男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【え】

クライヴ・ドナー Clive Donner

生年:1926/01/21没年:2010/09/07 kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com

N号棟

★★ 2022年5月3日(火) MOVIXあまがさき8 何かの折にポスターを見て女房が「これ見たい」と言ったのはわからんでもなかった。数ヶ月前に引っ越した築50年超の公団住宅は、住人の大半が老人で饐えた臭いと死の影が蔓延している。廊下ですれ違って挨拶…

英雄の証明

★★★★★ 2022年4月22日(金) シネリーブル梅田1 アスガー・ファルハディの映画を「別離」を見て衝撃を受けて以来見続けているが、だんだん調子が落ちてる感があった。そりゃあそうで、オリジナル脚本であんだけ人の心理の機微を捉えつつ、錯綜する作劇のダイ…

栄光のル・マン

★★★★ 2003年3月17日(月) みなみ会館 年に1回フランスの片田舎で開催される世界的な祭に持ち込まれたカメラの特A級の臨場感が全てでドラマなぞどうでもいい。その風景にマックイーンを立たせて違和感のない高度に静謐な融合が果たされている。(cinemascape)

XーMEN2

★★★ 2003年5月7日(水) 梅田ブルク7シアター6 ミュータント対人間との対立構図を前面に出し前作では微かにでも感じられたマイノリティであることの哀感が消失し個の対決に矮小化。更に安直なヒロイズムは心を醒めさせるだけだ。『LOTR』を経たイアン・…

PNDC エル・パトレイロ

★★★★ 1993年10月16日(土) みなみ会館 主題としては珍しくもないが主人公が決してスーパーマンでないところが良い。女房の尻に敷かれて思い悩みながら黒く染まっていく過程がヒューマンだし切実。不穏な予兆を孕みながらも、一方で独特のユーモアのセンスに彩…

Aサインデイズ

★★★ 1993年10月30日(土) 第七藝術劇場 安奈の成功も凌の没落も或いはその対比もズバリそこを描ききるという口八丁で物語る気概が見えず締まらない。が、このジャンルの日本映画としては比較的違和感無く見れ小っ恥ずかしくない。主役2人も良さもあるが日本…

エレファント

★★★★ 2004年5月18日(火) テアトル梅田2 背景音と等価に置かれた無味なダイアローグの羅列や単に歩く人物を背後から追い続ける長回しによって浮き上がる等身大の日常。降りかかる凶事に対し善悪論や運命論は全く無意味で恣意性のみに支配される。確かにそん…

エル・コロナド 秘境の神殿

★★★ 2004年6月7日(月) 天六ユウラク座 汎用キャラオンパレードのお子様ランチ革命劇ではあるが、怪奇や神秘を持ち込まない点に好感を持った。少なくとも序盤のチェイスと中盤の橋での攻防は80年代的冒険譚モチーフに節度あるCGを融合させ才気を感じさせ…

エンゼル・ハート

★★ 1992年5月24日(日) パルシネマしんこうえん 確信的にムードに埋没して自走すれば開ける地平もあろうが計算尽くの小手先で表面ずらをなぞっただけの薄皮めいたペラさに全篇被われてる気がする。であるから悪魔なんですと言われた時点で「さよか」で終わり…

エクソシスト ビギニング

★★★ 2004年10月27日(水) 梅田ピカデリー4 何もかも整合性をつけようとし過ぎるから、わけの解らない恐ろしさが薄まるのだ。悪魔バズズの最大の武器は人の心の弱みにつけ込む巧みな対話というオリジナルコンセプトを踏襲してるのに部分的に今風ケレン描写を…

エンジェル・アット・マイ・テーブル

★★★★ 1992年7月5日(日) みなみ会館 作者のリアルタイムに近似となる成年期よりも幼年時代が輝くのは年代記ものの宿命なのだろうが、ノスタルジイにオブラートされただけでなく、演出は文句無くオリジナルな個性を感じさせた。とりわけロングはどのショットも…

エターナル・サンシャイン

★★★★★ 2005年6月15日(水) 新世界国際劇場 失われたものに対する記憶は切ない追憶としてなら永遠に煌めき続けるとしても、それを引き戻すにはリアルな現実に直面しないといけない。カウフマンの脳天気なだけじゃない現実認識と圧倒的構成力。演出と撮影も精緻…

エイリアンVS.プレデター

★★★ 2005年4月13日(水) CINEMAしんげき1 そもそも遙か人類を凌ぐ文明の保有者と宇宙蜥蜴の対決では勝負は端から見えており苦肉の策で設定された「通過儀式」が物語を茶番に堕させ著しく本気汁を減殺した。圧倒的勝者の殺戮ゲームに絡む主人公は予定調…

エイリアン3

★★★ 1992年9月29日(火) 北野劇場 構築された冷温多湿な世界はフィンチャー次作へ継承され『セブン』の礎となったにしても、不要な虱害設定でオールスキンヘッドのむさ苦しくも修道院的辛気臭さが全篇に横溢ししんどい。4足で疾走するエイリアンのスピード感…

M:i:Ⅲ

★★★★ 2006年7月8日(土) ナビオTOHOプレックス1 釣瓶打ちの見せ場の連鎖は近年の常套とも思うが、冒頭のシーンが山葵の如くに効いてくる構成は端折るという意味が入念に考慮されてると思う。バチカンと上海のシークェンスに流れる濃厚な『カリオストロ…

X-MEN ファイナル ディシジョン

★★★ 2006年9月9日(土) ナビオTOHOプレックス1 終盤はジーンと「キュア」の源泉たる「アキラ」少年が中心になるべきだろう。ウルバリンを主にするためメロドラマ的に妥協し、前振りが全く死んでいる。更に人間対ミュータントの図式が消えては被虐感が…

エンター・ザ・フェニックス

★★ 2006年9月19日(火) 新世界国際劇場 意味もなく主人公をゲイという設定にした為に感情の流れは彼をすり抜け拡散していく。全篇に散りばめたコミックシーンも安いもんばかりで乗れない。そして、約束通りのショボいワイヤーアクションがクライマックスも…

エターナルズ

★★★★ 2021年11月8日(月) 梅田ブルク7シアター3 リアルワールドから遠く離れて、創造主がどうとかいった領域に風呂敷おっ広げた段階でマーベルへの興味は終わってしまったと思ってるし、直近の「ブラック・ウィドウ」を見て拭い難い黄昏臭を感じ惜別の思…

炎上

★★ 1991年1月26日(土) 毎日文化ホール この薄暗い画面の連続の中に反俗世の象徴たる主観的絶対美としての驟閣寺は一片たりとも垣間見えないので、主人公の懊悩が説明不足で薄っぺらい。結果、それを消滅させ自らも消えるという滅びの美学も形骸的で空虚。 ke…

エンパイヤ・オブ・ザ・ウルフ

★★★ 2007年3月24日(土) トビタシネマ 自分捜しの前半は好悪半ばでナオンの演出は相変わらずサディスティックに女性を追い込み情感垂れ流しで泣ける反面、チープなメディカル解読は興醒め。後半は普通のアクションに堕したが変容のインパクトは魅せた。で、…

エイリアン VS ヴァネッサ・パラディ

★★★★ 2007年9月29日(土) 新世界国際劇場 小汚い集落のこれ以上なく小汚い男どもの間を舞うヴァネッサだけでも価値はあるが、何ものをも一切語ろうとしない演出には『マーズ・アタック!』が本来行くべきであった地平を見た。ショボいが強固なコンセプトが…

永遠のこどもたち

★★★ 2009年1月17日(土) シネリーブル梅田2 ショッカーな技法を封印したのは悪かろう筈もないが、心理の深淵に到達する何かがあるわけでもない。結局は『シックス・センス』から『アザーズ』を経た彼岸と此岸の物語の1変奏曲に過ぎない。終盤の謎解きのフ…

エレジー

★★ 2009年2月21日(土) テアトル梅田2 物語の70年代的帰結が嘘やろと思う間もなくベタな大晦日シチュエーションが確信犯で萎える。脚本メイヤーで納得する旧さ。ホッパー・クラークソンの老いらく競演では安定するキングスレーもペネロペ相手に余りにソ…

エル・スール

★★★ 2009年4月16日(木) 梅田ガーデンシネマ1 「井戸掘り」「夜のカフェの窓」「レストランでの午餐」等父娘のシーンは感情のベクトルが合致し胸を打つが、全般少女視点と親爺視点の入れ替わる構成が映画が依って立つ物を曖昧に遠ざける。静謐な語り口も意…

エグザイル 絆

★★★ 2009年6月13日(土) 新世界国際劇場 ジョニー・トーエッセンスの煮沸蒸留形態とは思うがエッセンスのみでは所詮PVでしかないのだ。ペキンパーの酒と女まみれの男騒ぎ無き幕間は幼児的でエモーションの昇華には至らない。人物配置の空間処理のカタルシ…

映画大好きポンポさん

★★★ 2021年6月9日(水) TOHOシネマズ梅田9 「これ読んどけ」とポンポさんに脚本を渡されたアシスタントのジーンが、帰ってきた彼女に感想を聞かれてしどろもどろにあれこれ言うけど、結局どこが一番良かったのと聞かれて1つのシーンを言う。「ふーん…

エレンディラ

★★★★★ 1988年4月10日(日) 吹田映劇 搾取されることや搾取することは人間の本質的資質であり徒に意味を見出す必要は無いとばかりに天使の無垢と絶対悪を寓話的世界で対比させて乾ききった風土の中で帰結に導く。シュールレアリズムに意味があるとするならこれ…

映画女優

★★★ 1987年2月15日(日) 友楽会館大劇場 撮影をはじめ市川作品として技術的にトップクラスだとは思うが、粘着的な田中絹代にノーブルな吉永小百合を配したのが致命的。文太の溝口もこそばゆく、2人の男と女の営みに触れもしないのでは表層的の誹は免れない。…

エイリアン2

★★★★★ 1986年9月28日(日) 友楽スカラ座 追求された格好良さはオーソドックスで普遍だが徹底して妥協せず突き抜けている。扇情的な攻防戦に終始しつつ、リプリーやバスケスやビショップとかのベタな大見得に収束するプロットの連鎖。最早スコット的アートは粉…