男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【に】

ニューヨークの王様

★★★★ 2023年1月7日(土) シネリーブル梅田2 チャップリンが赤狩りを逃れて欧州に亡命してお尻ペンペンとばかりに最後っ屁をかました作品らしい。今回見直して初めて腑に落ちました。子どもの頃、テレビ放映で見たときは全然面白くなくてちゃんと見てなかっ…

ニクソン

★★ 1996年2月25日(日) テアトル徳山Ⅱ ストーンはニクソンをさほど嫌いでもないのだろう。そういうスタンスで撮られた映画だからどうにも歯切れ悪く骨子無き展開にイラつく。『JFK』とかではグルーヴしてたモザイク編集も証文の出し遅れめいて陳腐化。何よ…

ニルヴァーナ

★★★ 2000年6月10日(土) 天六ユウラク座 丁寧な作りで小賢しさは無いものの目新しさも無い。どっかで見たよなサイバーなテーマと多国籍なイメージばかりでマニアが作ったマニアックムービーだ。ゲームの主人公のおっさんキャラに意外性はあるが、その苦悩なん…

女系家族

★★★★ 2000年8月12日(土) シネヌーヴォ 山崎豊子原作ものとしては、その出演者のコラボレーションや撮影、美術が秀でた点で山本薩夫『白い巨塔』や市川崑『ぼんち』と同格に並べてもいい。加えて、原作と同期した風景1つとっても現在から再現したのでは到底…

女人、四十。

★★★★ 1996年10月5日(土) 徳山市市民館小ホール 老人問題の映画なのだが一方で女性の労働問題が並列の重さで描かれるというのが巧みで救いのないテーマの緩衝剤としてマッチング。亭主を含めた主人公の家族の描写がベタつかず良い。ただ、思うのは、こういう…

日本俠客伝

★★★★★ 2000年12月27日(水) 日劇会館 至福とでも言うべき充実感がある。多数の素晴らしい役者たちがジオラマのように配置されたミディアムショットの安定感にはため息しか出ない。健さんが良いのは当然だが予想外の錦之介のニヒリズムには心底泣いた。(cinema…

影の映画 二頭女

★★★ 2001年1月9日(火) キリンプラザ大阪 寺山の短篇中でも鈴木達夫撮影とJ・A・シーザー音楽が高度に補完し合った世界観が達成されたものだとは思うが、あまりに『田園に死す』的ラストを含め結局のところ自己模倣に捕らわれたものでしかない。コンセプト…

日本の黒い夏 冤罪

★★★ 2001年3月28日(水) 動物園前シネフェスタ4 手堅いが凡庸。高校生の自由研究的迂回した叙述形式が何の意味も無いどころか逃げに見える。そもそもに事件の本質でない冤罪を取り上げたにせよ、そこから本丸に切り込むジャーナリスティックな逸脱の暴走が無…

日本列島

★★★ 2001年7月1日(日) テアトル梅田1 壮大な国際的謀略を孕む前半から後半になるにつれ馬脚が現れどこかスケールダウン。対象が見えぬ怨嗟は虚空に消える。何かと言えば米軍機を象徴的に飛ばせるのも1,2回ならともかくやりすぎで芸もない。日本側情報機…

2046

★★★ 2022年8月24日(水) シネマート心斎橋1 「欲望の翼」「花様年華」と3部作を為すものらしい。トニー・レオンを軸に据えて、「欲望の翼」から同役名でカリーナ・ラウ、「恋する惑星」のミューズ、フェイ・ウォン、新規加入組として中国からチャン・ツィ…

乳泉村の子

★★★ 1994年4月9日(土) 祇園会館 平凡な演出で特記事項も無いが少年時代の回想記というのは大概面白くなるので、これもそういう意味では退屈しない。現在を見せた上での過去の辛酸であり辛酸を嘗めても無事に成長できたという安心感があるからだろう。他の例…

逃げ去る恋

★★★ 2022年7月11日(月) テアトル梅田2 アントワーヌ・ドワネルものの最終章だそうだが、トリュフォー自身は第4作「家庭」で帳尻をつけたつもりだったので、如何にもな蛇足感がある。大して面白くない。 多分、全篇の半分くらいが第1〜4作「大人は判っ…

肉体の悪魔

★★★ 2003年1月11日(土) シネリーブル梅田2 不実の後ろめたさが時代背景への逆行性を加算して加速される作劇は魅せるものがある。『愛のコリーダ』まで連なる恋愛地獄ものの原点なのだろう。大戦裏話として『哀愁』と表裏の位置づけとも感じる古典。ただ、演…

二重スパイ

★★★ 2003年6月9日(月) ホクテンザ1 丁寧に撮られた映画だとは思うが、決定的にサスペンスが足りない。劇的な誇張を良しとしないのなら、中途半端な恋愛感情も抜きにして欲しい。脱北者に対する意外と冷徹な韓国感情はこれが全てではないとは思うが予想外で…

28日後...

★★★★ 2003年10月4日(土) シネリーブル梅田1 怒りを増幅させるという青臭い設定。無人都市描写の為の全篇デジカメによるフォーカスの甘さ。『ゾンビ』丸出しの創造力の無さ。これらを割り引いても後半は世界との隔絶感が増幅され引き込まれた。中段とラスト…

ニック・ナック

★★★ 2004年1月16日(金) 梅田ブルク7シアター2 どんなにもがいても所詮は檻の中からは脱けられないという夢も希望もない現代社会に対するシニカルな洞察が、ラセター初期の作品から中心命題になってることを知ると『トイ・ストーリー』等の仄かな毒にも頷け…

ニューオリンズ・トライアル

★★★ 2004年2月10日(火) ナビオTOHOプレックス7 最初と最後の銃社会へのカウンターメッセージが本篇たるドラマに些少な関与しかしないので、どうにも軽々しい。トイレでのハックマンVSホフマンが圧倒的な演技濃度で見せ場なのだが構造の本流からずれて…

にごりえ

★★ 1992年5月9日(土) 高槻松竹 オムニバスは突出した挿話が牽引するか、或いは挿話間のハーモニックなバランスが身上。新派劇みたいな安っぽい情緒と私小説的糞リアリズムが同居し両者は相容れずに分離してる。中庸な第2話が弾き出されて浮かぶようでは粋で…

人間の運命

★★★★ 1992年12月6日(日) 大毎地下劇場 故郷に残した妻子への思いと悔恨は巻き込まれた戦争の変転の中で瞬く間に後方に退くだろう。それを強いる過酷さと切り抜けた果ての圧倒的絶望と再びの希望は生きるってのは正にこういうもんだと思わせる。意外なまでの…

にあんちゃん

★★★★★ 2006年12月9日(土) 日劇会館 少年は自我と親愛の狭間で悩んだりしない。前進あるのみで真摯であり、しかも当たり前の如く情愛も持ち合わせている。こういう自立し行く世代の芽生えは何時の間に摘み取られてしまったのだろうか。後の今村一家総出の脇…

ニュー・シネマ・パラダイス

★★ 1991年3月23日(土) 祇園会館 切除されたフィルム断片の連鎖に何の感興も覚えないし況してや少年時代の追憶へのエモーショナルな哀惜と連結することもない。だだ漏れる過剰なモリコーネ節に無理くり押さえつけられ辟易。何れにせよ俺の思う映画愛とは1万…

肉弾

★★★ 1991年4月14日(日) 高槻セントラル モラトリアムな主人公が戦争を内在化する過程が多分に形骸的で、低予算を逆手に取りシュールを模索する狭間で居所を見出せていない。ブラックジョークに成り切れていない据わり処の悪さ。哀しくも喜八の怨念は骸のよう…

忍者

★★ 2007年4月7日(土) 天六ユウラク座 最初はモラトリアムなテキトー野郎だとしても、物語はその成長を促し何かが内部で激変していく様を抽出すべきで、その為にこそ魔裟斗・白田の我がニッポンカップルをこそ深く掘り下げて欲しかった。大体今更忍者でもな…

憎いあンちくしょう

★★★★ 1991年4月28日(日) トビタ東映 東京から九州までジープをブッ飛ばすことで何かが得られるなんて幻想だとは思うが、そういう幻想は映画の中なら信じてみたい。少なくとも映画内では皆それを信じて真摯そのもので泣かせる。中でも浅丘ルリ子の輝きは神懸…

にっぽん泥棒物語

★★★★ 2007年6月16日(土) 新世界東映 大半がどうってことない世間が時代が悪いのよ的左翼イズムに迎合し、笑いの中でリアルに松川事件を撃つという高度な諧謔趣向も若干褪せるが、正直この伊藤雄之助には参った。このおっさんが出てくるとアドレナリンが全…

二十四の瞳

★★★ 1991年8月18日(日) 毎日文化ホール 全篇に流れまくる童謡唱歌が問答無用に涙腺を刺激する装置と化するので、逆にこの映画が内包するらしきロマンティシズムや反戦イズムは涙に霞んで見えなくなるという完全な戦略ミス。反撥を覚えつつも一種異様とも言え…

ニキータ

★★★★★ 1991年9月23日(月) 新世界国際地下劇場 柔なジュテーム野郎どもが羽振りを効かすお国でシネスコスクリーンに真正面から情緒を断ち切ろうとする女を描いたのに驚いたし正に快打だと思った。目新しくもない設定のなか斬新なリアクションが鶴瓶打たれる。…

28週後…

★★★ 2008年1月30日(水) TOHOシネマズ梅田6 ハードにポリティカルなシュミレートには好感を持つが、ドラマトゥルギーの醸成は蔑ろだ。全てのしがらみが断ち切られる終盤にこそ意味があるのだとしても、やはり「背信」には決着が欲しかった。凝った編集…

虹に向かって

★★★★ 2021年8月15日(日) シネヌーヴォX 敵対する2つの村があって、深い渓谷が互いの行き来を阻んでおりました。双方の村の男の子と女の子が渓谷越しに互いに興味を持ち、興味は好意に、好意は恋心へと。 とまあ「ロミオとジュリエット」みたいなもんです…

日本俠客伝 雷門の決斗

★★★ 2008年8月9日(土) トビタ東映 ロミ山田や村田英雄が軸を回す芸道風味作。知り尽くしたマキノ演出が悪かろう筈も無い。ただ、健さんの居場所の無さが観てる方まで居心地悪くさせる。肝心の見せ場も島田・長門の老若コンビに持ってかれる始末。釈然とし…