男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【い】

イップ・マン 誕生

★★★ 2013年1月8日(火) トビタシネマ デニス・トーの一見らしからぬ風情と、いざ殺陣が開始された途端のオーラの発散に相当にやられた。三角関係の古典的展開が物語の安定的重心となり、サモ・ハン、ユン・ピヨウに加えた直系爺いの伝統技の安定が一定の「…

一度死んでみた

★★★★ 2020年4月2日(木) 大阪ステーションシティシネマ11 すずがヘビメタ?って絶〜対ムリやんって思ったし、予告で見た幽体離脱した堤の浮遊霊の安さにゲンナリしたりもしたのだが、何故か見てしまって、やっぱ映画って見てみないとわからんねって思った…

1917 命をかけた伝令

★★★★★ 2020年2月18日(火) 大阪ステーションシティシネマ4 やたらワンカットを押し付ける予告篇をみて鬱陶しく感じていたので、あんまり良くない予断をもっていた。 でも、どやろか、アカデミー賞にそんなに関心があるわけじゃないが、「パラサイト」とこ…

イノセント・ガーデン

★★★★★ 2013年6月13日(木)TOHOシネマズ梅田4 垢抜けぬミアが本性を現し血の因果律の頚木を断ち切り乗り越える。何か新たなサーガの序章であるかのような奥行きが俄かに立ち昇る終盤に射られた。チャヌク演出には乾いた西洋的合理と淡い幻燈のような東…

イエスタデイ

★★ 1981年5月17日(日) 梅田ロキシー 何がどうということもない真っ当な悲恋ものであり、それ自体何ら悪いことでもないのだが80年代に登場した割には芸無さ過ぎな促成栽培の仕事。主演女優も清楚だが淡白だし、演出もお真面目でケレンの欠片もない。これ…

IT THE END “それ”が見えたら、終わり。

★★★ 2019年11月25日(月) 梅田ブルク7シアター4 前作のヒットで予算が上がったんだろうが実に堅牢な作りで、昨今のワンアイデア勝負のこの手のジャンルムービーの中では格が上だと思う。 ただ、それは見てくれの格であって、堅牢なだけでは満足するかって…

いとしきエブリディ

★★★★ 2013年11月23日(土) テアトル梅田2 ドラマの無為性はコンセプトとして新しくもなく、5年かけた撮影も子供は大きくなるという当前の事実をフィルムに刻むだけだが、個々の事象に対し過度に寄らず総体としての年月の集積こそに意味があるとした点が新…

インテリア

★★★★★ 1979年10月14日(日) 大毎地下劇場 神の不在と女の性というベルイマン2大要件から神学的前衛を除いたエピゴーネンだとしても姉妹、親子、そして夫婦の確執は腰が据わってドラマラスな醍醐味を満喫させる。自分本位の基準による統御は周囲を歪ませる。…

イメージの本

★★★★ 2019年4月29日(月) テアトル梅田1 前作「さらば、愛の言葉よ」のタイトルの意味を今更に感慨をもって考えた。 ゴダールといえば政治に走って尖がってみせたりもしたが、根のところでは「愛」ってのが好きなおっさんなのだ。 それに決別しようという…

1941

★★★★ 1980年7月28日(月) 伊丹グリーン劇場 本土襲撃の予兆に怯えるマスヒステリーが個々の挿話や人物群の連関の末大崩壊に至る構築になってないのでカタルシスがない。にしても分断された章内ではどえらい熱量を発散。ロス市内を戦車や戦闘機が縦走し観覧車…

一万三千人の容疑者

★★★ 2019年2月24日(日) 新世界東映 1963年の吉展ちゃん誘拐殺害事件の映画化。 13,000人とは捜査線上に上がってシロとされた数であって気が遠くなりそうな労力である。 事件後まもないころの映画化であるし、又時代もあったろう、犯人と子供の2…

イタリア式離婚狂想曲

★★★★★ 2019年2月2日(土) シネヌーヴォ 50~60年代のイタリア映画を牽引した巨匠たちのなかで、近年もっとも言及されないのはピエトロ・ジェルミなんじゃないだろうか。「鉄道員」や「刑事」といった庶民派のイメージが先行して、もういいかって感じ? …

インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌

★★★★★ 2014年6月12日(木) 大阪ステーションシティシネマ5 私小説的映画として前半に絡ませた猫使いの鮮やかさ。だが後半は内省的になり、プロットは悉く絶望を弥増させるに周到だ。グッドマン遺棄後の元カノの街の夜景。エイブラハム面談後の男の鉄拳。本…

田舎司祭の日記

★★★★ 2018年11月24日(土) プラネットスタジオプラスワン ブレッソンの初期作で真っ暗闇の物語なのだが、語り口にリズムがあって救われる。 田舎に赴任した若い司祭の鬱屈した日常。 彼はそれを、日々日記に綴る。 出来事があって、夜それをノートに書き、…

イントゥ・ザ・ストーム

★★★ 2014年8月26日(火) 梅田ブルク7シアター2 最早どんなに凄いことがスクリーン内で起こっても所詮CGやろとしか思えぬが、竜巻ハンターのピートが今際の際に見る静謐世界には心打たれた。ならば、至福の表情こそ必須だったと思うのだが。兄弟のキャラ…

生きてるだけで、愛。

★★★★★ 2018年11月16日(金) 梅田ブルク7シアター4 大仰で重っくるしいタイトルであるから、多少眉に唾つけて見始めたのだが。 篇中、主人公が言われる。 「あなた、よく今まで生きてこれたわね」 まったくそのとおりであって、そういう意味でこのタイトル…

イーダ

★★★★ 2014年8月30日(土) テアトル梅田1 遺伝子が為せる伝統芸。ポーランド派復刻的な戦争後遺モノクロ峻厳美。敢えて言うならカワレロウィッチ的か。只アイデンティティ探求の果ての越境と新旧の交代・継承を題材としながら閉じたかのようなラストは疑問…

犬笛

★ 1978年4月2日(火) 伊丹ローズ劇場 平凡な男が娘を取り返す為にみせる凄まじい執念が泣かせる話なのに文太じゃ平凡な男でないから駄目なのだ。そしてキラ星のごとく出てくるチョイ役の面々の救いがたい1.5級感。リアリズムの欠片もない予定調和を中島貞…

偉人エーリッヒ博士

★★★ 2018年10月18日(土) プラネットスタジオプラスワン ドイツの細菌学者、パウル・エーリッヒの伝記映画です。 監督のウィリアム・ディターレは、この数年前に「ゾラの生涯」というエミール・ゾラの伝記映画でアカデミー作品賞を獲ってるので、伝記ならデ…

イコライザー2

★★★★ 2018年10月4日(金) 大阪ステーションシティシネマ12 ジャンルのエッセンスを寄せ集めた代物で新しいことは何もないとも言える。 前作でクロエ・モレッツが演じた役どころは、今回は黒人少年。 これを演じるのがアシュトン・サンダース。「ムーンラ…

1987、ある戦いの真実

★★★ 2018年9月27日(木) シネマート心斎橋1 ナ・ホンジンの2作(「チェイサー」「哀しき獣」)で主演をつとめたキム・ユンソクとハ・ジョンウの3度目の対峙作。 なんて見方は、本質からずれているのだろう。 それでも、この中盤でほとんど消える検事のジ…

イコライザー

★★★★ 2014年11月6日(木) 大阪ステーションシティシネマ11 全ての男どもが思い描く夢の最大公約数を具現化するに全く躊躇せず工芸品を愛しむように丹念に磨き上げられた世界。この微妙な過剰さの匙加減がフークワの特質だろう。終盤のそこまでいっちゃう…

愛しのアイリーン

★★★★ 2018年9月17日(月) 大阪ステーションシティシネマ5 原作未読…っちゅうか、ここ20年くらい漫画読んでません。 であるから、この展開の転がり方に驚いた。 吉田恵輔監督の「ヒメアノ~ル」の印象があって、狂気の予断があったのかもしれない。 確か…

インターステラー

★★★★ 2014年11月22日(土) 梅田ブルク7シアター7 尺を費やした親子の絆を水の惑星のエピソードでものの見事に断ち切る意外性は後段の未だ見ぬ地平への期待を弥増させるのだが、周回しての落し所はそこかという万人の安心ラインが失望だ。絵面は多少『オブ…

異邦人

★★★ 1980年9月14日(日) SABホール 一流の匠達が粋を尽くした立派な器に盛られた純文学の贋作だが、終ぞこのムルソーからは真の実存主義的テーゼは見えてこない。原作を絵にしただけならまだしもだが、後半の裁判シーンの冗長さが相当に下司なのだ。(cinem…

インクレディブル・ファミリー

★★★ 2018年8月4日(土) TOHOシネマズ梅田5 「ファインディング・ドリー」のときも感じたのだが、10数年を経ての続篇って何か胡散臭い。 儲かるもんなら何でもの映画産業に於いて、敢えて当時作らなかったのは、これは一発限りという矜持みたいなのが…

犬ヶ島

★★★★★ 2018年5月28日(月) TOHOシネマズ梅田4 「七人の侍」の主題曲を、俺は今までいい曲だと思ったことはあんまりなかった。 のであるが、やさぐれた捨てられ犬たちが愛犬を探しにきた少年のために一肌ぬぐってとき。 それが高らかに鳴り出して、胸が…

イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密

★★★ 2015年3月18日(水) TOHOシネマズ梅田7 エニグマ解読の軌跡は幾何学図形やレトロCPの形象の珍奇さで誤魔化され結局決め手はそんなことかいという落胆。文系男子が理系題材を調理したってこの程度かと思う。終盤、大局的非情と性嗜好の露見が錯綜する…

イン・トゥ・ザ・ウッズ

★★★★★ 2015年4月4日(土) 梅田ブルグ7シアター5 可愛くも綺麗でもない御伽噺の人物挿話がパロディックに連関する前半が絶妙の端折り具合で、又王道ミュージカルな楽曲の冴えが70年代的芳香なのだが、一転、テロルの連鎖に晒された今に如何に向き合うか…

インヒアレント・ヴァイス

★★★ 2015年4月21日(火) シネリーブル梅田3 ウィルソン登壇辺りから流れを見失い気が付けば終盤だった。そういう迷宮世界の混沌に酩酊する物語だとしても、キャストの鮮度落ちの熟成が足りなく生腐りで旨み成分が出てない。天使のようなキャサリンちゃん再…