男の痰壺

映画の感想中心です

2022-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ピンポン

★★★★ 2003年1月21日(火) サンケイホール 「卓球」と「CG」と「窪塚」…食指のわかない3題話みたいだし、王道的スポ根ものを逸脱するものでもない。しかし、「スマイル」と「アクマ」という脇キャラの造形が頭抜けて良く、ありがちな天才と凡人の構図を多重…

レザボア・ドッグス

★★★★★ 1993年6月9日(水) 京都朝日シネマ2 以降に後続する同種映画を一斉に「陽気と狂気」の多重人格のプロトタイプに画一化してしまった恐るべきキャラの立たせ方こそ完璧にオリジナル。だが、それは一方でカイテルやロスに反映された反オタクで健全な狭義…

無法松の一生

★★★★ 2003年2月4日(火) トビタ東映 日本映画黄金期の贅を尽くしたセット美術の奥行きの深さを堪能。ミディアムショットはマキノを彷彿とさせる安定感があり、多くのシンボリックなショットに加藤泰を想う。お話は勿論良い。尚阪妻版は未見。(cinemascape) ke…

ロバート・ロッセン Robert Rossen

生年:1908/03/16没年:1966/02/18 kenironkun.hatenablog.com

テイラー・ハックフォード Taylor Hackford

生年:1945/12/31 kenironkun.hatenablog.com

ナイトメア・アリー

★★★★ 2022年4月13日(水) 梅田ブルク7シアター6 1947年「悪魔の往く町」なる映画のリメイクだそうだが未公開作品だし当然見てもおりません。だが、原作が持っているんだろう堅牢なストーリーテリングの果てに結末できれいに落ちるところに落とされる…

仁義の墓場

★★★ 1993年6月6日(日) トビタ東映 倫理道にもとるヤクザ道からさえ更なる逸脱の果てのアナーキズムを描くに深作の話法は規定化された己の実録路線から1歩も逸脱しない。ディープ大阪でのヘロイン地獄にザラついた高感度フィルムと芹の投入が更にわざとらし…

肉体の悪魔

★★★ 2003年1月11日(土) シネリーブル梅田2 不実の後ろめたさが時代背景への逆行性を加算して加速される作劇は魅せるものがある。『愛のコリーダ』まで連なる恋愛地獄ものの原点なのだろう。大戦裏話として『哀愁』と表裏の位置づけとも感じる古典。ただ、演…

ハイヒール

★★ 1993年6月9日(水) 京都朝日シネマ1 「母」或いは「母性」と言うものに対する思いのたけのベクトルが理屈では解かってもアルモドヴァル流に捏ねくり回されて提示されたとき、どうも俺にはピンと来ない。アブリル他出演者全て覇気無く燻っている印象。(cin…

アダム・シャンクマン Adam Shankman

生年:1964/11/27 kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com

豊島圭介 Keisuke Toyoshima

生年:1971/11/13 kenironkun.hatenablog.com

ギャング・オブ・ニューヨーク

★★★ 2003年1月10日(金) 梅田ブルク7シアター7 「復讐」も「恋」もラスト30分で済し崩しに歴史の荒波に飲まれてしまうのなら、2時間半に渡って語られた物語は何だったのかと思う。論理的に構成された物語の快感は無いが、圧倒的なデイ=ルイスをはじめ見…

クレージー メキシコ大作戦

★★★★ 1993年6月13日(日) 日劇シネマ 言わば末期の爛熟が一番美味いかもと思わせる2時間40分。お祭り大作らしいテンコ盛でギュウ詰めな長尺は素直に嬉しく楽しい満腹感。バタ臭い如何にも東宝映画らしい味わいだし女優陣も皆いい。ロケ効果や劇中歌謡ショ…

沓掛時次郎 遊俠一匹

★★★ 2003年2月4日(火) 日劇会館 筋を通した生き方が出来れば、何事にも後ろめたさは持たなくていい。解ってくれる人は必ず居る。しかし、通す筋がお互い相容れなくば地獄行き。侠道の天国と地獄をロジカルに構築した素晴らしい脚本。ただ、加藤泰の様式演出…

アンジェイ・ムンク Andrzej Munk

生年:1921/10/16没年:1961/09/15 kenironkun.hatenablog.com

フランキー・チェン Frankie Chan

生年:1951/11/30 kenironkun.hatenablog.com

果てなき船路

★★★ 2022年4月24日(日) プラネットプラスワン ジョン・フォードの作品だが、先般見た「逃亡者」でも感じた救われない閉塞感を本作でも感じた。てことは、こういう行き詰まりの救われなさに作家魂をフォーカスする志向はフォードの例外的な一面ではないんだ…

薄桜記

★★ 1993年6月20日(日) サンポードアップルシアター 正直、何がどうなろうとどうでもしろとしか思えない展開で一片の感情移入をも出来かねる。それが、リアリズムの対極としての様式美ではなく大量生産のルーティーン似非美学に乗せて呈示され堪らん。この白…

アレックス

★★★★★ 2003年2月10日(月) 梅田ブルク7シアター7 地獄絵図から遡行する閉じた時間軸がいつぞや折り返し、恒久の平安に至って開放される手法にアイデアではなく必然を感じた。圧倒的な筆力で語られる「劇」なる愛と怒りは表裏の関係であることを自問自答させ…

続・新悪名

★★★ 1993年6月13日(日) 日劇シネマ いいかげんなタイトルが甚だしく興を削ぐし、最早シリーズの根幹を左右する事件も起きる訳でもない。だが、シリーズ主幹田中徳三の再登板もあり安定的な円みと弾力が全篇を支配。スタッフもキャストも4作目ともなると最も…

グザヴィエ・ドラン Xavier Dolan

生年:1989/03/20 kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com

カルレス・トレンス Carles Torrens

生年:1984// kenironkun.hatenablog.com

コーダ あいのうた

★★★ 2022年4月11日(月) 大阪ステーションシティシネマ7 オリジナルのフランス映画「エール!」未見です。それにしても「ウエスト・サイド」にせよ本作にせよリメイク作品が賞争いをするアカデミー賞の薄味さ。アメリカ映画の層としての絶対的な痩せ細りを…

アカルイミライ

★★★★ 2003年2月15日(土) シネリーブル梅田1 暗喩としての「友人」や「クラゲ」は生硬と感じるが突然視野が開けて世界観が変わるのは解る気がする。前世代の屍を足掛かりに閉塞から殻を破って飛び立つ主人公は、やがて次なる世代に乗り越えられるだろう。そ…

陽氣な渡り鳥

★★★ 1993年6月20日(日) サンポードアップルシアター 物語は在り来たりではあるが、TV勃興以前のスターというものが如何に丁寧に数多の職人達の手で作り出されたかを偲ばせる。天性のタレントもあるにせよ、未だ少女のひばりが垣間見せるオーラに感銘するの…

続 荒野の用心棒

★★★ 2003年2月4日(火) トビタシネマ ハイキーで空を飛ばした泥濘のゴーストタウンが強烈で、そこを棺桶引きずって歩く主人公の造形が鮮烈だが、どうにもポリシー無さそうなキャラで損してる。メキシコ、南軍両敵方首領のキャラ良く、ラストのタメと決めが調…

アン・ホイ Ann Hui

生年:1947/05/23 kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com

エリオット・レスター Elliott Lester

生年:/// kenironkun.hatenablog.com

十九歳の地図

★★★★ 2022年4月25日(月) シネヌーヴォ 俺が大学に入学した年の映画で、当時、大学の映研内では皆見てたと思うが、俺は見逃していた。理由は特になく単にタイミングが合わなかったんだと思う。 なんでそんなこと書いたかと言えば、19歳の自分を取り巻く世…

ソナチネ

★★★★★ 1993年6月17日(木) 梅田ピカデリー3 ルイ・マル『鬼火』と並べてもいい「死にたい男」の厭世観が蔓延するキタノ・ブルー代表作。死に場所を探すでもなく唯待ち続ける倦怠感が沖縄の海と空の空虚さに助長される遣り切れなさを精緻に描いて奇跡的な達成…