男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【い】

異人たち

★★★★ 2024年4月28日(日) TOHOシネマズ梅田5 大林版の「異人たちの夏」が大好きなのだが、その物語には2種類の異人(幽霊)が出てきて、主人公の幼少期に死んだ両親と現在住むマンションの他の階に住む女性。それで圧倒的に良いのが両親のパートで、…

イナゴの日

★★★★★ 1977年12月11日(日) 元映 兎に角、嫌らしい奴と情けない奴しか出て来なく、悪が弱者を駆逐していく構図の先端に少年を配するという徹底振りが突き抜けている。スペクタキュラーな要素も織り込んでハリウッドへの憎悪を込めた退廃ムードが出色。(cinema…

一月の声に歓びを刻め

★★ 2024年2月19日(月) MOVIXあまがさき1 このわけわからなさは何やろかと三島有紀子のインタビュー他読んでみたんですが、自身が幼少期に受けた性被害がテーマの根っこにあるらしい。そういうことを公にして作品を作る決意には並々ならぬものを感じ…

犬神家の一族

★★★ 1976年11月16日(日) 伊丹ローズ劇場 泥々の因縁話を欲の皮の突っ張り合い程度で茶を濁した感があり本質は遠ざかる。ジャパネスクと崑テクの融合はコンセプトは明快だが、腐乱死体の湖中ショットや金田一閃きの3連繋ぎなど冴えた断片が馴染みきれてない…

怒り

★★★★ 2016年9月18日(日) MOVIXあまがさき5 ミスリード職人吉田修一に生真面目に正面突破で立ち向かう演出の剛直と凡庸な内実をギリシャ悲劇めいた大上段からのドハッタリで崇高にまで高めてしまう思い入れ。だが、それを不快に思わないのは社会か…

五日物語 3つの王国と3人の女

★★★★★ 2016年12月20日(火) 大阪ステーションシティシネマ6 中世欧州を舞台にした奇譚なんて、もう、うんざりっす。 テリー・ギリアムとかティム・バートンとかピーター・ジャクソンとかどれも似たり寄ったりやん。 と、思ってましたが、これ良いです…相当…

いまを生きる

★★★ 2016年10月7日(金) 大阪シテーションシティシネマ7 佳境とも言える事件が終盤の展開の為にする感濃厚で、そういう構造を見えすいてると思い出すとフィナーレもどっチラケだ。大体この先生のぶつ凡庸な教育論を成り立たせる為には時代の抑圧が描写不足…

イージー・ライダー

★★★★ 1976年9月5日(日) 伊丹グリーン劇場 「俺たちゃあ束縛されないぜ!」と時計を投げ捨てたキャプテン・アメリカが渇望し広大な大地をひたすらバイクでぶっ飛ばした「自由」は徴兵制等のリアルな束縛からの解放願望と思えば切ない。自由が横溢する世界で…

インフェルノ

★★★ 2016年11月19日(土) 梅田ブルク7シアター7 まあ、全然面白くもない映画だが、腹も立たぬのは小賢しさのないロン・ハワードの人徳でしょうか。 主人公の記憶喪失から始まるありがちな導入ではあるが、戻ってくる記憶のピースがはまっていく構築の快感…

イレブン・ミニッツ

★★★★ 2016年9月12日(月) シネリーブル梅田1 時制の反復や彼岸と此岸の融解など既視感ありのテクを詰め込んだ精緻なバッタもんやんけとも思うし大風呂敷広げてその程度かとも思うのだが、それでもスコリモフスキ爺さんのしてやったりでダークな無邪気さは…

偉大なるマッギンティ

★★★★ 2023年12月10日(日) プラネットプラスワン プレストン・スタージェスの監督デビュー作だそうだが、展開のスピード感と平気でジャンルをドテンするよな思い切りは最初からだったんですね。ただ、思い切り良すぎて語るべきものも切り捨ててしまった感が…

市子

★★★★ 2023年12月11日(月) シネリーブル梅田2 死んだ或いは失踪した男乃至は女が存在しない若くは全く違う人物であった。というツカミは一昨年の「ある男」と近似だが、あちらが当該の男以外の人物を物語の真ん中に併存させた為に焦点が拡散したように思た…

イコライザー THE FINAL

★★★★ 2023年10月7日(土) MOVIXあまがさき10 海外ロケを敢行したシリーズ最大スケールの最終章だそうだが最小スケールの敵であった。1作目のロシアンマフィア、2作目の同業者に比べて今回はイタリア地方都市の地場マフィア。はっきりいってチンピ…

イノセンンツ

★★★★ 2023年8月3日(木) 大阪ステーションシティシネマ6 「童夢」にインスパイアされたと聞いて期待と失望予感を半々に抱いて見た。 大友克洋の原作をを読んだのは学生時代に先輩の部屋に転がってたのをたまたま読んだのが最初であったが、あまりの凄さに…

遺灰は語る

★★ 2023年6月28日(水) シネリーブル梅田3 「グッドモーニング・パピロン!」を昔見たときどうしようもなくペラペラに思えて、それ以降タヴィアーニ兄弟の映画は見てません。兄ヴィットリオが数年前に亡くなって、これは弟パオロ単独での作品なんだそうだ…

いちごブロンド

★★★★ 2023年6月11日(日) プラネットプラスワン オリヴィア・デ・ハヴィランドって確か「風と共に去りぬ」のメラニーの人だよな、随分と印象変わるなーって見始めて思ったけど、多分、俺が彼女の映画を見てないだけで、こっちが本線だったんだろ。堅物女の…

EO イーオー

★★★★★ 2023年5月12日(金) シネリーブル梅田3 ブレッソンの「バルタザール」をスコリモフスキーが再映画化すると何かで読んだときふーんとしか思えなかった。そもそもに「バルタザール」自体が大しておもろくもなかったから。 しかし、これは名匠の佳品を…

イニシェリン島の精霊

★★★★★ 2023年2月日(月) TOHOシネマズ梅田6 人間は日々自分の考えに忠実に生きているわけではない。そんなのくだらねーなあとか思いつつ社会関係というもんがあるから我慢したり、仕事とかでもそんなこと無駄やしやってられねーわとか思いつつ給料もら…

犬、走る DOG RACE

★★★★ 1998年10月24日(土) シネマアルゴ梅田 ストーリーは最早どうでもいい領域に突入するカオス。その中で各シークェンスごとの艶と凄惨と笑いが立ちまくる。無軌道は臨界を軽く超えて不眠がもたらすアッパードラッグな混濁した快楽が訪れる。ええじゃないの…

いとこ同志

★★ 1999年8月21日(土) 神戸アートビレッジセンター コンセプトと帰結は文句無いがサディズムが不足で余りに温い。こういう状況で当然にフィーチャーされるべき「孤独」や「疎外感」や「絶望」は女を寝取られたという在り来たりな嫉妬心に置き換えられる。物…

いちご同盟

★★★ 1997年5月10日(土) 岩国ニューセントラルⅢ 少年の思春期の悩みが今ひとつ共感を覚えるものではない(若しくは覚えるように納得させる演出力がない)ので病気の少女と出会って再生していく過程に乗り切れない。一方、父子の関係描写が良く古尾谷が父を好…

イル・ポスティーノ

★★★ 1999年1月17日(日) みなみ会館 偉大な詩人で政治家というのがノワレでは柄じゃないと思うし、無学な者と触れあい啓蒙し又虚飾なき思いに自らも打たれるにしては、そのエピソード群のインパクトの無さ。この種の映画としては媚びがないのが救いだが余りに…

インディラ

★★★ 1998年1月17日(土) 徳山市市民館小ホール 世紀末に世界に連鎖した女権運動の一端として捉まえねば埋没してしまう多くの女性監督による凡作の1つ。主人公は案外に受動的に思え熾烈な意志力は感じ取れなかった。インド大衆映画の枠組内で作られた点は評価…

イングリッシュ・ペイシェント

★★★★★ 1997年5月25日(日) テアトル徳山Ⅲ 洞窟の壁画が朽ちる命を見守り教会の壁画は傷ついた魂を愛でる。その文学的記号がもたらす対比が謎を絡めた多重構成に紛れ見る者を引きずり込む。大戦下の辺境でのハーレクイン不倫物語は圧倒的豊穣さで具現化され新…

陰謀のセオリー

★★★ 1997年11月15日(土) テアトル徳山Ⅱ 前代未聞とも言える魅力的なパラノイアキャラをヘルゲランドは創造し得たと思うしメルギブのテンションも世界を補完するのだが、御用監督での製作となって緩んだことが惜しい。もっと偏執的にキャラを突っ込んでいけば…

インサイダー

★★★★ 2000年6月3日(土) ユナイテッドシネマ岸和田1 内部告発劇として特段な何かがあるわけでないのに、力のある演者と演出が噛み合い迷いなく同一方向のベクトルに乗ったとき映画は成立してしまう。衒いない主役2人の演技は抑制され直球勝負の醍醐味。透明…

イレイザー

★★★★ 1996年7月27日(土) テアトル徳山Ⅱ シュワ不死身性に拮抗する電磁砲なる武器の威力がマニアック且つ偏執的に描写されるのが開巻から一点突破な強度をもたらす。更にカーンやコバーンが枯れても悪たれの燻し銀な剣呑さを湛え素晴らしいのだ。バネッサもキ…

刺青

★★ 2000年8月13日(日) シネヌーヴォ 若尾文子の秘めたればこそのエロスが全開にされて茫漠としている。それこそ透き通るような白肌はそれはそれで見物なのだが、宮川カメラが存外に凡庸で耽美的とまでは思えない。刺青を彫られたが為に運命が狂うというなら…

いつか晴れた日に

★★★★★ 1996年11月23日(土) 徳山市市民館小ホール 恋する健気な乙女であることやおキャンな3姉妹であることといった少女の理想郷に全霊を投入する臨界ギリ超えのエマの至福が伝染する。圧倒的ドラマトゥルギーと19世紀を再現する撮影と美術の堅牢。そして…

インデペンデンス・デイ

★★★ 1996年12月8日(日) 徳山国際劇場 カタストロフの予兆から発端まではやはり巧い。エメリッヒ深部の終末観は基本悲観なのだと思う。が、それが迎合的に米国万歳アジで竹槍で戦車を撃退可かのような無理くりの楽観を装う商売人気質をギャグ化寸前で寸止めさ…