男の痰壺

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オオカミの家

★★★★ 2023年9月16日(土) シネリーブル梅田3

作者たちが今作品を作るにあたって決めた10のルールってのがあったらしく、その中で

・全てのものは「彫刻」として変化し得る
・この映画はひとつの長回しで撮られる
・カメラはコマとコマの間で決して止まることはない
の3つがフォルムを決定していると思います。

 

常に変容を続ける被写体と背景に合わせて、微妙に或いは大胆にカメラアングルも変化し続ける。その途切れないメタモルフォーゼの連鎖は恐怖と悲しみに彩られている。少女マリアの静謐なモノローグが悲劇性を増幅させる。

 

決して止まることがない長回しは、見るものに思考する間を与えない。変容のバリエーションが3次元と2次元を往還し境界が融解する斬新に目を奪われてる間に物語はどんどん進んでいく。

 

希望やユーモアや美しさを差し挟む余地などない。だって、そこには絶望と哀しみと醜さしかなかったのだから。そういう世界があるのだという事を知らねばならないと思います。

 

変容し続ける被写体と背景に合わせ微妙に大胆にカメラアングルも変化し3次元と2次元の境界が融解するその連鎖は恐怖と悲しみに彩られ静謐なモノローグが悲劇性を増幅させる。希望やユーモアを差し挟む余地などない。そこには絶望と哀しみしかないのだから。(cinemascape)

 

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