男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【かは~かん】

がんばっていきまっしょい

★★★★ 1999年3月22日(月) テアトル梅田1 竹中直人不在が象徴する周防的ギミック偏重の邦画潮流からの決別と、芸が無いとも言える典型スポ根にも拘わらず全くベタじゃないという奇跡の混在。その奇跡の結露としての澄み渡ったような透明感が良い。調和的なノ…

ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒

★★★ 1999年3月13日(土) OSシネフェニックス1 怪獣が当たり前のように日常に介在するパラレルな世界観が序盤の渋谷壊滅には文句無くあり意表を突く。しかし、恨みとか復讐とかの、どうしようもなく日本的な情緒が物語に投入されてくるにつれ失望感に覆われ…

カンゾー先生

★★★ 1998年11月14日(土) ホクテンザ2 先生の執念はパラノイア一歩手前であるように見え、にしてはブラックな諧謔が決定的に不足してる。いずれにせよ今村の演出がこうも淡泊になっちまっては皆為す術もない感じで柄本は神妙なだけで麻生もエロスに実が無い…

かぼちゃ大王

★★★ 1996年6月15日(土) 山口県教育会館ホール 患者の少女だけではなく治療する医師のトラウマをも描いた点がミソだが、2人の孤独が共振し、故に医師が特定患者に片寄せするその部分を映画は踏み込んでは描かない。淡々とし作為的ドラマトゥルギー皆無だが、…

ガメラ2 レギオン襲来

★★★ 1996年8月17日(土) テアトル徳山Ⅲ 細部で伊藤の政治性・樋口の画心・金子のミニスカ趣味がせめぎ合い予断を許さないし、毎度臨死まで痛めつけられるガメラの超M本質は外してないが、レギオンが凡庸。そのバトルは何故か「ドラゴンボール」めいて元気玉…

仮面学園

★★ 2000年8月11日(金) ユナイテッドシネマ岸和田9 思い切った設定だし画的にも色々やれる題材と思う。仮面というモチーフを使うことで現代社会の病根やアイデンティティの喪失など踏み込む領域は幾らでもあったろう。しかし、物語はお決まりのクソつまらな…

ガルシアの首

★★★ 1995年4月2日(日) 第七藝術劇場 どん底の状況から抜け出そうともがき倒す男の意地も、どん底で寄り添う男と女の腐れ縁的な愛も乾いているから沁みてこない。しかも、何故だか土壇場の叛逆にもカタルシスがない。2人組の殺し屋の部分が突出して冴えまく…

ガメラ 大怪獣空中決戦

★★★ 1995年3月25日(土) 三番街シネマ2 プロレスが八百長でスポーツでないから認めないという昔は主流を占めた価値観が今では野暮とされる時代としても日本製怪獣映画が閉じたジャンル史観でのみ相対比較され圧倒的な評価が成されるのは不健全。(cinemascape)…

カルネ

★★★★ 1995年6月24日(土) みなみ会館 ブローアップされたざらつき感と赤の色調。少女の初潮と近親愛。屠殺と殺人。描かれるものは禍々しさを志向し続けているのに奇妙に爽やかなのは作り手の根底にあるモラリズムが透けて見えるからだろう。ショットのパワー…

花様年華

★★★★★ 2001年4月23日(月) テアトル梅田1 空調の無い時代の湿度と空気の濃度。その中で視線で囁き合うかのような感情交錯が醸し出す刹那。それでもチャンの素肌は涼やかだしレオンはあくまで端正だ。技巧の極致をいく長焦点レンズ使いが2人の関係を世界から…

カリスマ

★★★★ 2001年11月15日(木) トビタ東映 「法則の回復」だの「対立軸の共生」だのと前半は青臭く生硬な台詞も相まり木を巡る争奪は意味や先行きの見えぬ隘路を彷徨うが、後半「なるがまま」と開き直り黒沢お得意の終末観が展開され出すと見違えるように締まった…

髪結いの亭主

★★★★ 1992年10月4日(日) 大毎地下劇場 時間的な頃合いといい出来良い短篇小説の趣があり映画としてのバランスはパーフェクトなものだが、完璧すぎてあまりに夾雑物がなくこれでええのかと戸惑う。幾つもの謎は放置されたまま踊るしかないのかと煙に巻かれる…

カビリアの夜

★★★★★ 1994年7月16日(土) ACTシネマテーク ジェルソミーナの延長にあるカビリアだが描く視点はより冷徹でてらいがない為、かえってストレートに感銘を呼ぶ。聖母寺院の参拝シーンのいかにもなバロックテイストに『甘い生活』への片鱗がが垣間見える。その…

から騒ぎ

★★★★ 1994年6月26日(日) パルシネマしんこうえん ブラナーとトンプソンのいちゃいちゃもワシントンとキアヌが兄弟という適当さも、馬鹿騒ぎなハイテンションで突っ走る展開の中で、どうでも良くなっていく快感。下手な現代的再解釈ものより本質をわきまえて…

フェリーニ 監督ノート

★★★ 1994年7月16日(土) ACTシネマテーク 撮られることのなかったチェロ奏者の話の大オープンセットが本当に勿体無く惜しいと思う。後の『道化師』・『ローマ』・『インテルビスタ』などに継承されるフェリーニ得意の似非ドキュメンタリー初作であり『サテ…

ガンシャイ

★★★★ 2002年3月24日(日)~25日(月) 天六ユウラク座 正直余り巧い演出とは思わなかったが変な映画であることは確か。大体、おならとか腹下しとか幼児的な下ネタにこれほど拘るハリウッド映画って見たことないよ。伏線の無い強引なラストにも何故か腹が立たな…

カリガリ博士

★★★ 1994年7月31日(日) ACTシネマテーク セット美術の前衛な奇形には最早何の感慨も抱かぬにしてもニューロティックの原型としての価値は認める。4分の3世紀を経ても俺達が見せられ続けてるものは、この映画の変奏曲に過ぎないと思わせられるからだ。圧…

カリートの道

★★★ 1994年7月24日(日) 新劇会館 しがらみに絡め取られて暗黒道に舞い戻らざるを得ない顛末が在り来たりで、大体パラダイス志向のヤクザってのが、どうにもショボくて物語が一向に弾けない。ラストはやはり魅せられたが、あとはショーン・ペンのチリチリ頭く…

神は見返りを求める

★★★★ 2022年6月27日(月) TOHOシネマズ梅田10 数年前、俺が間もなく定年になり仕事もどうなるかわからんって話を家ですると 「じゃあ新しい仕事今からでも探さなあかんやん」 「ふっふっふっ考えとるがな」 「何かあるん」 「YouTuberやがな、親父の…

カラー・オブ・ライフ

★★★ 2001年5月22日(水) テアトル梅田2 クドいまでに繰り返されるギャグ(特にゾンビファミリー)や役者が台本を凌駕してる(特にミッドナイトクッキング)点に於いて「吉本新喜劇」的な逸脱の魂を感じた。完璧に趣味だと言っていいのだが、であればこそ映画…

雁の寺

★★★★ 1993年4月20日(火) サンポードアップルシアター 若尾と佐久間が2分した水上文学の初期映画化作中、楷書体の構築で吉村に強力な推進力で今井に分が悪い川島だが、暗澹たるルサンチマンが全開し村井のエッジの効いた撮影が補完する。その緊張感の持続と…

★★★★ 2002年10月19日(土) 扇町ミュージアムスクエア 夢も希望も無くても人は喰い寝て排尿し性交する、その様が哀しく侘びしい。相変わらずの閉塞感と孤独感の世界だが序盤の展開はフェリーニやアントニオーニを彷彿とさせる虚無感満載。それだけにギリシャ悲…

ガンパウダー・ミルクシェイク

★★★ 2022年4月11日(月) TOHOシネマズ梅田5 撮影のマイケル・セレシンや美術のデヴィッド・ショイネマンが名だたる作品を手がけているベテランであるから、映画のフレームワークは堅牢だと思います。ただ、そこで描かれたもんが新しいかと言えば疑問。…

純子引退記念映画 関東緋桜一家

★★★ 2003年8月21日(木) トビタ東映 「引退記念映画」と銘打つからには頭からケツまで純子べったりであるべきなのに、いつしか比重は健さんと鶴田の毎度の渡世の義理の世界へ。恩人マキノを立てた為『緋牡丹博徒』で花道を飾れなかったのが気の毒だが復帰した…

プラスティック・ナイトメア 仮面の情事

★★★ 1992年2月11日(火) パルシネマしんこうえん 題材からすればジョン・ヒューストンのような乾きが欲しいところなのに、大仰なヒッチコックもどきで迫ってしまったのが違うと思う。グレタ・スカッキも美人だがオーラがあるとは言えず屋台骨を支え切れていな…

カンフーハッスル

★★★★ 2005年4月13日(水) CINEMAしんげき1 目を惹かれたのは縦横に移動する長回し内での過剰なまでの天こ盛りの創意。真にリスペクトするものには誤魔化しは無礼と言わんばかりのシンチーの引きのスタンスが図らずも親爺リスペクトに連鎖した。とは言…

株式会社 ザ・カンパニー

★★★★ 1992年11月14日(土) キリンプラザ大阪 モノクロームの折り目正しい画面から昭和30年代の日本映画にあったようなモラリズムが感じ取れる。得るものがあれば失われるものもあるというメッセージは真っ当すぎるにしても、突き放すがごときラストの余韻が…

カポーティ

★★★★ 2007年1月20日(土) 新世界国際劇場 主人公が取材を通して犯人と同期していく様は、台詞で語られているほどには掘り下げられているとも見えないのだが、カンザスの片田舎の時代の空気を表出したカメラと緻密な演出、そしてホフマンの計算され尽くした…

頑張れ!グムスン

★★★ 2007年4月12日(土) 新世界国際劇場 1晩中、赤ん坊をおぶって走らされ続けるペ・ドゥナにかなり感動した。コンセプトは明快で肉付け次第では傑作に成り得ただろう。コメディリリーフはドゥナ1人に負わせて他は極マジで行ってくれりゃ良かったのに。そ…

カンウォンドの恋

★★★★★ 2021年9月20日(月) シネヌーヴォ ✳︎今回の上映「作家主義ホン・サンス」では「カンウォンドのチカラ」のタイトルで上映されましたが、ここではオリジナルと思われるタイトルを採りました。 原題はチカラの方らしいので、なんやろパワースポット的な…