★★★★ 2023年10月7日（土） ＭＯＶＩＸあまがさき１０
海外ロケを敢行したシリーズ最大スケールの最終章だそうだが最小スケールの敵であった。１作目のロシアンマフィア、２作目の同業者に比べて今回はイタリア地方都市の地場マフィア。はっきりいってチンピラ。であるから、マッコールさん負ける気がしません。でも、クソみたいな奴らを圧倒の能力差で粉砕する。気持ちんよかーです。
【以下ネタバレです】
冒頭、子どもを連れて自宅に帰った男が、凄惨極まりない現場を見て、これを１人でやった奴は何者だと思う。そして、地下室に捕えられた其奴を見る。見てる者をミスリードする巧い導入。そこから、一気呵成に流れに乗ります。
冒頭、中盤、終盤と３つの殺戮場を設けて、あとは人情話で間合いを繋ぐ。もう全くシンプル極まりない構成だが、それが良いと思わせるのはマッコールの滋味とデンゼルのキャリア由来の重心とフークワの奇を衒わない自信が噛み合って安定しているからだろう。これを３Ｊの法則と言うのです。
舞台となるシチリア地方の港町のロケーションが、ようこんなとこ見つけたなの絶品で、確かにこの男が引退して余生を送りたいと思うことが納得できる美しさ。この納得感が大事なんですわ。
シリーズ最弱の敵であり、冒頭・中盤・終盤に配された見せ場は全て嬲り殺しに近いのだが、全体に通底する終焉感がデンゼルの静かな達観と同期して心安らかになる。シチリアの港街の美しい景観が絶品であり、成程これならそう思うよねの納得感。これ大事。(cinemascape)
