男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【り】

リバー・ランズ・スルー・イット

★★★ 1994年1月9日(日) 天王寺ステーションシネマ レッドフォードとピットの相似性に映画史的因縁を見出すことはあっても、所詮は『エデンの東』の緩い焼き直しの域は出ない。フライフィッシングの映像もジグモンド的反射を多用するがロマンティックに浸るだ…

リリイ・シュシュのすべて

★★★★ 2001年11月9日(金) 梅田ガーデンシネマ2 集大成的な力作だが、それでもネット上の世界と現実世界のリンクの仕方は、ただ最後の種明かしの為の方途としてしか機能していないように見えてしまう。『スワロウテイル』でも感じたが岩井は根のところで存外…

犬童一心 Isshin Inudo

生年:1960/06/24 kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com

リフ・ラフ

★★★★ 1994年7月9日(土) 京都朝日シネマ2 ほぼ1建設現場に絞られた舞台設定で見せきってしまうのは働く男達のリアリティに尽きるのだと思う(現実にロバート・カーライルは建築労働者出身らしい)。淡々と流れた物語が終盤畳み掛けるように露呈させる制度の…

リコリス・ピザ

★★★★★ 2022年7月日(木) 大阪ステーションシティシネマ7 おそらくフィリップ・シーモア・ホフマンの息子が主演に適う年齢に達したのがPTAの心を突き動かしたのだろう。キャリア初期の「ブギーナイツ」と同じ70〜80年代を背景にした思春期のキャリア…

リトル・ダンサー

★★ 2002年5月11日(土) 西灘劇場 このガキはバレエの何に心を捉えられ、この親爺は息子の学芸会ダンスのどこに才能を見出したってのか?この映画には設定だけがあって、それを真実に見せる術が全く無い。ストの描写もペラいし面接は永ちゃんの『お受験』の方…

旅情

★★★★ 1993年2月2日(火) シネマアルゴ梅田 行き遅れハイミスの感傷旅行のリード役は少年から頃合いの中年男へリレーされるが映画には悪意の欠片も存在しない。サンマルコ広場の景観が荘厳な華やぎで彼女の悲喜交々を彩るだろう。その端正なカラーの色調。そし…

リンダ・ロンシュタット サウンド・オブ・マイ・ヴォイス

★★★ 2022年5月16日(月) シネリーブル梅田1 学生時代にリンダ・ロンシュタットのベスト版LPレコードを持っていて密かに聴いていた。そんなもん聴いてるのは恥ずかしいという思いがあったんでしょう。周りには言ったことはなかった。でも40年の時を経て…

リング・リング・リング 涙のチャンピオンベルト

★★ 1993年6月26日(土) 天六ユウラク座 つかの真情は現スターが世代交代で落ちて行く部分にあるのだろうに、肝心の島田陽子に華も悲哀も足りず,又、新スター長与千種と端っから対等にタメはれるわけなくショボすぎ。演出もネバリが足りない。渡瀬の動きの良…

リディキュール

★★★★ 2003年8月14日(木) OS劇場CAP 田舎貴族が直訴に来たベルサイユの宮廷世界は「お笑い」こそが至上とされるが裏では嫉妬と権謀術数渦巻くド汚い世界であった。浪花に来た東人が感じるであろう戸惑いを思わせる。汚れそうに見えた主人公がドーンとモ…

リクルート

★★★★ 2004年1月29日(木) 梅田ピカデリー3 万座を圧するパチーノの話術が醸すカリスマと、高慢の中に精緻に織り込まれたファレルの純情が文字通り正面激突する新旧の演技合戦の醍醐味。新味が無いとは言え裏の裏のその又裏へと3転4転する脚本も良ければド…

リコシェ

★★★★ 1992年4月29日(水) トビタシネマ 野郎同士のガチ対決な骨子がプリミティブに映画の強度を高める。内実を抑えて娯楽職人化したマルケイのフィルモグラフィのピークを為す1本。実力で自走する間尺に合った役者と直線的なストーリーを得て、そういう割切…

リアリズムの宿

★★★★★ 2004年6月29日(火) テアトル梅田1 男と男と女の微妙な距離感が『ストレンジャー・ザン・パラダイス』で間はカウリスマキ。シネアスト好みの骨格だが高踏的実践ではなく地に足着いた面映ゆく青臭いリアリズムで補完する。見た目以上に戦略的であり成功…

リベリオン

★★★★ 2005年6月15日(水) 新世界国際劇場 設定が恥ずかしいまでに稚拙なのが幸いし物語の強度を増幅させる。終盤では不覚にも目が潤んでしまった。親が思うほど馬鹿じゃないってことだね。そうあって欲しいよ。統計的推学「ガンカタ」も嘘だろうと思う間もな…

リンダ リンダ リンダ

★★★★ 2005年8月15日(月) 動物園前シネフェスタ3 シラケ感が抑制を与えガールズバンド的一生懸命的ダサさを相殺した点は買うが、仮初めにも、それは熱い思いと化学反応を起こし何かに転化するべきで、こうも並列配置に終わったのでは限界を感じたりもする。…

龍が如く 劇場版

★★★★ 2007年4月7日(土) ホクテンザ1 相変わらずの過剰とテキトーの喧噪の中を駆け抜ける1夜限りのワンナイトショー。脇挿話も冴えたアラベスクだが、結局、肉体的対決に的を絞る…しかなかっただろう。主役2人はこれ以上はないケレンとハッタリで見てて…

陸軍中野学校

★★ 1991年7月27日(土) みなみ会館 劇的誇張のない淡泊な展開の中で増村的テンションの発露は行き場を失いインポテンツ状態に陥る。雷蔵の終始非情な主人公は好演とは思うが、変容こそが旨だったのではなかろうか。ママゴトめいた物語のチャチさにも大概うん…

リバイアサン

★★★ 1989年5月21日(日) 新世界劇場 『物体X』は多くの亜流を産み出したが、怪異譚的な序盤展開が魅せるこれはマシな方だ。だがモンスターが登場し出してからは次第にいってこいの展開になりマニュアルの馬脚を現す。その造形が人体融合的な二番煎じともなれ…

リミッツ・オブ・コントロール

★★★ 2009年9月24日(木) シネリーブル梅田1 受け身な主人公に世界のシステムを制御するカリスマはなく、狂言回しとすれば回される世界に意味或る至言は存在しない。体裁にジャンルを踏破させたいなら『欲望』を、トリックスターなら『テオレマ』をだ。この…

利休

★★★★ 1989年9月16日(土) 長崎松竹 映画界の2巨頭の対峙に歌舞伎・映画・アングラ・素人を噛ませるコラボの絶妙。溝口的伝統を現在感覚で継承する小道具・衣裳の圧倒的真実味。だが、列挙される葛藤を常に正面から捉え続ける作劇に若干の抑揚があればとも思…

リダクテッド 真実の価値

★★★ 2009年10月10日(土) トビタシネマ 序盤の監視所があるバイパス入口の半端な静謐が支配するサバーブ的状況設定が秀でており、緊張と倦怠の綯い交ぜな描写は素晴らしい。ただ、中盤以降は、真摯ではあるが提議される問題もそれを描く手法も新味が無い。…

リトル・ショップ・オブ・ホラーズ

★★★★ 1988年1月10日(日) 大毎地下劇場 ヘタをすれば途轍もない予定調和に陥ったかも知れないのに色彩や装置の美術や音楽や演技や等の要素を僅かずつ過剰にすることにより全体では突き抜けてしまった。ケバい狂騒の過剰さの中でもスティーブ・マーティンの歯…

リボルバー

★★★★ 1988年10月23日(日) 長崎ロッポニカ 1挺の拳銃を巡っての芋蔓式に連鎖する物語が一触即発の危機感を孕みつつも微妙な緩みと倦怠を内包する。沢田の疲弊感がいい塩梅で映像はキレ良くパワフル。藤田敏八の新たなスタートを感じさせるに充分な出来だった…

リオ・グランデの砦

★★★★ 2021年4月29日(木) プラネットプラスワン 予算的にけっこう制約があったらしく小ぶりの感がなくもないが、それだからこそといいましょうか、フォード一家の面子のコラボもよろしく小さなエピソード群の集積が好ましい。 ぶんむくれた女房の態度に手を…

リバティ・バランスを射った男

★★★★ 2020年12月6日(日) プラネットスタジオプラス1 子どもの頃にテレビ放映で見て良い映画だと思った記憶があるのだが、それは、何かどんでん返しみたいなのがあったように覚えていたんだけど、そんなもんはありませんでした。同じ頃に放映されてた「テ…

[リミット]

★★★★★ 2011年9月23日(金) 新世界国際劇場 ソール・バス風タイトルからして一発やったろと言う気合が窺えるが、超絶な制約を自ら課し制圧するド根性以外はヒッチ風な作風でもない。寧ろ柔軟で闊達であり奇異を衒ったところも無いのが驚異的。ご都合主義な設…

ジョージ・ハリスン リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド

★★★ 2011年11月26日(土) 大阪ステーションシティシネマ8 お庭の花壇のお花の陰からヌボーっと現れるジョージにスコセッシの気持ちは集約されている。肩入れし切れない取り留めの無さ。期待した快楽の編集リズムは無く、ポールやクラプトンとの確執も突っ…

リオ・ブラボー

★★★ 1982年1月29日(金) 毎日文化ホール ブレナンにリードされる大らかなユーモアの味は確かに捨てがたいが、ほのぼのサイドに振れ過ぎて世に言うほど連携プレーの醍醐味は感じない。何より2時間15分は長すぎる。クライマックスのどうしようもない弛緩ぶり…

リミットレス

★★★ 2012年5月12日(土) 新世界国際劇場 趣向のみでドラマが無く、オチない結末には正直唖然とした。そりゃ誰でもこういう夢は見るが、映画にはそういう小さな世界観を打ち壊す何かを提示して欲しい。演出も悪くは無いがビジュアル過多で説明的に過ぎる。役…

リンカーン

★★★★★ 2013年5月5日(日) MOVIXあまがさき8 挿話を描くだけで背景に在る歴史を浮かび上がらせる精神のダイナミズムに撃たれる。その構成と台詞に負う手法をデイ・ルイスの明晰なテクが完璧に担保。終盤の戦場は晩年の黒澤が拙く試みた詠嘆の完成形と…