男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【おあ~おの】

踊り子行状記

★★★ 2001年8月2日(木) テアトル梅田2 後にピンで傑作を連作した大映3大スターも初期には数多のプログラムピクチャーをこなしたからこそなのだろう。手馴れた演出での1時間半は飽きないが、TVの勃興に喰われるのも仕方ないとも思わせる。勝新はともかく…

男はつらいよ 拝啓車寅次郎様

★★★ 2001年11月15日(木) トビタ東映 ゴクミとのシリーズではウジウジと見ている者を大概いらつかせた満男であったが、寅の老化を間近で感じつつ負って立つ気概でもでたのか結構いい。牧瀬理穂も良い役に恵まれ好調。一方、寅は可愛そうな位影薄くかたせとの…

オテサーネク 妄想の子供

★★★ 2002年2月13日(水) シネリーブル梅田1 ブラックな風刺も効いて前半は良い。しかし、肝心のアニメーションを駆使した後半は凡百のスプラッターに限りなく近似していき、実写とアニメーションの食い合わせの難しさを感じさせる。子供の夜泣きに悩まされた…

押繪と旅する男

★ 1994年6月26日(日) 高槻セントラル 乱歩稀代の傑作幻想譚は凌雲閣という高所から遠眼鏡で遙か下方のからくり細工の押絵の美女を視るというマクロからミクロへの瞬時の空間飛躍がもたらす孤絶感こそが肝であるのに技量が無く、替わって安易な時制錯綜で茶を…

おいしい生活

★★★★ 2002年3月14日(木) 西灘劇場 語り口の抽斗を山ほど持つ男が「芸」を見せきる為に抑制を選択したのが心憎い。この2人の夫婦役者の掛け合いは何時間見てても飽きないだろう。至芸と言っていい。川下から拾い上げたウルマンやメイ。役者の選択が全てと言…

プライベートレッスン 青い体験

★★★★ 2002年4月28日(日)~29日(月) ホクテンザ2 省略ではなく安易で強引な展開がポルノだから仕方ないかと諦める前半をクリアすると予想外に真摯な脱トラウマ劇としての煌めきのようなものが浮かんで来て最後は感銘を覚えた。しかもポルノとして最高にそそ…

俺らのペンギン・ブーツ

★★★ 1994年8月13日(土) テアトル梅田2 画面内で十二分に誇張され切っているリーゼントとペンギンブーツは普通の風景の普通の人々中でこそ異化されユーモアを生むのに、家族全員がそうだと如何にも安すぎる笑いに成り下がる。短いのであざといと思う間もなく…

春琴抄 お琴と佐助

★★★ 2001年5月6 日(月) テアトル梅田1 サディスティック&マゾヒスティックが究極の純愛に…。その世界に惹かれるものは感じないが田中絹代と高田浩吉はタイプキャストとしてこれ以上の適役は無いと言っていい位のはまり方。三味線と琴に乗せた編集はダイナ…

鬼が来た!

★★★ 2002年5月15日(水) シネヌーヴォ 右か左かを明確にする必要はないが、こうも未整理に成り行き任せの丸投げを見せられても感銘を呼べないと思う。初期設定の帳尻を合わせられず混沌に逃げたような感じ。ラストはポランスキーが既にやっている。(cinemasca…

大阪極道戦争 しのいだれ

★★★★ 2002年6月4(火) ホクテンザ1 『ナニワ金融道』的経済ヤクザのコンゲームは今となっては陳腐だが、主役3人の生き方は正味真っ正直で迷いが無く気持ちいい。特に仁藤優子が素晴らしく役所との絡みでは長廻しに耐え多面的な女心の表出を演じ切って出色。…

黄金の七人

★★★★ 1994年9月25日(日) 扇町ミュージアムスクエア 安全な高所から美女を侍らせ高見の見物で指令を送る教授。人生こうあらねばと少年時代に思ったか思わなかったか知らんが、そうなってないのは事実。メカニカルな装置美術とポップな色調の撮影と過剰な音楽…

大阪物語

★★★★★ 2002年7月8日(月) トビタ東映 滅び行く親の世代と脱皮しながら育ち行く子の世代の対比は在り来たりかも知れぬが驚くべきバランス感覚の良さで、どちらの描写も全く過不足無い。日常に芸人が介在する浪花の世界に組み込まれた親子が全くあざとくないの…

男はつらいよ 知床慕情

★★★★ 1993年1月31日(日) 日劇会館 当書きされたと思しき三船が有りそうで実は映画で余り見ない日本親父のスタンダードを体現して絶妙。そう来れば寅が後景に退くのも戦略的にも納得できるが、常連竹下のマドンナ起用が奥ゆかしく後景感を払拭しているのも良…

男はつらいよ 寅次郎純情詩集

★★★ 1993年1月31日(日) 日劇会館 京マチ子という超弩級のマドンナを迎えたにしては余りにミスマッチだし食い足りない展開。同系若尾文子も使いこなせなかった山田の弱点が露呈。檀ふみで茶を濁さざる得ない序盤が無駄で虚しい。(cinemascape) kenironkun.hat…

男はつらいよ 寅次郎の青春

★★★ 1993年2月28日(日) トビタ東映 無駄に回数を重ねたゴクミシリーズも方向性を決めかねルーティーン展開に収束。相変わらずの寅の逃げ腰も最早笑う気も起きず斜陽感が横溢する。それにしても永瀬の早朝の船出シーンの傑出した情感。こういうのがあるからこ…

男はつらいよ 寅次郎と殿様

★★★ 2002年10月4日(木) トビタ東映 毎度お決まりの寅の片恋話でもたなくなった果てのアラカン登用としてものり平の絶妙のサポートも冴えてシリーズ中屈指の至芸を見せる爺コンビ誕生と相成った。寅の拗ね様も心地よい論理性を維持している。(cinemascape) ke…

おこげ

★★★ 1993年3月14日(日) 天六ユウラク座 おこげというポジションが不可避の選択なのか止むを得ずなのかを明確にしない限り主人公の清水には誰も肩入れ出来ぬだろう。それでも水準作と思えるのは男同士でハードに乳繰り合う2人の役者が不憫でありつつ気持ち悪…

お気にめすまま

★★★★ 1993年3月14日(日) ホクテンザ1 ニコルソンの尖ったキャリアの中で異彩を放つ弛緩コメディ。くだらない脚本だけに盟友ラファエルソンが監督でなければ出なかったであろうと思われる。そういう意味でプレミア級のレアムービーかもしれない。しかもバー…

男はつらいよ 寅次郎夢枕

★★★★ 1993年5月5日(水) 日劇会館 マドンナに言い寄られて寅が逃げるパターンの初作だが、このパターンの方が切ない。橋の上での煮え切らなく遣りきれない会話が明晰なストーリーを要求する観客の思惑とは逆説的に山田洋次の真骨頂を表出してしまう。『口笛』…

続・男はつらいよ

★★★ 1993年5月5日(水) 日劇会館 シリーズ中でも水準高く、ふられシーンも痛切なのだが、江戸っ子の寅のお袋に浪花言葉の蝶々ってのが違和感を禁じ得ない。夢想の世界の寅さんに現実のシビアさを割り込ませる山田流はテイストの範囲でよく、これは本質に関与…

男はつらいよ 柴又より愛をこめて

★★★ 1993年6月6日(日) トビタ東映 低迷期には何をやっても上手くいかないという悲哀感を自虐にまで転化し得たら新たな地平が開けたかもしれないのだが、栗原小巻では何を付加し得ようもない。あけみこと美保純ちゃんをこそ最前線に駆り出すべきであった。(ci…

男はつらいよ 寅次郎恋歌

★★★ 2003年2月4日(火) トビタ東映 池内淳子を口説く寅の台詞はシリーズ中出色の心情の吐露で、そうとしか言えない寅の身上に泣ける…が、結局逃げちまうので見る者は心のやり場に困る。同一ネタを4回に渡り繰り返し4回目で本物に転化させる脚本の巧みさ、森…

男はつらいよ 寅次郎サラダ記念日

★★★ 2003年8月21日(木) トビタ東映 いくら流行とは言え寅次郎とマドンナのジョイントとしては俵万智は機能すべくもなく「やむを得ず 大学の講義で バカ話」するのが最大の見せ場とあっては三田佳子が気の毒にさえ思えてきた。多少はしんみりするのが救い。(c…

オーソン・ウェルズの オセロ

★★★★ 1993年12月12日(日) 京都朝日シネマ2 カメラマンの交替を余儀なくされ間断しながら4年に渡った撮影と挙句に短縮カットされ喪失されたフィルムの怨念が歪な画面から滲み出ているようだ。統一感を欠いたしっくり来ない出来なのだが、随所て突出する多く…

男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎

★★★★★ 1992年8月2日(日) 日劇会館 畸形要因を廃したシリーズのベーシックエッセンスの純粋形態。竹下景子という無色リアクター相手に渥美の芸も肩力が抜け伸びやか。それでも山田演出が搾り出した駅シークェンスでの2人の別離。そのつましやかな想いの錯綜…

男はつらいよ 寅次郎の休日

★★★ 1992年8月9日(日) 日劇会館 寅どころか満男さえも脇役に甘んじるゴクミシリーズ2作目にして彼女1本かぶりのお話なのだが、それが又何ともありきたりのファザコン内容で、狼狽するだけの唐変木満男に鬱憤が蓄積し寅は寅で夏木マリから歯牙にもかけられ…

男はつらいよ ぼくの伯父さん

★★★ 1992年8月2日(日) 日劇会館 ここまで寅の恋の一線からの撤退を明快に呈示しちまって、代替が半端な満男の恋シリーズってんじゃ山田洋二も誠実味を欠くってもんだ。出演者皆歳喰って侘びしさだけが募るってのにはんちく野郎の半端な行動が輪をかけるって…

男はつらいよ 寅次郎恋やつれ

★★ 1992年8月15日(土) 日劇会館 冒頭のエピソードでいきなりメルトダウンさせられ、鬱屈した感情は宮口偏屈親爺の登場により更なる暗黒へと誘われる。神聖小百合イズムを貫徹する為の物語は寅や寅屋の人々と真の感情交錯を産むべくもなく上っ面を流すだけだ…

男はつらいよ 寅次郎の告白

★★★ 1992年8月15日(土) 日劇会館 嘗て描かれたわけでもない何かを十全すぎるほどに観る者に納得させてしまう作劇の妙と、吉田日出子と渥美の掛け合い。彼女こそが、もしかしたらリーズ最高のマドンナに成り得たかもしれない…とまで思わされるダルな満男の恋…

男はつらいよ 寅次郎真実一路

★★ 1992年8月15日(土) 日劇会館 浮世離れた世界の住人だから成立する物語も、証券会社の会議室でバナナのお土産ってんじゃ浮世離れし過ぎで痛々しい。サラリーマンについての山田流一考察だとすれば現実世界との認識のギャップに反吐でも出そうだ。甘っちょ…