映画に希求するつもりはない。 それに抗じるものがあれば。 冒頭、宇宙船外で修理作業する男が手を滑らせ部品を落とす。 …落とすって無重力なのに落ちないやろ。 でも。それはどんどん落ちていく…