男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【おあ~おの】

オーシャンズ13

★★★ 2008年1月5日(土) 新世界国際劇場 「俺達ナイスバッドガイだぜ!」オーラがフルスロットルで結構なのだが薄味でおっついてない。冒頭のブラピ登板の空港のポップな仰角ショットにこそ期待したが結局平板に終始。情に流されてんじゃないぜ!安住するな…

オスカー

★★★ 1991年9月15日(日) 新世界国際劇場 クリエイティブたることを放棄し回顧趣味職人と化したランディス掌中の緩いながら古き良きコメディの世界がスタローンで泥臭く鈍重になった。それが残念でもあるが又、好きなところでもある。このような失敗を繰り返せ…

おこんじょうるり

★★★ 2021年8月15日(日) シネヌーヴォX まっことおこんばあちゃんのためにいっしょうけんめいでかわいいのー。 とまあ、そんな程度の感想しか思い浮かびません。 かわいいといえばかわいいが、そうでもないともいえる人形が、画面占有率5割くらいでどっか…

おいしい結婚

★★★ 1991年10月6日(日) ホクテンザ1 毒にも薬にもならない平穏世界のロマンティックコメディを豪奢な意匠で飾り立てるところに森田流スノビズムを感じ鼻につくが、にもかかわらず、前田米造のキャメラを始め美術に至るまで当時の日本映画最高ランクの仕事は…

狼たちの絆

★★★ 1991年10月13日(日) 新世界国際劇場 中途半端なコメディ色が邪魔な一方、ユンファは又もやの独り善がりな気障演技に浸って何ともチグハグだ。アクションも手緩い。それより、百恵の「さよならの向こう側」。嘗て数多の女達が唄っては嫁いで行った曲にひ…

王妃の紋章

★★★ 2008年4月24日(木) 梅田ピカデリー4 過剰な装置と原色の氾濫の中で男と女と親と子が繰り広げる骨肉の相克がイーモウの極北かと思わせる前半は傑作だが、後半、狂気にまで至る越境ぶりも劇画チックな殺陣に埋没し廉価な茶番に堕す。惜しいとしか言えな…

★★★★ 2021年8月15日(日) シネヌーヴォX 8分の短篇だからこそ狭雑物ゼロで禍々しさが強烈だ。 実の息子を喰らおうとするまで堕ちる暗黒鬼道の深淵が一切の説明もなく提示される。 憐れみや同情や言い訳などない堕ちた者は朽ちるべしのハードボイルド。 蒔…

丘を越えて

★★★ 2008年5月20日(火) 梅田ブルク7シアター1 コンプレックスに苛まれながらも一応は生き様を貫徹する西田・西島の男勢に比して千鶴ちゃんは一貫してないのだが、可愛いから許せてしまうのが困ったもんだ。デジタルのチープな画質も厚い役者陣(余・嶋田…

鬼輪番

★★★ 2008年5月24日(土) トビタ東映 ヤケに扇情的な出だしがB級度満開の期待を煽るが、その後平易且つ淡泊に物語はサクサクすすみつまらない…と思いきや火山口シークェンスの妙に執拗なまでの間延び感が無意味で魅せる。カタルシスの欠片もないのが寧ろ潔…

男はつらいよ

★★★ 1982年5月21日(金) 豊中松竹 破壊的で荒ぶれる寅だからこそ失恋の痛みが本当に痛切。終盤の駅の安食堂での別れに滲み出る兄妹愛がそくそくと心に染み透る。同時代で見ていたら、もっと高い点にしたと思う。(cinemascape) kenironkun.hatenablog.com

男はつらいよ 私の寅さん

★★★ 1990年4月7日(土) 日劇シネマ 岸恵子にお芸術家を振った段階で山田洋次は2度負けている。ステレオタイプな馴れ合いのキャスティングであることと、寅と織りなすドラマが端から透けている点でだ。何となくふられるんじゃなくて、はっきりと拒否されると…

沖縄やくざ戦争

★★★ 1990年4月15日(日) 日劇会館 『広島死闘篇』の大友勝利をバージョンアップしたが如き千葉真一のこのテンションだけでも一応は見る価値はあるだろう。しかし、他に何がどうということもない。沖縄返還に際しての悲喜交々の本土に対するアンチテーゼをこそ…

狼 男たちの挽歌・最終章

★★★★ 1990年7月22日(日) みなみ会館 敵対する殺し屋と刑事がメルヴィル的フィルムノワールならば、殺し屋と歌手の絡みは日活アクション的ムード歌謡。隔絶された世界で一貫して浸り切った過剰とも言える情緒が一歩間違えればギャグになる寸前で縦軸と横軸を…

男たちの挽歌 Ⅱ

★★★ 1990年7月22日(日) みなみ会館 ジョン・ウーは、どうも撃ちまくり破壊しまくる銃撃戦だけを撮りたかったようで、結果、堪えに堪え忍んで最後にブチ切れるという任侠世界が後方に追いやられ、何故か獲得したのが80年代アメリカ映画の1系譜たるベトナム…

大人は判ってくれない

★★★ 1990年9月1日(土) 京都コマゴールド 不良少年ものとしての殊更な刺激があるわけではない。教条主義の裏返しな親や社会への反動もベタついた甘えもない。そういう旧来のドラマトゥルギーを否定し少年期特有の快楽追求の生理を描くことに特化。レオの発見…

男たちの挽歌

★★★ 1990年7月22日(日) みなみ会館 信頼と裏切りや忍耐とブチ切れや落魄と成り上がりなど余りに単線メロウな展開が今ひとつクールじゃないしアクション編集も後のジョン・ウー作品の緻密と比べると未だ雑い。とっぽいユンファの煙草とグラサンが漸く板につく…

男はつらいよ 奮闘篇

★★★★ 2009年3月28日(土) トビタ東映 蝶々・光本登板で決算的華やぎを醸し、和製ジェルソミーナの似非感は榊原るみの想外の好演でかわし、江戸川の2シーンと終盤の津軽の情感は決定的な突出を呈する。初期の中では『望郷篇』『夢枕』と並ぶ好篇。(cinemasc…

おくりびと

★★★ 2009年4月16日(木) 梅田ピカデリー4 異世界との遭遇によるドラマトゥルギーの起点が周防・本木のコンビ作と相似だが滝田演出に作家性は無いから鮮度落ち感が拭えない。『御法度』と『壬生義士伝』の比較も脳裏に浮かぶ。広末女房が現出させる理想郷始…

男はつらいよ 寅次郎頑張れ!

★★★ 1978年1月7日(土) ダイニチ伊丹 シリーズ初見作なので、どうも客観的に比較できないのだが、傍系の若者の恋愛に隠れて寅自身のマドンナとの絡みが希薄ではあった。又、輪をかけて藤村志保が影薄い。しかし、渥美清の話芸に心底ぶったまげたのは事実。 …

男はつらいよ 寅次郎心の旅路

★★ 1989年8月26日(土) 長崎松竹 寅にウィーンなんて合うわけないじゃん…ではなく内向的視点から脱却できない山田の時代錯誤感こそが穿たれるべきだろう。欧州1000年の歴史に柴又イズムがどう対抗するのかこそが見たいのであり観光客的視点の傍観者じゃ話…

おとうと

★★ 2010年2月5日(金) 梅田ブルク7シアター1 若い2人やホスピス周辺など多くの点描される脇キャラは相変わらず素晴らしいが、肝心の鶴瓶が可愛くないのが救いがたい。それを又今更の寅次郎のトレースとして出す山田には慢心した権威臭さえ感じた。シスコ…

L.A.大捜査線 狼たちの街

★★★ 1986年11月2日(日) 友楽会館大劇場 やっちまったの連続が『フレンチ・コネクション』リフレインなのだが、主演俳優にハックマン程の狂気と愛嬌が無く捜査の行き過ぎに必然を付与できなかった。大がかりなチェイスが見せる程度。ミューラーの撮影もシステ…

狼の死刑宣告

★★★★ 2010年10月15日(金) トビタシネマ 定型を踏み外さない展開のカタルシス。モラトリアム糞喰らえな殴りこみシークェンスに於いては如実に『わらの犬』や『タクシー・ドライバー』といった70年代映画への回帰が感じられる。前半の肝の駐車場での長回し…

男はつらいよ 夜霧にむせぶ寅次郎

★★ 1984年8月30日(木) 観光会館地下劇場 浅丘ルリ子や岸本加世子といった同系列の女フーテンに比して世荒びの疲弊感も天与の楽天思考も無いマドンナ。寅が加担する意味も理解不可能。加えて渡瀬の役回りなど最後まで煮え切らない展開にも唖然。総じて低調な…

お葬式

★★★★★ 1984年12月2日(日) 南街シネマ 「映画を撮りたい」…そういった鬱積した思いの丈を惜しげもなく全篇にぶちこみまくった挙げ句に技巧のオンパレード的祝祭気分が葬式という題材とセーブし合った絶妙のバランス感覚。80年代自主映画ムーブメントの土壌…

男はつらいよ 花も嵐も寅次郎

★★★ 1983年1月4日(火) 伊丹ローズ劇場 合わぬと思ってた裕子とジュリーが思いの他山田世界に親和してるのが意外だが後年の2人を見れば然もありなむ。微妙な均衡点で世界の調和が危うくも成立した。寅屋のシーンも前後のシリーズ中では充実してる方。寅も未…

男はつらいよ 柴又慕情

★★★ 1983年3月16日(水) 伊丹ローズ劇場 吉永小百合が頑固親爺に悩まされる素直な娘を好演しているものの、素直に相談相手として寅を慕うだけで色恋は何にもない。寅も約束事としてふられては見せるが如何にもとってつけたようだ。そういう淡泊な予定調和には…

男はつらいよ 寅次郎の縁談

★★★ 2011年7月9日(土) トビタ東映 新味の欠片もない出がらし的一作なのだが、松坂の腰の据わった風情や城山の衒いのない直情など女たちは良い。そう思うそばから、引き際よすぎる寅のダメさと満男の意気地なさに相も変らぬ残尿感を覚える水準作。就職に絡…

大鹿村騒動記

★★★ 2011年7月21日(木) 梅田ブルク7シアター2 時宜を得た老キャスト連が醸す好コラボのまったり感に身を委ねてたゆたう至福はあるが、まったり過ぎてドラマチックな感興も無いのが物足りない。脇ストーリーに至っては、どれも半端な付け焼刃。故原田の声…

男はつらいよ 寅次郎紙風船

★★★ 1982年1月17日(日) 伊丹ローズ劇場 「男」から「父」への変遷の端境期に登場した『寅次郎頑張れ!』と似たマドンナ2枚看板で音無も岸本も良いだけに、どっちつかずに分散した構造が惜しい。シリーズ中興の80年代作中出来の良い部類だと思う。(cinemas…