男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【え】

エンパイヤ・オブ・ザ・ウルフ

★★★ 2007年3月24日(土) トビタシネマ 自分捜しの前半は好悪半ばでナオンの演出は相変わらずサディスティックに女性を追い込み情感垂れ流しで泣ける反面、チープなメディカル解読は興醒め。後半は普通のアクションに堕したが変容のインパクトは魅せた。で、…

エイリアン VS ヴァネッサ・パラディ

★★★★ 2007年9月29日(土) 新世界国際劇場 小汚い集落のこれ以上なく小汚い男どもの間を舞うヴァネッサだけでも価値はあるが、何ものをも一切語ろうとしない演出には『マーズ・アタック!』が本来行くべきであった地平を見た。ショボいが強固なコンセプトが…

永遠のこどもたち

★★★ 2009年1月17日(土) シネリーブル梅田2 ショッカーな技法を封印したのは悪かろう筈もないが、心理の深淵に到達する何かがあるわけでもない。結局は『シックス・センス』から『アザーズ』を経た彼岸と此岸の物語の1変奏曲に過ぎない。終盤の謎解きのフ…

エレジー

★★ 2009年2月21日(土) テアトル梅田2 物語の70年代的帰結が嘘やろと思う間もなくベタな大晦日シチュエーションが確信犯で萎える。脚本メイヤーで納得する旧さ。ホッパー・クラークソンの老いらく競演では安定するキングスレーもペネロペ相手に余りにソ…

エル・スール

★★★ 2009年4月16日(木) 梅田ガーデンシネマ1 「井戸掘り」「夜のカフェの窓」「レストランでの午餐」等父娘のシーンは感情のベクトルが合致し胸を打つが、全般少女視点と親爺視点の入れ替わる構成が映画が依って立つ物を曖昧に遠ざける。静謐な語り口も意…

エグザイル 絆

★★★ 2009年6月13日(土) 新世界国際劇場 ジョニー・トーエッセンスの煮沸蒸留形態とは思うがエッセンスのみでは所詮PVでしかないのだ。ペキンパーの酒と女まみれの男騒ぎ無き幕間は幼児的でエモーションの昇華には至らない。人物配置の空間処理のカタルシ…

映画大好きポンポさん

★★★ 2021年6月9日(水) TOHOシネマズ梅田9 「これ読んどけ」とポンポさんに脚本を渡されたアシスタントのジーンが、帰ってきた彼女に感想を聞かれてしどろもどろにあれこれ言うけど、結局どこが一番良かったのと聞かれて1つのシーンを言う。「ふーん…

エレンディラ

★★★★★ 1988年4月10日(日) 吹田映劇 搾取されることや搾取することは人間の本質的資質であり徒に意味を見出す必要は無いとばかりに天使の無垢と絶対悪を寓話的世界で対比させて乾ききった風土の中で帰結に導く。シュールレアリズムに意味があるとするならこれ…

映画女優

★★★ 1987年2月15日(日) 友楽会館大劇場 撮影をはじめ市川作品として技術的にトップクラスだとは思うが、粘着的な田中絹代にノーブルな吉永小百合を配したのが致命的。文太の溝口もこそばゆく、2人の男と女の営みに触れもしないのでは表層的の誹は免れない。…

エイリアン2

★★★★★ 1986年9月28日(日) 友楽スカラ座 追求された格好良さはオーソドックスで普遍だが徹底して妥協せず突き抜けている。扇情的な攻防戦に終始しつつ、リプリーやバスケスやビショップとかのベタな大見得に収束するプロットの連鎖。最早スコット的アートは粉…

エスター

★★★★ 2010年4月10日(土) 新世界国際劇場 どうせ馬脚を現しヘタれるのだろうと思って観てたら、「悪魔な子ども」モノにありがちな後味の悪さも払拭し、一気に加速して走り抜けたことに意外な爽快感と感銘があった。ネタがネタだけに扇情的にもできようが抑…

L.A.大捜査線 狼たちの街

★★★ 1986年11月2日(日) 友楽会館大劇場 やっちまったの連続が『フレンチ・コネクション』リフレインなのだが、主演俳優にハックマン程の狂気と愛嬌が無く捜査の行き過ぎに必然を付与できなかった。大がかりなチェイスが見せる程度。ミューラーの撮影もシステ…

エクトプラズム 怨霊の棲む館

★★★ 2010年5月8日(土) 新世界国際劇場 幽霊屋敷ものとして新しいものはなく、フラッシュバックの凡庸な多用が興趣を削ぎ、少年の末期癌という設定も沈鬱に垂れ込めるなか、それでも、母が子を想う気持ちが浮かび上がり、子の自己犠牲の想いとシンクロした…

シン・エヴァンゲリオン 劇場版𝄇

★★★ 2021年3月9日(火) TOHOシネマズ梅田3 冒頭のパリでの見せ場が、全く意味不明の映画的な牽強付会ハッタリズムで素晴らしい。これは「Q」と同じである。 が、素晴らしいのはそこだけであった。 この半年で新劇場版3作を見たのだけが、俺の知り得…

エンター・ザ・ボイド

★★★★★ 2010年6月10日(木) 梅田ガーデンシネマ1 執拗に「愛」に言及し遡及される時間軸の彼方に現れる俯瞰的境地。完全に『アレックス』の焼き直しだが、東洋的「輪廻転生」観に依拠し精子君の頑張りまで描くノエは矢張りお茶目である。延々と揺らめくカメ…

エンドレス・ワルツ

★★★★ 2010年8月27日(金) 高槻ロコ9オウラス11 『ベティ・ブルー』のように自我が相克し自傷にまで至る男女の腐れ縁を日本を舞台に描いて嘘っぽくないのが驚異でさえある。ただ、若松演出が新しいわけでもない。完璧に圧倒的なのは主演の2人。一種の憑…

エクスペンダブルズ

★★★ 2010年11月6日(土) 梅田ピカデリー3 前半は暑苦しい親爺どもの幼児会話の応酬に苦笑交じりの声援を送りつつ、スタ・ステコンビの連携も冴えアクションも堪能できるのだが、終盤はもう何がどうなってるのかさっぱりな体たらく。それでも皆でガハハと能…

エクリプス トワイライト・サーガ

★★★★ 2010年11月6日(土) 梅田ブルク7シアター6 私の為に「喧嘩しないで」から「戦争しないで」へと膨張する乙女チックお姫様願望の全き衒いなさが清清しい。イジイジな三角関係の一方で宿敵ヴィクトリアはあっさり退場という展開の緩急の妙。加えてダコ…

エスピオナージ

★★★★ 1983年3月12日(土) シネマ温劇 冷戦下のスパイ戦の欧州を舞台に展開する様が、アメリカンドライではなく英仏の呉越同舟的どんより関係を軸にすすみ秀逸極まりない。娯楽職人ベルヌイユの技も冴え駆け引きの応酬は薩夫チック。主要キャスト4人中ブリン…

ヱヴァンゲリヲン 新劇場版:Q

★★★★ 2020年12月23日(水) 梅田ブルク7シアター5 いったい何がどうなってん、私は誰?ここは何処?状態で置いてけぼりにされる。 まあ、回収されたシンジのおかれた状況も同じみたいなので、ああ、おんなじなんやと少し安堵し、シンジが世界と同期するの…

X-MEN ファースト・ジェネレーション

★★★ 2011年6月25日(土) 大阪ステーションシティシネマ6 エリックの個の戦いとしての対ナチ復讐譚である前段のエネルギーは集団戦へと取り込まれて消失してゆく。それが一応収束したあとの抗人類思想の萌芽が如何にも性急で予定調和的。大風呂敷を広げた史…

ヱヴァンゲリヲン 新劇場版:破

★★★★★ 2020年12月17日(木) 梅田ブルク7シアター5 桐野夏生の小説に「女探偵ミロシリーズ」ってのがあって、これが1〜4作目までは普通の探偵小説なのだが、5作目の「ダーク」で突如それまでの世界観を放逐して砂漠のような人間の暗闇に踏み込んでいく…

エイブのキッチンストーリー

★★★ 2020年12月8日(火) テアトル梅田1 ニューヨーク在住のパレスチナ人男性とイスラエル人女性が結構して子どもができました。どうなるでしょうか。 というお題目で考えたんだろうが。 ひとこと、陳腐であります。この程度なら俺でも考えれそう。 両親と…

英国王のスピーチ

★★★★ 2011年8月13日(土) 新世界国際劇場 大戦前夜の好戦非戦の悲喜交々も、王位継承への骨肉の軋轢も、吃音解消問題の前では背景音。それがアジテートこそ必要資質たる英国王の必須要件だとしてもミニマム世界に拘泥した感が拭えない。演技陣は抑制された…

ヱヴァンゲリヲン 新劇場版:序

★★★ 2020年12月15日(火) 梅田ブルク7シアター2 今更のエヴァ初見でございます。 思い起こせば10数年前、エヴァンゲリオンなるものを初めて知ったのはパチンコででした。CRエヴァンゲリオンは当時かなりやってましたので、この映画「序」のクライマッ…

エンジェル ウォーズ

★★★ 2011年8月13日(土) 新世界国際劇場 2段重ねの妄想までは抑制されたケレンとハッタリも効き傑作なのだが、3段目となる妄想が趣味世界に耽溺した幼稚世界でのバトルで、体技をCGで誤魔化すレベルに留まらずゲームのデモ画面的空虚な不快感を撒き散ら…

エクスカリバー

★★★★ 1982年2月5日(金) 伊丹ローズ劇場 紙芝居で講談を語られるが如く流れていく伝説総集編。エモーションは必然的に薄味になるのだが、カッティングがもたらす速度感が飽きさせない。夜間の馬の吐息の白さや陽光下の甲冑武具のメタリックな光沢。そういうビ…

エクストリーム・ジョブ

★★★ 2020年7月18日(土) 新世界国際劇場 そんなことしとる場合かが、どんどん違う方向に流されていく。 こういう逸脱のスキームって三池が好きそうな展開やなと思いはじめたら生温さが物足りない。アホさもエグさも、もう2歩ほど突き抜けてほしい。 いっそ…

えきすとら

★★ 1982年8月10日(火) 伊丹ローズ劇場 成功の為には身を任せることも厭わない石田えりが相も変らぬ微温ドラマを破壊してくれればまだしもだったのだが、朝間の旧態なモラリズムは頑強なのであった。それでも流石に終盤の『寅さん』的作劇上のパターン演出に…

AI崩壊

★★★★ 2020年2月14日(金) 梅田ブルク7シアター5 意気は買うけど、さすがにポシャるやろと思っていた。 でも、予想外に健闘している。少なくとも俺は思います。 【以下ネタバレです】 もちろん、規模において、エメリッヒとかのハリウッド製終末ディザスタ…