映画感想【え】
★★ 2023年3月5日(日) MOVIXあまがさき10 ミシェル・ヨーがミシェル・キングという名前で出てた頃からの彼女のファンだし、「スイス・アーミー・マン」は未見だがシャイナートがピンで監督した「ディック・ロング」のユーモアのセンスも大変買ってい…
★★★★ 1998年9月23日(水) ワーナーマイカルシネマズ明石1 正直、懐古調ノワールとして見るならそう尖っている出来とは思わないが、意外にも正義を貫く男気や女性への純な想いが真っ当に描かれ、又ハードボイルド風味も予想以上。スペイシーのキャラを置いた…
★★★ 1997年12月28日(日) テアトル徳山Ⅱ 闘う大統領というアイドル願望は不倫クリントンを退け駄犬ブッシュを登場させる素地になったにせよ、ピ-クアウト直後の主役2人の熟成加減とペーターゼンの大味ばかりとも言えぬ安定が使い古しのプロットの再生に成功…
★★★ 1999年5月2日(日) 日劇シネマ 坂本スミ子が予想外に今村的ミューズを体現して感動的だが、一方、小沢スブやんの諦観は今一修羅場を潜ってるとも見えず遂に胸に迫ることはなかった。そして、悩める男の再生譚は後年の『うなぎ』にて焼き直されるわけだ。(…
★★ 1999年6月19日(土) みなみ会館 魔性の女というにはモローはカルダンの衣装づくしでキザなだけでビルナ・リージの方が余程いいと思えてしまう。役者のカリスマを信頼し過ぎて心理の綾が蔑ろにされている。ロージーお得意の鏡テクも何かの意味を形成するわ…
★★★★ 1998年9月5日(土) シネマアルゴ梅田 媚びてるようでそういう感じがしないのは気取りの無い真摯な姿勢だと思うし、あざとさ満ち溢れてるようでそうは感じないのは予想外の本物志向の賜物だろう。布袋のロボットめいた無機質感は和製ターミネーターとして…
★ 1999年5月2日(日) 新世界東映 TV「とんぼ」には垣間見えた寡黙な男の任侠美学の残照は映画前半ではまだしもあるかに見えた。しかし、終盤には驚天動地の次元に映画は突入する。それにしても凄い…凄すぎる。怒りを通り越し笑うしかないという境地に達せら…
★★★★ 1999年5月22日(土) ワーナーマイカルシネマズ東岸和田8 ジーン・ハックマンが最早伝説の領域に突入したとさえ思わせる初出シーン。そのトニー・スコットのリスペクトに共感を覚え演出も絶妙だった。コマ落としとハイスピード多用の一見安易なCM的手…
★★★ 1997年2月9日(日) 岩国ニューセントラルⅢ 「アルゼンチンよ泣かないで」を始め名曲を高らかに歌い上げるというミュージカルの醍醐味を久々に味わったのは事実だが、大統領の妻としても女権運動の功績者としても、描かれるエビータは愛らしくもなく賢こそ…
★★★ 2000年5月27日(水) ユナイテッドシネマ岸和田1 ダンスや格闘技と同じくスポーツという題材はコマ切れカットの誤魔化しでは撮って欲しくなく且つストーンの技巧も黴臭い。前半で退いた気持ちを立て直すドラマトゥルギーも胡散臭いパチーノの熱語りと馴染…
★ 1996年6月1日(土) 徳山国際劇場 つまらない自己充足ギャグも見せ方次第で輝きを得ることを知ってはいるが、演出にそういう矜持は皆無でただ流されてるだけ。ジム・キャリーを好きでもないが才能はがあるのだろう。しかし、彼を出せば何とかなるみたいな甘…
★★ 2000年7月10日(月) ユナイテッドシネマ岸和田7 イーサン・ハントが女ごときにメロメロになっちまうのではスパイの風上にもおけなく全然クールじゃない。見せ場が独自で遊離し物語と有機的に結合してない。しかも、何よりトム・クルーズの体技は編集でい…
★★★★ 2000年8月13日(日) シネヌーヴォ 若尾文子のドライな持ち味があって暗く隠微な筋立てが中和されて頃合いになった。終盤のたたみかけの地獄の底まで転げ落ちて、挙句、これで良かったのかもと強引に納得させるパワーが魅せる。(cinemascape) kenironkun.…
★★ 1996年9月8日(日) テアトル徳山Ⅱ 真摯に題材に突き動かされ製作に至るのではなく、外国人を使って英語映画を撮るという過程が全てで、小賢しいまでに手慣れた原田の技法からは隠匿されたコンプレックスが匂い立つ。クソ面白くもなく、どういうマーケット…
★★★★ 1996年11月4日(月) テアトル徳山Ⅰ 再使用不能の禁じ手がものの見事に決まり絶望と喪失の余韻がオーラのように映画を支配する。事務屋が先頭に立たざるを得ない展開は在りがちだとしてもオーラにより設定の真摯は担保される。他の同種映画を突き放し得た…
★★★★ 1996年11月10日(日) 山口県教育会館ホール 小学校低学年に於ける子供の親との或いは友人との距離感や自然に包まれた日々の至福感が驚くほどあざとくない。ドキュメンタリーで培った東陽一の資質に合った題材で、前衛性も又程良い塩梅。母役の原田美枝子…
★★★ 2000年12月5日(火) シネヌーヴォ 現実のモデルがいる以上、さして起伏のある物語にもならず、何を骨子に置きたいのかよくわからない上に、竹山本人のインタビューとドラマの噛み合わせも効果をあげたとも思えない。この衒いの無さが新藤兼人の持ち味なん…
★★★★ 2000年11月4日(土) ユナイテッドシネマ岸和田1 この原作は知らんけど影響下にあったのであろう手塚・石森・永井等の70年代和製コミックスで育った身としては、そこはかとではあるが滲み出る既視感を伴う異形の者の疎外感と悲哀の表現。世界と対峙せ…
★ 1996年12月7日(土) 岩国ニューセントラル ソリッドな魂は煽て水増しされ弛緩したセルフパロディに成り果てた。アクションの切れは無残なまでに消失し、低脳なプロットの連鎖をギャグもどきとして笑う気力もわかない。サーフィンネタには『ダーク・スター』…
★★★ 1995年6月25日(日) 扇町ミュージアムスクエア 全篇を遍く覆う微妙な逸脱感がどうにも居心地悪い。汎ゲルマン的な独善は重厚長大どハッタリ描写と連結し『メトロポリス』や『ニーベルンケン』を産んだが、現在形の市民社会で違和感が露呈する。ラングの投…
★★★ 1995年9月15日(金) ACTシネマテーク 抑もサントリー広報に勤務し直木賞を受賞することが普遍人かという疑問はさておき、親や女房や子供のことにチマチマ悩む市井人を描くに喜八演出は奇想的手法を採らず好感。が、戦中派30代サラリーマンの鬱屈が理…
★★★ 1995年8月19日(土) 第七藝術劇場 人物捌きが親切でないので錯綜した物語が入ってこず狂騒の度合いも生温い。従って宴のあとの何とやら的感慨もドッチラケで湧かない。如何にもなギョーカイを舞台に持ってきたのがどうにも鼻につき、安手の台湾版トレンデ…
★★★ 2001年7月17日(火) 梅田ピカデリー2 愛を希求する人工知能に心片寄せよと言われてもオスメント坊の鉄板憂い顔が全開で満腹。凡そ予測つく展開からの逸脱があるでもなく撮影もロングショットにろくなのが無い。ただブルーフェアリーというアイデアは良く…
★★ 1994年3月6日(日) 新世界国際 「AV」+「クイーン」+「マドンナ」とイヤがうえでも扇情的期待を煽りつつ、加えて「殺人事件」とくれば、多少はおもろいだろうと言う期待を無惨にも打ち砕くどっちつかずの駄作。製作者コーマンの本質は典型的山師で偶々…
★★★ 1994年4月9日(土) ACTシネマテーク 隔絶された世界を客観的にどう認識するかの視点を欠いてるので、他人のオナニーを見てるような味気なさしか感じない。嫉妬はあるが肉欲はない姉と弟の「おままごと」遊びは、何故に2人が充足しているのが理解しか…
★★★ 2022年7月28日(木) シネヌーヴォ 大島渚のフィルモグラフィでマイルストーンとなった作品を敢えて3作挙げるなら「日本の夜と霧」「絞死刑」「愛のコリーダ」なんじゃないかと思う。それは、彼の創作の志向が政治から性へと向かいながら各局面に於いて…
★★★ 2022年7月13日(水) 大阪ステーションシティシネマ10 前半1時間はバズ・ラーマンのクドいまでのケレンが時間の解体と相まって傑作かもとの思いもあった。 佳境が2つある。メンフィスのマイナーレベルのライブでトム・ハンクス扮する大佐が初めてエ…
★★★★ 2002年3月14日(木) OSシネフェニックス2 斬新さ無いキャラと設定とストーリーだが可視界100%の山嶺や不穏な廃工場や崩壊した町等の風景が卓越したロケハン力とでも言うべき良さ。破壊された女神像が地獄の始まりを予感させる秀逸さがとりわけ冴…
★★★ 1994年10月9日(日) 祇園会館 ミシェル・ファイファーが確かに、この女ならと思わせる哀しみを湛えた表現を見せ圧巻だが、これは50年代的正調メロドラマであり、その復刻を試みたにしてはスコセッシの80年代的体質が否応無く滲み出て統一感と安定を阻…
★★★ 2002年8月19日(月) 日劇シネマ 三國→佐久間→小沢と物語の主軸が変遷する様が計算ではなく成り行き任せでそうなったような構成のばらつきが惜しいが、終盤の3分の1は泣けた。水上ものとして前年の『越前竹人形』とかなりカブるが佐久間は若尾に比肩し得…