男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【おあ~おの】

男はつらいよ 寅次郎の休日

★★★ 1992年8月9日(日) 日劇会館 寅どころか満男さえも脇役に甘んじるゴクミシリーズ2作目にして彼女1本かぶりのお話なのだが、それが又何ともありきたりのファザコン内容で、狼狽するだけの唐変木満男に鬱憤が蓄積し寅は寅で夏木マリから歯牙にもかけられ…

男はつらいよ ぼくの伯父さん

★★★ 1992年8月2日(日) 日劇会館 ここまで寅の恋の一線からの撤退を明快に呈示しちまって、代替が半端な満男の恋シリーズってんじゃ山田洋二も誠実味を欠くってもんだ。出演者皆歳喰って侘びしさだけが募るってのにはんちく野郎の半端な行動が輪をかけるって…

男はつらいよ 寅次郎恋やつれ

★★ 1992年8月15日(土) 日劇会館 冒頭のエピソードでいきなりメルトダウンさせられ、鬱屈した感情は宮口偏屈親爺の登場により更なる暗黒へと誘われる。神聖小百合イズムを貫徹する為の物語は寅や寅屋の人々と真の感情交錯を産むべくもなく上っ面を流すだけだ…

男はつらいよ 寅次郎の告白

★★★ 1992年8月15日(土) 日劇会館 嘗て描かれたわけでもない何かを十全すぎるほどに観る者に納得させてしまう作劇の妙と、吉田日出子と渥美の掛け合い。彼女こそが、もしかしたらリーズ最高のマドンナに成り得たかもしれない…とまで思わされるダルな満男の恋…

男はつらいよ 寅次郎真実一路

★★ 1992年8月15日(土) 日劇会館 浮世離れた世界の住人だから成立する物語も、証券会社の会議室でバナナのお土産ってんじゃ浮世離れし過ぎで痛々しい。サラリーマンについての山田流一考察だとすれば現実世界との認識のギャップに反吐でも出そうだ。甘っちょ…

オアシス

★★★★★ 2005年2月25日(金) リサイタルホール この世には圧倒的に美しいものと小汚いものがある。越境を恐れ同一地平でたゆたう者は美しいものの価値に永久に気付くことはない。そして、それに気付けば、決して適わぬ想いも「心の温もり」が適えてくれるかも知…

男はつらいよ 寅次郎忘れな草

★★★ 1992年8月16日(日) トビタ東映 当て書きされたらしいリリーって役は浅丘ルリ子あってのものって事をつくづく感じるのも事実だが、お嬢さんの蓮っ葉芸的な無理感がなくもない。夜汽車の窓から見える遠い家の灯りに寄る辺ない1人旅の孤独が際だつ。その連…

男はつらいよ 寅次郎物語

★★★★ 2005年3月18日(金) トビタ東映 疑似家族形成の過程が性急で少し嘘臭いが、子供の親探しとマドンナとの絡みが巧みに配置された展開が極めてバランス良い。刺身の端に甘んじた秋吉ではあるが正面から寅に迫る女っぷりには山葵が利いている。受けた渥美も…

オーシャンと十一人の仲間

★★★ 1992年8月25日(火) シネマアルゴ梅田 シナトラ一家というものに対してのバックボーンな予備知識が無い分楽しめないのだろう。犯罪のトリッキーには殆ど依存していない。従ってラストのシークェンスの傑出に比して他は凡庸。シャーリーファンとしてはカメ…

男はつらいよ 純情篇

★★★ 1992年9月5日(土) サンポードアップルシアター どうにも山田がマドンナを持て余しおっかなびっくりな生半可さで、寅の想いは発露さえ儘成らぬ体たらく。代わりの博の独立騒動とかも又楽しいが、添え物扱いの若尾がやはり気の毒。序盤の宮本と森繁のサイ…

男はつらいよ 望郷篇

★★★★ 1992年8月29日(土) サンポードアップルシアター 渡世人稼業の哀感を描く前段と、後半の東京でのルーティーン失恋譚が各々しっくり調和して完成度と言うならシリーズ中1・2を争うのであろうが、大きな破綻もなく完成され過ぎてる一方突出したものもな…

喜劇 “夫”賣ります!!

★★★★ 2021年11月22日(月) 新世界東映 女の方からグイグイ来られる。モテない男の願望かもしれませんが、こういうのに俺は弱いんです。もちろん、来る相手にもよるんですが、今回それは佐久間良子ですから。ちなみに俺は彼女のことを、今でもよく特集上映さ…

鬼の棲む館

★★★ 2007年1月20日(土) 日劇会館 骨格は単純で良いにしても、淫猥と高潔の対決は余りに何の捻りもなく、しかも、新珠は吹き替えヌードで興を削ぎ佐藤は腹に一物有り気で胡散臭い。高峰をもっと掘り下げれば違う目もあったかと思う。宮川カメラは唯一パンが…

ONODA 一万夜を越えて

★★★★ 2021年10月21日(木) TOHOシネマズ梅田6 小野田さんがルバング島から帰還したのは戦後30年近くを経た1974年。俺が小学生の時だったが、その2年前にグァムから帰還した横井さんに比べて印象が薄かった覚えがある。メディアにも頻出した横井…

オー!スジョン

★★★★★ 2021年9月20日(月) シネヌーヴォ 反復のエクリチュール。 同じ物語を見方を変えて2度繰り返す。ホン・サンス近年の「正しい日 間違えた日」でも使われた叙法である。 男から見たものの見方と女から見たそれは違う。男は簡単には楽観的になれないし…

お熱いのがお好き

★★★★ 1991年5月27日(月) シネマアルゴ梅田 巧緻なパロディを織り交ぜた高品質な喜劇映画とは納得するが、キワどい題材だけに「高品質」であることが物足りなくもある。ラストも破壊的とまではいかない。ただ、何と言ってもモンロー!彼女のオーラだけはエタ…

オーシャンズ13

★★★ 2008年1月5日(土) 新世界国際劇場 「俺達ナイスバッドガイだぜ!」オーラがフルスロットルで結構なのだが薄味でおっついてない。冒頭のブラピ登板の空港のポップな仰角ショットにこそ期待したが結局平板に終始。情に流されてんじゃないぜ!安住するな…

オスカー

★★★ 1991年9月15日(日) 新世界国際劇場 クリエイティブたることを放棄し回顧趣味職人と化したランディス掌中の緩いながら古き良きコメディの世界がスタローンで泥臭く鈍重になった。それが残念でもあるが又、好きなところでもある。このような失敗を繰り返せ…

おこんじょうるり

★★★ 2021年8月15日(日) シネヌーヴォX まっことおこんばあちゃんのためにいっしょうけんめいでかわいいのー。 とまあ、そんな程度の感想しか思い浮かびません。 かわいいといえばかわいいが、そうでもないともいえる人形が、画面占有率5割くらいでどっか…

おいしい結婚

★★★ 1991年10月6日(日) ホクテンザ1 毒にも薬にもならない平穏世界のロマンティックコメディを豪奢な意匠で飾り立てるところに森田流スノビズムを感じ鼻につくが、にもかかわらず、前田米造のキャメラを始め美術に至るまで当時の日本映画最高ランクの仕事は…

狼たちの絆

★★★ 1991年10月13日(日) 新世界国際劇場 中途半端なコメディ色が邪魔な一方、ユンファは又もやの独り善がりな気障演技に浸って何ともチグハグだ。アクションも手緩い。それより、百恵の「さよならの向こう側」。嘗て数多の女達が唄っては嫁いで行った曲にひ…

王妃の紋章

★★★ 2008年4月24日(木) 梅田ピカデリー4 過剰な装置と原色の氾濫の中で男と女と親と子が繰り広げる骨肉の相克がイーモウの極北かと思わせる前半は傑作だが、後半、狂気にまで至る越境ぶりも劇画チックな殺陣に埋没し廉価な茶番に堕す。惜しいとしか言えな…

★★★★ 2021年8月15日(日) シネヌーヴォX 8分の短篇だからこそ狭雑物ゼロで禍々しさが強烈だ。 実の息子を喰らおうとするまで堕ちる暗黒鬼道の深淵が一切の説明もなく提示される。 憐れみや同情や言い訳などない堕ちた者は朽ちるべしのハードボイルド。 蒔…

丘を越えて

★★★ 2008年5月20日(火) 梅田ブルク7シアター1 コンプレックスに苛まれながらも一応は生き様を貫徹する西田・西島の男勢に比して千鶴ちゃんは一貫してないのだが、可愛いから許せてしまうのが困ったもんだ。デジタルのチープな画質も厚い役者陣(余・嶋田…

鬼輪番

★★★ 2008年5月24日(土) トビタ東映 ヤケに扇情的な出だしがB級度満開の期待を煽るが、その後平易且つ淡泊に物語はサクサクすすみつまらない…と思いきや火山口シークェンスの妙に執拗なまでの間延び感が無意味で魅せる。カタルシスの欠片もないのが寧ろ潔…

男はつらいよ

★★★ 1982年5月21日(金) 豊中松竹 破壊的で荒ぶれる寅だからこそ失恋の痛みが本当に痛切。終盤の駅の安食堂での別れに滲み出る兄妹愛がそくそくと心に染み透る。同時代で見ていたら、もっと高い点にしたと思う。(cinemascape) kenironkun.hatenablog.com

男はつらいよ 私の寅さん

★★★ 1990年4月7日(土) 日劇シネマ 岸恵子にお芸術家を振った段階で山田洋次は2度負けている。ステレオタイプな馴れ合いのキャスティングであることと、寅と織りなすドラマが端から透けている点でだ。何となくふられるんじゃなくて、はっきりと拒否されると…

沖縄やくざ戦争

★★★ 1990年4月15日(日) 日劇会館 『広島死闘篇』の大友勝利をバージョンアップしたが如き千葉真一のこのテンションだけでも一応は見る価値はあるだろう。しかし、他に何がどうということもない。沖縄返還に際しての悲喜交々の本土に対するアンチテーゼをこそ…

狼 男たちの挽歌・最終章

★★★★ 1990年7月22日(日) みなみ会館 敵対する殺し屋と刑事がメルヴィル的フィルムノワールならば、殺し屋と歌手の絡みは日活アクション的ムード歌謡。隔絶された世界で一貫して浸り切った過剰とも言える情緒が一歩間違えればギャグになる寸前で縦軸と横軸を…

男たちの挽歌 Ⅱ

★★★ 1990年7月22日(日) みなみ会館 ジョン・ウーは、どうも撃ちまくり破壊しまくる銃撃戦だけを撮りたかったようで、結果、堪えに堪え忍んで最後にブチ切れるという任侠世界が後方に追いやられ、何故か獲得したのが80年代アメリカ映画の1系譜たるベトナム…