男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【かは~かん】

カリスマ

★★★★ 2001年11月15日(木) トビタ東映 「法則の回復」だの「対立軸の共生」だのと前半は青臭く生硬な台詞も相まり木を巡る争奪は意味や先行きの見えぬ隘路を彷徨うが、後半「なるがまま」と開き直り黒沢お得意の終末観が展開され出すと見違えるように締まった…

髪結いの亭主

★★★★ 1992年10月4日(日) 大毎地下劇場 時間的な頃合いといい出来良い短篇小説の趣があり映画としてのバランスはパーフェクトなものだが、完璧すぎてあまりに夾雑物がなくこれでええのかと戸惑う。幾つもの謎は放置されたまま踊るしかないのかと煙に巻かれる…

カビリアの夜

★★★★★ 1994年7月16日(土) ACTシネマテーク ジェルソミーナの延長にあるカビリアだが描く視点はより冷徹でてらいがない為、かえってストレートに感銘を呼ぶ。聖母寺院の参拝シーンのいかにもなバロックテイストに『甘い生活』への片鱗がが垣間見える。その…

から騒ぎ

★★★★ 1994年6月26日(日) パルシネマしんこうえん ブラナーとトンプソンのいちゃいちゃもワシントンとキアヌが兄弟という適当さも、馬鹿騒ぎなハイテンションで突っ走る展開の中で、どうでも良くなっていく快感。下手な現代的再解釈ものより本質をわきまえて…

フェリーニ 監督ノート

★★★ 1994年7月16日(土) ACTシネマテーク 撮られることのなかったチェロ奏者の話の大オープンセットが本当に勿体無く惜しいと思う。後の『道化師』・『ローマ』・『インテルビスタ』などに継承されるフェリーニ得意の似非ドキュメンタリー初作であり『サテ…

ガンシャイ

★★★★ 2002年3月24日(日)~25日(月) 天六ユウラク座 正直余り巧い演出とは思わなかったが変な映画であることは確か。大体、おならとか腹下しとか幼児的な下ネタにこれほど拘るハリウッド映画って見たことないよ。伏線の無い強引なラストにも何故か腹が立たな…

カリガリ博士

★★★ 1994年7月31日(日) ACTシネマテーク セット美術の前衛な奇形には最早何の感慨も抱かぬにしてもニューロティックの原型としての価値は認める。4分の3世紀を経ても俺達が見せられ続けてるものは、この映画の変奏曲に過ぎないと思わせられるからだ。圧…

カリートの道

★★★ 1994年7月24日(日) 新劇会館 しがらみに絡め取られて暗黒道に舞い戻らざるを得ない顛末が在り来たりで、大体パラダイス志向のヤクザってのが、どうにもショボくて物語が一向に弾けない。ラストはやはり魅せられたが、あとはショーン・ペンのチリチリ頭く…

神は見返りを求める

★★★★ 2022年6月27日(月) TOHOシネマズ梅田10 数年前、俺が間もなく定年になり仕事もどうなるかわからんって話を家ですると 「じゃあ新しい仕事今からでも探さなあかんやん」 「ふっふっふっ考えとるがな」 「何かあるん」 「YouTuberやがな、親父の…

カラー・オブ・ライフ

★★★ 2001年5月22日(水) テアトル梅田2 クドいまでに繰り返されるギャグ(特にゾンビファミリー)や役者が台本を凌駕してる(特にミッドナイトクッキング)点に於いて「吉本新喜劇」的な逸脱の魂を感じた。完璧に趣味だと言っていいのだが、であればこそ映画…

雁の寺

★★★★ 1993年4月20日(火) サンポードアップルシアター 若尾と佐久間が2分した水上文学の初期映画化作中、楷書体の構築で吉村に強力な推進力で今井に分が悪い川島だが、暗澹たるルサンチマンが全開し村井のエッジの効いた撮影が補完する。その緊張感の持続と…

★★★★ 2002年10月19日(土) 扇町ミュージアムスクエア 夢も希望も無くても人は喰い寝て排尿し性交する、その様が哀しく侘びしい。相変わらずの閉塞感と孤独感の世界だが序盤の展開はフェリーニやアントニオーニを彷彿とさせる虚無感満載。それだけにギリシャ悲…

ガンパウダー・ミルクシェイク

★★★ 2022年4月11日(月) TOHOシネマズ梅田5 撮影のマイケル・セレシンや美術のデヴィッド・ショイネマンが名だたる作品を手がけているベテランであるから、映画のフレームワークは堅牢だと思います。ただ、そこで描かれたもんが新しいかと言えば疑問。…

純子引退記念映画 関東緋桜一家

★★★ 2003年8月21日(木) トビタ東映 「引退記念映画」と銘打つからには頭からケツまで純子べったりであるべきなのに、いつしか比重は健さんと鶴田の毎度の渡世の義理の世界へ。恩人マキノを立てた為『緋牡丹博徒』で花道を飾れなかったのが気の毒だが復帰した…

プラスティック・ナイトメア 仮面の情事

★★★ 1992年2月11日(火) パルシネマしんこうえん 題材からすればジョン・ヒューストンのような乾きが欲しいところなのに、大仰なヒッチコックもどきで迫ってしまったのが違うと思う。グレタ・スカッキも美人だがオーラがあるとは言えず屋台骨を支え切れていな…

カンフーハッスル

★★★★ 2005年4月13日(水) CINEMAしんげき1 目を惹かれたのは縦横に移動する長回し内での過剰なまでの天こ盛りの創意。真にリスペクトするものには誤魔化しは無礼と言わんばかりのシンチーの引きのスタンスが図らずも親爺リスペクトに連鎖した。とは言…

株式会社 ザ・カンパニー

★★★★ 1992年11月14日(土) キリンプラザ大阪 モノクロームの折り目正しい画面から昭和30年代の日本映画にあったようなモラリズムが感じ取れる。得るものがあれば失われるものもあるというメッセージは真っ当すぎるにしても、突き放すがごときラストの余韻が…

カポーティ

★★★★ 2007年1月20日(土) 新世界国際劇場 主人公が取材を通して犯人と同期していく様は、台詞で語られているほどには掘り下げられているとも見えないのだが、カンザスの片田舎の時代の空気を表出したカメラと緻密な演出、そしてホフマンの計算され尽くした…

頑張れ!グムスン

★★★ 2007年4月12日(土) 新世界国際劇場 1晩中、赤ん坊をおぶって走らされ続けるペ・ドゥナにかなり感動した。コンセプトは明快で肉付け次第では傑作に成り得ただろう。コメディリリーフはドゥナ1人に負わせて他は極マジで行ってくれりゃ良かったのに。そ…

カンウォンドの恋

★★★★★ 2021年9月20日(月) シネヌーヴォ ✳︎今回の上映「作家主義ホン・サンス」では「カンウォンドのチカラ」のタイトルで上映されましたが、ここではオリジナルと思われるタイトルを採りました。 原題はチカラの方らしいので、なんやろパワースポット的な…

咬みつきたい

★★★ 1991年10月6日(日) ホクテンザ1 半チクな題材で、主役の3人にキレが無く、ホラーとしてもコメディとしても見所は無いが、家族を残して死んだ男の悲哀のようなものがそこはかとなく出ていて捨て難い。全ては『社葬』に続いて緒形と組んだ吉田日出子に負…

カンフー・マスター!

★★★★ 1991年10月19日(土) 毎日文化ホール 抑制の効いた逆ロリータであるにしても、一種清々しいまでの、このさばけ方は生半可ではない。それが、ヴァルダやバーキンの生き方をこそ投影している点で通常の物語より一段の高みに達している。身内総出演も、だか…

昭和残俠伝 唐獅子牡丹

★★★ 1990年4月15日(日) 日劇会館 冒頭の斬殺シーンが表象するように佐伯の描く侠道は殺伐としているしファナティック且つホモセクシュアルな臭いが多分にある。侠客の本質はこっちに近いのであろうが好みで言うと根明なマキノの方が安心。三田佳子の暗トーン…

カラヴァッジオ

★★ 1990年9月30日(日) 毎日文化ホール ジャーマンは商業主義的妥協の中の前衛を取り違えているか、ハッタリズムやケレンとは無縁のおぼっちゃまかだ。剣呑でいかがわしい空気は充満しているが、須く負に機能してしまう哀しさ。他を見てないので確信は持てな…

新・監禁逃亡

★★★ 2009年3月28日(土) トビタ東映 完全な2セットものの作劇に貧乏臭さと同時に郷愁にも似た感慨も覚えた。今更何かを問うわけでもない割り切りと、だが一応は物語を全うするという律儀ぶりが悪くない。ただ、2人の女優が可もなく不可もない案配ではある…

カムイ外伝

★★★★ 2009年9月22日(火) 梅田ブルク7シアター6 被虐者VS加虐者という構図ではなく同恨相食む無常に収斂させた白土イズムを押さえた脚本。殺陣も打撃と関節技を取り入れ納得性があり魅せられた。CGは『ワタリ』的原色配置は買うが「飛翔」の描写の細…

カントリー

★★★★ 1986年2月15日(土) 大毎地下劇場 労働を描き声高に抑圧に抗することを描くと左がかる。『怒りの葡萄』から『プレイス・イン・ザ・ハート』に至るまで巧みにそれを回避し得たのは抑制でありこの映画にもそれがある。ラングのピークを形成する作品であり…

カポネ大いに泣く

★★ 1985年2月16日(土) 観光会館地下劇場 オフビートな安っぽさを狙うには実は戦略的周到さが要件なのに露骨に安さが画面を牛耳ってしまった。監督がアホしても熟練のスタッフが支えた日活時代をまんまシステム崩壊後の80年代にリピートしようとしても通じ…

COME&GO カム・アンド・ゴー

★★★★ 2021年3月12日(金) シネリーブル梅田3 大阪キタを舞台に9ヶ国の人たちが織りなす群像劇ってことで、まあ、これはリム・カーワイにしか撮れない題材だよなと思う。 もしかしたら、日本人のクリエイターでも取材を重ねてこういう企画は立てられるのか…

ガンズ・アキンボ

★★★★ 2021年2月27日(土) TOHOシネマズ梅田8 自慢じゃないけど「ハリー・ポッター」を1本も見てない。シリーズ終焉後にダニエル・ラドクリフが己が生きる術をこういう方向に見出したことに特に感慨もないが、それでも嘗ては2の線でメガシリーズを牽…