男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【かは~かん】

カンウォンドの恋

★★★★★ 2021年9月20日(月) シネヌーヴォ ✳︎今回の上映「作家主義ホン・サンス」では「カンウォンドのチカラ」のタイトルで上映されましたが、ここではオリジナルと思われるタイトルを採りました。 原題はチカラの方らしいので、なんやろパワースポット的な…

咬みつきたい

★★★ 1991年10月6日(日) ホクテンザ1 半チクな題材で、主役の3人にキレが無く、ホラーとしてもコメディとしても見所は無いが、家族を残して死んだ男の悲哀のようなものがそこはかとなく出ていて捨て難い。全ては『社葬』に続いて緒形と組んだ吉田日出子に負…

カンフー・マスター!

★★★★ 1991年10月19日(土) 毎日文化ホール 抑制の効いた逆ロリータであるにしても、一種清々しいまでの、このさばけ方は生半可ではない。それが、ヴァルダやバーキンの生き方をこそ投影している点で通常の物語より一段の高みに達している。身内総出演も、だか…

昭和残俠伝 唐獅子牡丹

★★★ 1990年4月15日(日) 日劇会館 冒頭の斬殺シーンが表象するように佐伯の描く侠道は殺伐としているしファナティック且つホモセクシュアルな臭いが多分にある。侠客の本質はこっちに近いのであろうが好みで言うと根明なマキノの方が安心。三田佳子の暗トーン…

カラヴァッジオ

★★ 1990年9月30日(日) 毎日文化ホール ジャーマンは商業主義的妥協の中の前衛を取り違えているか、ハッタリズムやケレンとは無縁のおぼっちゃまかだ。剣呑でいかがわしい空気は充満しているが、須く負に機能してしまう哀しさ。他を見てないので確信は持てな…

新・監禁逃亡

★★★ 2009年3月28日(土) トビタ東映 完全な2セットものの作劇に貧乏臭さと同時に郷愁にも似た感慨も覚えた。今更何かを問うわけでもない割り切りと、だが一応は物語を全うするという律儀ぶりが悪くない。ただ、2人の女優が可もなく不可もない案配ではある…

カムイ外伝

★★★★ 2009年9月22日(火) 梅田ブルク7シアター6 被虐者VS加虐者という構図ではなく同恨相食む無常に収斂させた白土イズムを押さえた脚本。殺陣も打撃と関節技を取り入れ納得性があり魅せられた。CGは『ワタリ』的原色配置は買うが「飛翔」の描写の細…

カントリー

★★★★ 1986年2月15日(土) 大毎地下劇場 労働を描き声高に抑圧に抗することを描くと左がかる。『怒りの葡萄』から『プレイス・イン・ザ・ハート』に至るまで巧みにそれを回避し得たのは抑制でありこの映画にもそれがある。ラングのピークを形成する作品であり…

カポネ大いに泣く

★★ 1985年2月16日(土) 観光会館地下劇場 オフビートな安っぽさを狙うには実は戦略的周到さが要件なのに露骨に安さが画面を牛耳ってしまった。監督がアホしても熟練のスタッフが支えた日活時代をまんまシステム崩壊後の80年代にリピートしようとしても通じ…

COME&GO カム・アンド・ゴー

★★★★ 2021年3月12日(金) シネリーブル梅田3 大阪キタを舞台に9ヶ国の人たちが織りなす群像劇ってことで、まあ、これはリム・カーワイにしか撮れない題材だよなと思う。 もしかしたら、日本人のクリエイターでも取材を重ねてこういう企画は立てられるのか…

ガンズ・アキンボ

★★★★ 2021年2月27日(土) TOHOシネマズ梅田8 自慢じゃないけど「ハリー・ポッター」を1本も見てない。シリーズ終焉後にダニエル・ラドクリフが己が生きる術をこういう方向に見出したことに特に感慨もないが、それでも嘗ては2の線でメガシリーズを牽…

川の底からこんにちは

★★★★ 2010年7月29日(木) 梅田ガーデンシネマ1 自虐的モラトリアム女が開き直って一念発起し自己再生するベタな規定路線上の物語は余り説得力もないのだが、日常的におっさんとオバハンがまぐわう土俗環境の今村が降臨したかの如き描写の魅力と徹底的なダ…

カンパニー・マン

★★ 2010年9月11日(土) トビタシネマ 冒頭から30分は幾何学的構図も決まり物語世界への期待も持続する。しかし、2転3転する展開に感じ始めた既視感は、やがてウンザリ感へと転ずる。カタルシスも悪寒も感じない終盤の帰結。気障な凡庸。(cinemascape)

ガープの世界

★★★★ 1984年12月9日(日) 大毎地下劇場 リブもジェンダーもロイ・ヒルにとっては関心事ではない。空に舞う無垢なる赤ちゃんの笑顔の如くに自然体で生きることは難しく偏向した思想はそういう個人の生き様を圧殺する。それを怒りや皮肉でなく優しさで被う視線…

伽倻子のために

★★★★ 1984年12月23日(日) 三越劇場 在日であることのアイデンティティは寧ろ物語の方便としてのみ機能してると見るべきで、特化して描かれるのは社会から孤絶した静謐な世界での恋人同士の時間の絶対的至福。北海道という地勢が生む清涼感と水道管検査人を始…

神々と男たち

★★★ 2011年4月9日(土) 梅田ガーデンシネマ2 「神々と」と言う割には高次な命題ではなく、曳かれ者の小唄的に矮小な世界観にしか立脚していない。それでも、「白鳥」の余りにと言うしかない自己陶酔なセンチメンタリズムの強引な押し付けには若干捻じ伏せ…

ガントレット

★★★ 1982年3月12日(金) シネマ温劇 撮ることへの意識過剰なき衒い無さは芸がないこと紙一重であり、数多あるB級アクションの領域に留まる。ファーストシーンのジャジーなムードが最高。前段と終盤に用意された弾幕過剰が作家性というより自棄のやん八的本能…

蒲田行進曲

★★★★★ 1982年10月10日(日) 伊丹ローズ劇場 被虐と嗜虐を往還する展開の不条理は一応「映画王国」の特異現象として言い訳されてるが、そこから純愛を抽出する作為は本来泥臭い。しかし幸か不幸か、そういうことに斟酌しない深作怒涛のハイテンションが胡散臭…

カリフォルニア・ドールス

★★★★★ 2013年2月11日(月) 第七藝術劇場 北米のド田舎をポンコツ車で流れ行く寂寥感が堪らない。凶暴と好色といかがわしい優しさを併せ持つフォークのキャラはニューシネマ経由の正統アメリカンガイの末裔。溜めた幾何かの屈託を吐き出すラストバトルは時間…

神々の深き欲望

★★ 1981年2月15日(日) SABホール 徹底した取材を通して叙情を浮かび上がらせることに長けた今村が壮大な叙事詩を紡ごうとして破綻した。そういう意味で『ええじゃないか』と双璧かも知れない。一種の日本人論なのだろうが主題もつまらないし、姫田無き…

カルメン故郷に歸る

★★ 1981年1月31日(土) SABホール 歴史に残ることが確定された日本初総天然色映画の祝祭的記念碑に敢えてストリッパーを主人公にしたことに偽善的な臭いを感じる。だから、彼女たちがバカ陽気にお人好しぶりを発揮すればするほど、あざとく思え嫌悪感が…

華麗なる相続人

★★ 1981年4月5日(日) ビック映劇 この何の芸当もないオードリーの復帰第2作を止める者は誰もいなかったのだろうか。薹が立った爺婆スタッフ・キャストに囲まれ安住するだけの彼女に年相応の枯淡も色香もない。無惨なだけで、つくづく『ロビンとマリアン』…

華麗なるギャッツビー

★★★★ 2013年6月29日(土) MOVIXあまがさき7 逐一絵面で説明したがるラーマンに語らずに語るの極意なぞ言っても無駄なのであって、原作文を得意げに画面に貼る恥知らずにはキッチュの本質をさえ窺わせる。ともかく画面を虚構で充実させる努力は大した…

乾いた湖

★★ 1981年6月19日(金) 今津文化 テロリストの誕生を語るのに社会的敗者を対比させるのが青臭い。しかも寺山はファッションとしてのテロルに憧れるだけで、それをヒトラー崇拝等の形骸でしか表現し得ない。そして否応なく彼の本質が敗者の側にあることを露…

寒椿

★★★★ 2013年11月16日(土) トビタ東映 大映の伝統を汲む美術の内藤昭が今回効いた。陽暉楼のセット美術など大したもので、愚直なだけの降旗と大味な体育会系木村ペアも気合乗りが覗える。南野の乳出しもコマーシャルな意味付けに留まらず流転の悲哀を演出す…

仮面 ペルソナ

★★★★★ 1980年3月5日(水) 毎日文化ホール 神の不在という命題から解き放たれベルイマンは「女」を描くことに、のたうつ様な快楽で臨んでいる。アンデルセンからウルマンへ過渡する冷徹がニクヴィストのトリッキーでシャープなアイデアで最尖鋭化する。『沈黙…

華麗なる賭け

★★ 2014年7月14日(月) トビタシネマ 柄じゃないの一言で済ませたいが、加えて過剰なナル汁に咽せ返りそうだ。犯罪ゲームを巡る暴き合いや騙し合いはロクにないくせにしたり顔のラストは最早どうにでもしてくれ状態。唯一チェスシーンのダナウェイの指使い…

渇き。

★★★★ 2014年7月14日(月) 大阪ステーションシティシネマ10 善悪・正邪はともかくとして登場人物皆ロジックが一貫してるのだが、一貫しすぎて物語が単線的にしか転がらないのがつまらなく、ましてやあの帰結はないやろ思うのだが、そこを補うべく投入され…

彼が愛したケーキ職人

★★★★★ 2018年12月16日(日) テアトル梅田2 これは、cinemascape のある方の評点をみて見に行ったが、本当に傑作であった。 今でも、俺の脳裏に異郷のアパートの部屋で孤独に打ち震える、がたいのデカい男の姿がよみがえるのだ。 【以下ネタバレです】 この…

監視者たち

★★★ 2014年9月6日(土) シネマート心斎橋2 オリジナルより犯行グループの描写が熾烈になり温さは解消されたのだが、それでも所詮は手出し御法度の監視専門班というダイナミズムを封殺された設定が枷と感じられる。上司(ギョング)・部下(ヒョジュ)コン…