男の痰壺

映画の感想中心です

2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧

星の子

★★★★ 2020年10月25日(日) MOVIXあまがさき2 多分そうなんだと思いつつ、でもできるだけ目を背けて生きてきた。回りの友だちとかも、なんとなく知ってるけど、あまりそのこと話題にしないようにしてくれてた。 そんな彼女が、生まれて初めて剥き出し…

おもひでのしずく (2011年4月8日 (金))

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。 被災地から遠く離れて 3月11日の昼3時前。事務所の椅子でゆらりと世界がねじれる感覚を意識したが2日酔いで天井が回る感覚に近かった。「地震?」事務員が俺を見て、気持ち悪げに胸をさすった。…

犬の首輪とコロッケと

★★★★ 2012年2月13日(月) 梅田ブルク7シアター5 犬畜生扱いされる在日のアイデンティティはシャレで躱して、ひたすらに「喧嘩」→「彼女」→「漫才」という目の前にある日常の最重要項目に対峙し脇目を振らない前向き姿勢に打たれる。3番煎じな題材だが地…

レイダース 失われたアーク〈聖櫃〉

★★★★ 1982年1月7日(木) 北野劇場 冒頭アマゾン密林で見せるインディの鞭捌きのシャープネスがキャラ確立した時点で映画は勝利した。張ボテ岩石はじめ廉価装置は矢継ぎ早戦法で粉飾される。エログロや時代のロマンティシズムや深遠な懊悩に背を向け一気に駆け…

シカゴ7裁判

★★★ 2020年10月24日(土) テアトル梅田2 市民運動団体のリーダーであるジョン・キャロル・リンチが裁判所の余りの横暴に激昂して官吏をぶん殴って拘束される。非暴力を家族に誓ってデモに参加した彼は傍聴席にいる妻と幼い息子に哀しげな視線を送って退廷…

おもひでのしずく (2011年2月25日 (金))

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。 ドッペルゲンガー ここ数日、風邪ひいたみたいで、若干もうろうとしており、そんなときに現し身が異界へと誘われるのだろうか。さまざまな想念が俺をとらえるのだ。 先日、ちょっと頼みごとがあって1…

ザ・ウォード 監禁病棟

★★★ 2012年1月21日(土) 新世界国際劇場 題材といい観客を置いてけぼりにする短兵急な展開といい80年代に量産されたイタリアンC級ホラーを髣髴とさせる。真摯に撮ってそうなるナイス爺さんカーペンターの真骨頂は夢幻に揺蕩うかの如きダンスシーン。ただ…

アパッチ砦 ブロンクス

★★ 1982年1月16日(土) 新世界国際 街「ブロンクス」が一方の主役と言うコンセプトなら、あくまで淡々とドキュメンタルにアプローチすべきでニューマンは不要だし、造形を凝らしてギミックの1つもというなら芸がない。何れにしても厳しさが無い。(cinemascap…

三人の妻への手紙

★★★★ 2020年10月24日(土) プラネットスタジオプラス1 全篇にわたり、不在の女性“アディ・ロス”の名前が亡霊のように映画を支配する。人の口端にその名がのぼるたびに語感の良さもあって観客の脳裏に刻印される。「第三の男」のハリー・ライムや「ユージュ…

おもひでのしずく (2011年2月19日 (土))

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。 不気味な革命 何十年も続いた体制は年月を経るに腐っていくのが世の常なのだから、どっかで崩壊してしかるべきだとは思う。多くの人がベルリンの壁やレーニン像が破壊されなぎ倒される映像に対して感…

サウダーヂ

★★★★ 2012年2月13日(月) シネヌーヴォ 閉塞感が絶望や破滅みたいな高度成長やバブルの合せ鏡ではなく、ここから始める者の視点で認知されている。そのマスなカオスを描く筆力に唸りつつ、マグマがプチ噴火に終わるのが矢張りもどかしい。「鉱水」や「ライ…

男はつらいよ 寅次郎紙風船

★★★ 1982年1月17日(日) 伊丹ローズ劇場 「男」から「父」への変遷の端境期に登場した『寅次郎頑張れ!』と似たマドンナ2枚看板で音無も岸本も良いだけに、どっちつかずに分散した構造が惜しい。シリーズ中興の80年代作中出来の良い部類だと思う。(cinemas…

ストレイ・ドッグ

★★★★ 2020年10月24日(土) 大阪ステーションシティシネマ11 ズタボロになって、人生の終焉を覚悟した主人公が思いの丈を遂げる。 男の主人公であれば、この設定は珍しくないのだが、ニコール・キッドマンが演ったところがミソで、そのあまりのズタボロさ…

おもひでのしずく (2011年2月13日 (日))

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。 2・13 自分史 無意識 ↓ 興奮と期待 ↓ 羨望と期待 ↓ 羨望と諦観 ↓ 諦観と失意 ↓ 失意と怨嗟 ↓ 失意と自虐 ↓ 失意と諦観 ↓ 無関心 毎年、2月13日の晩の俺の内面史。上記はその50年にわたる変遷…

J・エドガー

★★ 2012年2月13日(月) 大阪ステーションシティシネマ6 今更、チビでデブでハゲでマザコンでゲイだからといって何だと言うのか。申し訳ないが10年古い。語るべきはアメリカ近代史への言及であり、そこへの歴史的関与のダイナミズムで、垂れ流し的な点描…

汚れなき悪戯

★★★★ 1982年1月23日(土) SABホール なかなか心底からは信じ切れない映画内の「無垢」というものが信じれるような気がするのは、作り手たちの信仰に偽りが無さそうだから。そして、無垢と表裏の何かが現れたかのような終盤部の映像表現は真に衝撃的。パブ…

スパイの妻 劇場版

★★★ 2020年10月20日(火) MOVIXあまがさき7 「スパイの妻」とタイトルにうたっている。 その通り、これは妻である彼女の心理の変転劇なのだろうが、そこに納得性があるか、言い換えるなら観客を納得させ得るかが肝のはず。 で、やっぱダメやんと思っ…

おもひでのしずく (2011年2月4日 (金))

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。 開花 ~めくるめく想念3~ 今更アジアカップの話をしたってしかたないのだが、90年代のJリーグ発足以降、ほとんど熱心な観客でなかった俺の目にも今回の日本代表が史上最高のチームなのはわかるの…

グリーン・ランタン

★★★ 2012年1月7日(土) トビタシネマ 嘗ての『フラッシュ・ゴードン』ほどではないが、脳筋肉な天然バカヒーローなのが清清しい。そして、トホホで単細胞な世界観なのに躊躇なく堅実なプロ仕事を見せるマーティン・キャンベル以下の製作陣も好ましい。ただ…

恐るべき訪問者

★★★★ 1982年1月25日(日) 伊丹ローズ劇場 完全にキワもの的題材なのだが、英国版の地味オールスターとでも言うべき出演者達が所を得た芝居を堪能させ顔ぶれを見てるだけでも飽きない。ギルバート・テイラーのカメラもエッジの効いたシャープネスで全篇を統一…

鬼ガール!!

★★★★★ 2020年10月20日(火) MOVIXあまがさき2 高校生の自主映画製作の話を縦軸に、鬼である女子高生の青春の悶々が横軸として絡む。いうなれば真面にとりあうのもバカバカしい話ってことなのだが。 河内長野のご当地ムービーってことで、まあ言うなれ…

おもひでのしずく (2011年1月21日 (金))

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。 タブー かっこいいことを口先三寸で言うしか能がない人々が代表だという。都心部で日和見な聴衆を前に街宣車上からマイクロフォンの拡張音波に乗せて唾液まじりの空論をぶつ。そんな声はど田舎の爺婆…

ものすごくうるさくて、ありえないほど近い

★★ 2012年2月25日(土) 大阪ステーションシティシネマ10 少年の母への過剰な反撥へ共感も無く、一転しての心の融解は余りに形骸的。全篇を占める心の触れ合い旅路はトリッキーな設定だが心揺さぶるほどの挿話は遂には見当たらない。こんな勘違いガキに付…

愛と哀しみのボレロ

★★★ 1982年1月16日(土) 新世界国際 全く連関の無い並立的な4つの挿話を強引にクライマックスに収斂しようとするのが粋とも思えず強引の印象になったのは、ノンジャンルに音楽界ビッグネームを並べ立て伝記然とした括りをつけたが為だろう。闇雲なパワーは認…

老いらくの元気です! 宮崎美子賛

「さあ、いってみよか」 「もう、ほんとにやるんですか」 「この後におよんて何言っとるんじゃ、美子」 「でも」 「今の君は、テカテカに光って〜ってか」 「やだ、テカってます?」 「思いだせ、あのときの君ははちきれんばかりにピッカピカじゃった」 「そ…

おもひでのしずく (2011年1月8日 (土))

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。 めくるめく想念2 もう何十年もテレビドラマなぞ見たことのない俺なのだが、今回だけは何がなんでも満を持してと臨んだ金曜日なのであったが、で何かというと景子ちゃん主演の「LADY」なのでござ…

キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー

★★ 2012年1月7日(土) 新世界国際劇場 虚弱ガキのマッチョ信仰が能天気でない分イジイジ感がイヤ増し鬱陶しい。で、マッチョになっても結構冴えないのが輪をかけてシミッたれており、さしたる活躍もせず意気揚々と凱旋されても困る。ドクロ仮面めいた敵キャ…

シェーン

★★★★ 1982年1月29日(金) 毎日文化ホール 少年視線を導入した以上、家庭をめぐるドラマは踏み込めないが、それでも妻の安寧を志向しつつ揺らめく女心は一応サスペンスフル。ワイラー的仰角使いが突出した幾つかのシーンを際立たせ、カラー撮影の鮮やかさと風…

隘路を歩け 同調圧力を跳ね返せ!

最近、同調圧力という言葉をよく目にする。 学術会議の件で、そんなの関係ねーと言った社会学者が轟々の非難に対してその言葉を使っていました。 多分、鴻上尚史と佐藤直樹の対談本が契機になってるんじゃないかと思うのだが、立ち読みして面白くなさそうな…

おもひでのしずく (2010年12月23日 (木))

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。 めくるめく想念 世間は天皇誕生日だとかで天皇に何の関心もない連中まで便乗して休んでやがるのだが、俺はお仕事に勤しまないといけなく、祝日の朝っぱらから大阪は北の兎我野町から太融寺界隈を徘徊…