男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【かは~かん】

神の道化師、フランチェスコ

★★★★ 2024年2月4日(日) シネリーブル梅田4 キリスト教への懐疑や絶望を映画は往々にして取り上げるし、「道化師」という邦題から皮肉めいたものを予想していたのだが、教義に対して一片の迷いもない肯定的なものだった。そういう映画だと判るのに見終える…

カラオケ行こ!

★★★★ 2024年1月28日(日) MOVIXあまがさき5 牽強付会もええとこの初期設定であり、そこをどう乗り越えるんやと思っていたが、最初のカラオケルームでのボケツッコミが恐ろしくローキーに弾けない様を見て、関東人の綾野と齋藤潤くんのペアへの懸念が…

枯れ葉

★★★★ 2024年1月16日(火) シネリーブル梅田4 カウリスマキの映画を「浮き雲」以降見てませんでした。同なじことやり続けることはいいんですが、なんか不要な夾雑物が紛れ込んできてる気がしたもんですから。 今回、引退宣言を撤回してまで撮ったのは、ロシ…

カンダハル 突破せよ

★★★★ 2023年10月21日(土) Tジョイ梅田5 ジェラルド・バトラーのアクション映画と高を括って見たのだが、中東の混沌を背景にしたことで、ハマスによるイスラエル攻撃に端を発した紛争が混迷の様相を呈する今、期せずしてナウな時事性を表出している。 バ…

シン・仮面ライダー

★★★ 2023年3月26日(日) MOVIXあまがさき2 「仮面ライダー」の最初の放映は俺が小学生のときだったが、子供心にも、なんだかな〜と思ったのを覚えている。俺より1歳上の庵野も多分そうやったに違いないと思うんです。なんでキックされただけの怪人が…

河内のオッサンの唄 よう来たのワレ

★★★ 2023年3月15日(水) 新世界東映 大阪南部は西の泉州と東の河内に色分けされるけど、堺からズドンと国道26号様が和歌山に縦断する泉州に比べ河内は他の人が滅多に足を踏み入れることのないディープ大阪だとハイブローな北摂人の私は思っておりまして、…

がんばっていきまっしょい

★★★★ 1999年3月22日(月) テアトル梅田1 竹中直人不在が象徴する周防的ギミック偏重の邦画潮流からの決別と、芸が無いとも言える典型スポ根にも拘わらず全くベタじゃないという奇跡の混在。その奇跡の結露としての澄み渡ったような透明感が良い。調和的なノ…

ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒

★★★ 1999年3月13日(土) OSシネフェニックス1 怪獣が当たり前のように日常に介在するパラレルな世界観が序盤の渋谷壊滅には文句無くあり意表を突く。しかし、恨みとか復讐とかの、どうしようもなく日本的な情緒が物語に投入されてくるにつれ失望感に覆われ…

カンゾー先生

★★★ 1998年11月14日(土) ホクテンザ2 先生の執念はパラノイア一歩手前であるように見え、にしてはブラックな諧謔が決定的に不足してる。いずれにせよ今村の演出がこうも淡泊になっちまっては皆為す術もない感じで柄本は神妙なだけで麻生もエロスに実が無い…

かぼちゃ大王

★★★ 1996年6月15日(土) 山口県教育会館ホール 患者の少女だけではなく治療する医師のトラウマをも描いた点がミソだが、2人の孤独が共振し、故に医師が特定患者に片寄せするその部分を映画は踏み込んでは描かない。淡々とし作為的ドラマトゥルギー皆無だが、…

ガメラ2 レギオン襲来

★★★ 1996年8月17日(土) テアトル徳山Ⅲ 細部で伊藤の政治性・樋口の画心・金子のミニスカ趣味がせめぎ合い予断を許さないし、毎度臨死まで痛めつけられるガメラの超M本質は外してないが、レギオンが凡庸。そのバトルは何故か「ドラゴンボール」めいて元気玉…

仮面学園

★★ 2000年8月11日(金) ユナイテッドシネマ岸和田9 思い切った設定だし画的にも色々やれる題材と思う。仮面というモチーフを使うことで現代社会の病根やアイデンティティの喪失など踏み込む領域は幾らでもあったろう。しかし、物語はお決まりのクソつまらな…

ガルシアの首

★★★ 1995年4月2日(日) 第七藝術劇場 どん底の状況から抜け出そうともがき倒す男の意地も、どん底で寄り添う男と女の腐れ縁的な愛も乾いているから沁みてこない。しかも、何故だか土壇場の叛逆にもカタルシスがない。2人組の殺し屋の部分が突出して冴えまく…

ガメラ 大怪獣空中決戦

★★★ 1995年3月25日(土) 三番街シネマ2 プロレスが八百長でスポーツでないから認めないという昔は主流を占めた価値観が今では野暮とされる時代としても日本製怪獣映画が閉じたジャンル史観でのみ相対比較され圧倒的な評価が成されるのは不健全。(cinemascape)…

カルネ

★★★★ 1995年6月24日(土) みなみ会館 ブローアップされたざらつき感と赤の色調。少女の初潮と近親愛。屠殺と殺人。描かれるものは禍々しさを志向し続けているのに奇妙に爽やかなのは作り手の根底にあるモラリズムが透けて見えるからだろう。ショットのパワー…

花様年華

★★★★★ 2001年4月23日(月) テアトル梅田1 空調の無い時代の湿度と空気の濃度。その中で視線で囁き合うかのような感情交錯が醸し出す刹那。それでもチャンの素肌は涼やかだしレオンはあくまで端正だ。技巧の極致をいく長焦点レンズ使いが2人の関係を世界から…

カリスマ

★★★★ 2001年11月15日(木) トビタ東映 「法則の回復」だの「対立軸の共生」だのと前半は青臭く生硬な台詞も相まり木を巡る争奪は意味や先行きの見えぬ隘路を彷徨うが、後半「なるがまま」と開き直り黒沢お得意の終末観が展開され出すと見違えるように締まった…

髪結いの亭主

★★★★ 1992年10月4日(日) 大毎地下劇場 時間的な頃合いといい出来良い短篇小説の趣があり映画としてのバランスはパーフェクトなものだが、完璧すぎてあまりに夾雑物がなくこれでええのかと戸惑う。幾つもの謎は放置されたまま踊るしかないのかと煙に巻かれる…

カビリアの夜

★★★★★ 1994年7月16日(土) ACTシネマテーク ジェルソミーナの延長にあるカビリアだが描く視点はより冷徹でてらいがない為、かえってストレートに感銘を呼び起こす。聖母寺院の参拝シーンのいかにもなバロックテイストに『甘い生活』へと向かう巨視感の片鱗…

から騒ぎ

★★★★ 1994年6月26日(日) パルシネマしんこうえん ブラナーとトンプソンのいちゃいちゃもワシントンとキアヌが兄弟という適当さも、馬鹿騒ぎなハイテンションで突っ走る展開の中で、どうでも良くなっていく快感。下手な現代的再解釈ものより本質をわきまえて…

フェリーニ 監督ノート

★★★ 1994年7月16日(土) ACTシネマテーク 撮られることのなかったチェロ奏者の話の大オープンセットが本当に勿体無く惜しいと思う。後の『道化師』・『ローマ』・『インテルビスタ』などに継承されるフェリーニ得意の似非ドキュメンタリー初作であり『サテ…

ガンシャイ

★★★★ 2002年3月24日(日)~25日(月) 天六ユウラク座 正直余り巧い演出とは思わないが変な映画であることは確か。大体おならとか腹下しとか幼児的な下ネタにこれほど拘るハリウッド映画って見たことないよ。伏線の無い強引なラストにも何故か腹立たない。人生…

カリガリ博士

★★★ 1994年7月31日(日) ACTシネマテーク セット美術の前衛な奇形には最早何の感慨も抱かぬにしてもニューロティックの原型としての価値は認める。4分の3世紀を経ても俺達が見せられ続けてるものは、この映画の変奏曲に過ぎないと思わせられるからだ。圧…

カリートの道

★★★ 1994年7月24日(日) 新劇会館 しがらみに絡め取られて暗黒道に舞い戻らざるを得ない顛末が在り来たりで、大体パラダイス志向のヤクザってのが、どうにもショボくて物語が一向に弾けない。ラストはやはり魅せられたが、あとはショーン・ペンのチリチリ頭く…

神は見返りを求める

★★★★ 2022年6月27日(月) TOHOシネマズ梅田10 数年前、俺が間もなく定年になり仕事もどうなるかわからんって話を家ですると 「じゃあ新しい仕事今からでも探さなあかんやん」 「ふっふっふっ考えとるがな」 「何かあるん」 「YouTuberやがな、親父の…

カラー・オブ・ライフ

★★★ 2001年5月22日(水) テアトル梅田2 クドいまでに繰り返されるギャグ(特にゾンビファミリー)や役者が台本を凌駕してる(特にミッドナイトクッキング)点に於いて「吉本新喜劇」的な逸脱の魂を感じた。完璧に趣味だと言っていいのだが、であればこそ映画…

雁の寺

★★★★ 1993年4月20日(火) サンポードアップルシアター 若尾と佐久間が2分した水上文学の初期映画化作中、楷書体の構築で吉村に強力な推進力で今井に分が悪い川島だが、暗澹たるルサンチマンが全開し村井のエッジの効いた撮影が補完する。その緊張感の持続と…

★★★★ 2002年10月19日(土) 扇町ミュージアムスクエア 夢も希望も無くても人は喰い寝て排尿し性交する、その様が哀しく侘びしい。相変わらずの閉塞感と孤独感の世界だが序盤の展開はフェリーニやアントニオーニを彷彿とさせる虚無感満載。それだけにギリシャ悲…

ガンパウダー・ミルクシェイク

★★★ 2022年4月11日(月) TOHOシネマズ梅田5 撮影のマイケル・セレシンや美術のデヴィッド・ショイネマンが名だたる作品を手がけているベテランであるから、映画のフレームワークは堅牢だと思います。ただ、そこで描かれたもんが新しいかと言えば疑問。…

純子引退記念映画 関東緋桜一家

★★★ 2003年8月21日(木) トビタ東映 「引退記念映画」と銘打つからには頭からケツまで純子べったりであるべきなのに、いつしか比重は健さんと鶴田の毎度の渡世の義理の世界へ。恩人マキノを立てた為『緋牡丹博徒』で花道を飾れなかったのが気の毒だが復帰した…