男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【に】

日本列島

★★★ 2001年7月1日(日) テアトル梅田1 壮大な国際的謀略を孕む前半から後半になるにつれ馬脚が現れどこかスケールダウン。対象が見えぬ怨嗟は虚空に消える。何かと言えば米軍機を象徴的に飛ばせるのも1,2回ならともかくやりすぎで芸もない。日本側情報機…

2046

★★★ 2022年8月24日(水) シネマート心斎橋1 「欲望の翼」「花様年華」と3部作を為すものらしい。トニー・レオンを軸に据えて、「欲望の翼」から同役名でカリーナ・ラウ、「恋する惑星」のミューズ、フェイ・ウォン、新規加入組として中国からチャン・ツィ…

乳泉村の子

★★★ 1994年4月9日(土) 祇園会館 平凡な演出で特記事項も無いが少年時代の回想記というのは大概面白くなるので、これもそういう意味では退屈しない。現在を見せた上での過去の辛酸であり辛酸を嘗めても無事に成長できたという安心感があるからだろう。他の例…

逃げ去る恋

★★★ 2022年7月11日(月) テアトル梅田2 アントワーヌ・ドワネルものの最終章だそうだが、トリュフォー自身は第4作「家庭」で帳尻をつけたつもりだったので、如何にもな蛇足感がある。大して面白くない。 多分、全篇の半分くらいが第1〜4作「大人は判っ…

肉体の悪魔

★★★ 2003年1月11日(土) シネリーブル梅田2 不実の後ろめたさが時代背景への逆行性を加算して加速される作劇は魅せるものがある。『愛のコリーダ』まで連なる恋愛地獄ものの原点なのだろう。大戦裏話として『哀愁』と表裏の位置づけとも感じる古典。ただ、演…

二重スパイ

★★★ 2003年6月9日(月) ホクテンザ1 丁寧に撮られた映画だとは思うが、決定的にサスペンスが足りない。劇的な誇張を良しとしないのなら、中途半端な恋愛感情も抜きにして欲しい。脱北者に対する意外と冷徹な韓国感情はこれが全てではないとは思うが予想外で…

28日後...

★★★★ 2003年10月4日(土) シネリーブル梅田1 怒りを増幅させるという青臭い設定。無人都市描写の為の全篇デジカメによるフォーカスの甘さ。『ゾンビ』丸出しの創造力の無さ。これらを割り引いても後半は世界との隔絶感が増幅され引き込まれた。中段とラスト…

ニック・ナック

★★★ 2004年1月16日(金) 梅田ブルク7シアター2 どんなにもがいても所詮は檻の中からは脱けられないという夢も希望もない現代社会に対するシニカルな洞察が、ラセター初期の作品から中心命題になってることを知ると『トイ・ストーリー』等の仄かな毒にも頷け…

ニューオリンズ・トライアル

★★★ 2004年2月10日(火) ナビオTOHOプレックス7 最初と最後の銃社会へのカウンターメッセージが本篇たるドラマに些少な関与しかしないので、どうにも軽々しい。トイレでのハックマンVSホフマンが圧倒的な演技濃度で見せ場なのだが構造の本流からずれて…

にごりえ

★★ 1992年5月9日(土) 高槻松竹 オムニバスは突出した1話が牽引するかハーモニックなバランスが身上。新派劇みたいな安っぽい情緒と私小説的糞リアリズムが同居し両者は相容れずに分離している。中庸な第2話が弾き出されて浮かぶようでは粋ではない。(cinem…

人間の運命

★★★★ 1992年12月6日(日) 大毎地下劇場 故郷に残した妻子への思いと悔恨は巻き込まれた戦争の変転の中で瞬く間に後方に退くだろう。それを強いる過酷さと切り抜けた果ての圧倒的絶望と再びの希望は生きるってのは正にこういうもんだと思わせる。意外なまでの…

にあんちゃん

★★★★★ 2006年12月9日(土) 日劇会館 少年は自我と親愛の狭間で悩んだりしない。前進あるのみで真摯であり、しかも当たり前の如く情愛も持ち合わせている。こういう自立し行く世代の芽生えは何時の間に摘み取られてしまったのだろうか。後の今村一家総出の脇…

ニュー・シネマ・パラダイス

★★ 1991年3月23日(土) 祇園会館 切除されたフィルム断片の連鎖に何の感興も覚えないし況してや少年時代の追憶へのエモーショナルな哀惜と連結することもない。だだ漏れる過剰なモリコーネ節に無理くり押さえつけられ辟易。何れにせよ俺の思う映画愛とは1万…

肉弾

★★★ 1991年4月14日(日) 高槻セントラル モラトリアムな主人公が戦争を内在化する過程が多分に形骸的で、低予算を逆手に取りシュールを模索する狭間で居所を見出せていない。ブラックジョークに成り切れていない据わり処の悪さ。哀しくも喜八の怨念は骸のよう…

忍者

★★ 2007年4月7日(土) 天六ユウラク座 最初はモラトリアムなテキトー野郎だとしても、物語はその成長を促し何かが内部で激変していく様を抽出すべきで、その為にこそ魔裟斗・白田の我がニッポンカップルをこそ深く掘り下げて欲しかった。大体今更忍者でもな…

憎いあンちくしょう

★★★★ 1991年4月28日(日) トビタ東映 東京から九州までジープをブッ飛ばすことで何かが得られるなんて幻想だとは思うが、そういう幻想は映画の中なら信じてみたい。少なくとも映画内では皆それを信じて真摯そのもので泣かせる。中でも浅丘ルリ子の輝きは神懸…

にっぽん泥棒物語

★★★★ 2007年6月16日(土) 新世界東映 大半がどうってことない世間が時代が悪いのよ的左翼イズムに迎合し、笑いの中でリアルに松川事件を撃つという高度な諧謔趣向も若干褪せるが、正直この伊藤雄之助には参った。このおっさんが出てくるとアドレナリンが全…

二十四の瞳

★★★ 1991年8月18日(日) 毎日文化ホール 全篇に流れまくる童謡唱歌が問答無用に涙腺を刺激する装置と化するので、逆にこの映画が内包するらしきロマンティシズムや反戦イズムは涙に霞んで見えなくなるという完全な戦略ミス。反撥を覚えつつも一種異様とも言え…

ニキータ

★★★★★ 1991年9月23日(月) 新世界国際地下劇場 柔なジュテーム野郎どもが羽振りを効かすお国でシネスコスクリーンに真正面から情緒を断ち切ろうとする女を描いたのに驚いたし正に快打だと思った。目新しくもない設定のなか斬新なリアクションが鶴瓶打たれる。…

28週後…

★★★ 2008年1月30日(水) TOHOシネマズ梅田6 ハードにポリティカルなシュミレートには好感を持つが、ドラマトゥルギーの醸成は蔑ろだ。全てのしがらみが断ち切られる終盤にこそ意味があるのだとしても、やはり「背信」には決着が欲しかった。凝った編集…

虹に向かって

★★★★ 2021年8月15日(日) シネヌーヴォX 敵対する2つの村があって、深い渓谷が互いの行き来を阻んでおりました。双方の村の男の子と女の子が渓谷越しに互いに興味を持ち、興味は好意に、好意は恋心へと。 とまあ「ロミオとジュリエット」みたいなもんです…

日本俠客伝 雷門の決斗

★★★ 2008年8月9日(土) トビタ東映 ロミ山田や村田英雄が軸を回す芸道風味作。知り尽くしたマキノ演出が悪かろう筈も無い。ただ、健さんの居場所の無さが観てる方まで居心地悪くさせる。肝心の見せ場も島田・長門の老若コンビに持ってかれる始末。釈然とし…

日本俠客伝 花と龍

★★★ 1990年3月21日(水) 日劇会館 火野の世界が東映任侠映画の世界と親和するのはさも有りなむだしマキノは手馴れた世界を手馴れた役者で破綻無く演出して全く飽きさせない。長大な原作のダイジェスト版の感は拭えないが想外に東宝招聘の星由里子は純子に対し…

日本のいちばん長い日

★★★★★ 1990年4月7日(土) 日劇シネマ 怒涛の切迫の中、抗戦・終戦の軋轢が苦渋の汗と妄信の怒声と狂気の殺戮を伴い錯綜。喜八ピークの編集テクが俯瞰の視座に結実した映画史的僥倖。局面に埋れた史実に言及する大講談で庶民不在を誹るのは筋が違う。パノラミ…

逃げた女

★★★★ 2021年6月28日(月) シネリーブル梅田2 一定の所与の反復条件を規定した3題噺。 主人公が女友達(先輩)を訪ねる→ 飯を食いながら友達(先輩)の話を聞く→ 近況を聞かれて「5年間亭主と離れたことがない」と答える→ 再び友達(先輩)の話を聞く→ 男…

日本女俠伝 鉄火芸者

★★★ 2009年3月28日(土) トビタ東映 所詮は芸者が侠客の斬った張ったの世界に介入できる術はなく、笠原のロジックも解決の道筋は見出せない。純子は傍観者で脇文太で締めざるを得ない煮え切らなさ。羽織会の締め舞くらいではアドレナリンは滾らないのだ。(c…

226

★ 1989年6月24日(土) 長崎東映シネマⅡ 時として若者の狂熱的思想が国家の道筋を引いてきたのであり、226が革命かファッショな軍事クーデターかは表裏に同一なのだ。でも、この映画はそのへんを何も語れず能面役者の稚拙な学芸会を延々と見せるだけ。ただ…

2012

★★★ 2009年12月6日(水) TOHOシネマズ梅田2 拡大再生された『日本沈没』的終末への絶望的誘いが支配する中でのLA大崩落の細密画の如きビル断面の部屋部屋の精緻は笑劇的なまでの感銘度であった。が、案の定と言うか…。映画はミニマムに家族の物語に…

二十四時間の情事

★★★★ 1987年4月5日(日) SABホール 忌まわしい過去に傷ついた心に突き刺さるヒロシマの街の風景がサッシャ・ヴィエルニのエッジの効いた映像で象徴化される。ここには原爆の意味を問う何ものも実のところ無い。あるのは個人と普遍が時間の流れに解体されて…

ニュームーン トワイライト・サーガ

★★★★★ 2009年12月22日 梅田ピカデリー2 ただひたすらに彼氏のことが好きで、会えなくなった日にゃあ飯も喉通らない…という乙女心のみを描くことを徹頭徹尾貫き類い希なる強度に達している。男2人に割って入り「私の為に戦わないで!」か…。大向こうから掛…