男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【ほ】

望郷

★★★ 2001年3月15日(木) 動物園前シネフェスタ2 もうパリが恋しくて堪らない郷愁は嵩じてタカビーパリジェンヌへの想いへ転化するのだが、埋没して漂流する自我を描いてきた近世の目で見ると余りに浪花節だし、掻き消される声の浪漫主義最高潮な大見得は博物…

ホフマン物語

★★ 2001年7月24日(火) 扇町ミュージアムスクエア 色男とも思えぬホフマンが恋の思い出を語っても全く入り込めず、結末はシニカルなのに篇中では作り手のスタンスが伝わらず居心地が悪い。3話とも幻想譚なのだが、同時代のコクトー等の作と比べても表現が稚…

ボディ・ターゲット

★★ 1994年1月16日(日) 新世界国際劇場 未亡人と少年と流れ者という三題噺を基にリライトを重ねて何の取り柄もない凡作になったというのがミエミエであり、演出もアクションの見せ方が惰性的に弛緩しているので苦痛。ヴァン・ダムもアークェットも濡れた情緒…

炎の少女チャーリー

★★★★ 2022年8月15日(月) 新世界国際劇場 1984年版の映画化作未見、キングの原作は既読です。と言っても全然覚えてませんけど。 まあ、ジャンルムービーとしては、正直ショボい出来だと思う。少女が身体発火したとき防火服着てるのがわかったりします。…

ボーイズ・ライフ

★★★ 1994年3月12日(土) 天王寺ステーションシネマ 虐げられた少年の旅立ち物語なのにデ・ニーロとバーキンが立ち過ぎて本来のストーリーを後方に追いやってしまった。とは言ってもデ・ニーロの役を選ばない何でも来いの姿勢には好感を持つ。(cinemascape)

ボイリング・ポイント 沸騰

★★★★ 2022年7月27日(水) シネリーブル梅田2 映画史のなかで全篇1カット映画ってのが折に触れて出てくる。旧くはヒッチコックの「ロープ」や近年ではイニャリトゥの「バードマン」だが、前者ではフィルム交換の為に黒味を挟み後者ではCGで糊塗してたと…

仄暗い水の底から

★★★★ 2001年1月26日(土) 梅田劇場 終盤で情緒過多なメンタリティに陥り予想を超える展開にならぬ物足りなさがあるが、神経症的不安感の表現に於いてポランスキーやコーエンのレベルに迫ったと言えば誉めすぎだろうか。ともかく老朽マンションの美術やどしゃ…

新ポリス・ストーリー

★★★ 1994年5月7日(土) 天六ユウラク座 正に行き詰まりであったのだろう。香港時代を総括する『酔拳2』の前年、今までのキャラを捨ててまでも臨んだ真性シリアス路線は決して悪くはなかったが、嘗ての華やぎは失われ斜陽の翳りは覆うべくもない。その寂寥感…

ぼくの伯父さん

★★★★★ 1994年8月6日(土) 京都朝日シネマ1 一芸だけを只管な拘りと信念で繰り返し続けた孤高の作家の理想的到達点。独善的な文明批判と潔癖主義なユーモアは軽妙な音楽と膨よかな色彩で丸められ、更に少年視線によって客体化される。ある意味、無欲な享楽や…

ぼくの伯父さんの休暇

★★★ 1994年8月3日(水) 京都朝日シネマ1 このユローという受動的キャラクターが少なからずイラつく。チャップリンの模倣もあからさまでオリジナリティがない上に攻撃性に転化するまでもいかない弛緩ギャグは未だ幾何学構図の冷徹を獲得していない。バカンス…

★★★ 2002年6月26日(水) ホクテンザ1 本筋が浮気して女房が拗ねただけというだけの余りの単純さが物足りないが、職業としてのアダルトビデオの人々を扇情的にせず、それどころか今の世に珍しく真摯な姿勢で生きる人達として描いて、しかも力みも無いのが大器…

僕らはみんな生きている

★★★★ 1993年3月27日(土) 天六ユウラク座 これだけの大風呂敷を広げて最後まで馬脚を現さないというのは紛れもなく才能であると思う。国際社会に於ける日本や日本人論を巧みに避け男の友情話にもっていったのが正解であった。そして、その友情が見ててこっ恥…

ポリス・ストーリー3

★★★★★ 1993年4月29日(木) 新世界国際劇場 反発し合いながらも共通の目的を遂行する2人。見飽きた設定だがジャッキーとミシェールという極めた者同士のみが醸し出し得るあ・うんの呼吸の妙は世界映画史上有数の至福感。しかも、それが男と女であるから甘酸っ…

ホーム・アローン2

★★★ 1993年4月29日(木) 新世界国際劇場 1作目未見なので比較しようがないが、舞台を家から都市に広げてグレードアップしたが創意は減衰したのだろう。手堅く出来た映画とは思う。しかし、小生意気なガキ俳優に大の大人がケチョンケチョンにやられる展開が虚…

冒険者たち

★★★ 1993年5月17日(月) 扇町ミュージアムスクエア 妙ちきりんで浮世離れな冒険マニアの反リアリズムに世知辛い世間の現実が介入する。アンリコのサディスティック視線がバランサーとして機能。レティシアの選択は男前ドロンのヒロイズムを弥増させるが餌にさ…

ボーン・アイデンティティー

★★★★ 2003年4月1日(火) ホクテンザ2 60年代冷戦下のスパイものを髣髴とさせる非情さとうら淋しさが巧みに醸し出されている。曇天の欧州各地のロケーションが素晴しいの一語で成功の要因はそれに尽きる。ミスマッチな猿顔マットのウルトラアクションへの違…

ポンヌフの恋人

★★★★★ 1993年8月27日(金) 第七藝術劇場 転と結は青臭いのであるが、圧倒的な負のベクトルの集積とも言える起と承。カラックスの裂帛の気迫がキャストやスタッフに伝播しトランス状態の主演2人は隔絶世界の住人。借金塗れの大オープンセットを縦横に使い切っ…

ボディガード

★★★ 1993年8月15日(日) 新世界国際劇場 立つ世界の違いが、又人種の障壁が生み出す恋の刹那感。とくれば、これは『ローマの休日』の現代版焼き直しとも思える。監督が今いち巧くないのでしまりがないがカスダンの脚本も主役の2人も良い。特にホイットニーの…

僕の村は戦場だった

★★★★ 1993年9月17日(金) 第七藝術劇場 現在進行形の部分は今だありきたりな物語の尻尾にひきずられ、その静謐描写の連続は倦怠との臨界ギリギリとも思われるのだが、回想シーンのシュールな突出が失われし恒久平和をリリカルに表して惜涙が滲む。その時制の…

BODY ボディ

★★★★ 1993年9月25日(土) 池田映劇 エロティシズムを描こうとする映画は往々にしてあざといが、このマドンナは、不感症の女が無理してる感が無い。律儀にミステリーの体裁を全うしようとする演出の隙間からスケベが滲み出る。冗談ではなくポルノグラフィとし…

ボーン・スプレマシー

★★★★ 2005年2月23日(水) 梅田ブルク7シアター3 過酷な訓練で最高レベルに達した者のみが成し得る機転を効かせて急場を凌ぐということを徹底的に繰り返して見せる一貫したポリシー。それは一見らしくないデイモンだから際立つ。相変わらずのロケの良さもあ…

ぼくんち

★★★★ 2005年3月18日(金) トビタ東映 少年は故郷を棄て女は故郷に回帰する。寺山的或いは黒澤『どですかでん』的邑社会に纏わる出入りの物語は多分に形骸的だが特筆すべきは観月ありさ。生なピンサロ嬢も神々しき慈母性も同時に存在そのものが体現。これが要…

濹東綺譚

★★ 1992年8月30日(日) ホクテンザ2 高所から見下ろす視点の物語を殊更に否定しても仕方ないとは思うし、この頃の新藤が美術や撮影に拘らなくなったのは了解するとしても、出過ぎてて又かの津川のルーティーン演技の辟易さ。何ひとつ乗れない。新人墨田も凡…

亡国のイージス

★★★ 2005年9月3日(土) 梅田ピカデリー2 ぶれない思想軸を持つのは北鮮工作員(中井)とダイス工作員(勝地涼)のみであり、ポーズにせよ日本国体の現状を撃つと言うのなら、グダグダ言わずに東京都内にミザイルをブチ込め!2人のインサートされる背景描写…

炎のメモリアル

★★★★ 2005年7月16日(土) ホクテンザ2 信念を持てる仕事と分かち合える仲間と愛する家族。50年代フォード映画のような揺るぎなき信念。それ以外のものは描こうともしない木訥な作りは『インクレディブル』同様の回帰願望を思わせる。世相はループする。そ…

ホステージ

★★ 2005年8月15日(月) 新世界国際劇場 折角の多角的な複合事件を設定しながら錯綜するサスペンスの醸成が全く出来ていない。単視眼的な構成であり初源的カットバックさえもろくすぽ使い方を知らんようだ。何より泣き虫ガキが相手では本気汁を分泌さえできな…

ボーイ・ミーツ・ガール

★ 1992年10月4日(日) みなみ会館 80年代を代表するインディーズ出の3人(ジャームッシュ、カラックス、スパイク・リー)のブレイク前の作品が揃いも揃って青くて観念的なのは或る意味出来過ぎだったような気さえする。(cinemascape)

ホット・ショット

★★★ 1992年10月10日(土) 新世界国際劇場 カッコつければつけるほど何かおかしい確信的天然のチャーリー・シーンの登用が成功の要因。壊れてハジけるにも物を言うのは「思いこみ」でこなして来たそれなりの芸歴。元ネタは観てないが文句無く笑える。(cinemasc…

ほんとうのピノッキオ

★★★ 2021年11月15日(月) 大阪ステーションシティシネマ7 「ほんとうの」ってなにがやねん。普通のピノキオやないかい。原題も単に「ピノキオ」やん、ええかげんなことすなよ配給会社。 ってことで、「本当は怖い童話」みたいな先入観を持ってた俺はかなり…

暴力金脈

★★★ 1992年10月25日(日) 新世界東映 企業と暴力団の癒着という未開領域に挑む…なんていう気は無いのは端から解ってはいるが惜しい題材であった。結局は個の対決に収斂してしまうのがトホホである。小沢や大滝の半端な投入が山本や熊井との比較感を呼び起こし…