男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【ほ】

ポリス・ストーリー3

★★★★★ 1993年4月29日(木) 新世界国際劇場 反発し合いながらも共通の目的を遂行する2人。見飽きた設定だがジャッキーとミシェールという極めた者同士のみが醸し出し得るあ・うんの呼吸の妙は世界映画史上有数の至福感。しかも、それが男と女であるから甘酸っ…

ホーム・アローン2

★★★ 1993年4月29日(木) 新世界国際劇場 1作目未見なので比較しようがないが、舞台を家から都市に広げてグレードアップしたが創意は減衰したのだろう。手堅く出来た映画とは思う。しかし、小生意気なガキ俳優に大の大人がケチョンケチョンにやられる展開が虚…

冒険者たち

★★★ 1993年5月17日(月) 扇町ミュージアムスクエア 妙ちきりんで浮世離れな冒険マニアの反リアリズムに世知辛い世間の現実が介入する。アンリコのサディスティック視線がバランサーとして機能。レティシアの選択は男前ドロンのヒロイズムを弥増させるが餌にさ…

ボーン・アイデンティティー

★★★★ 2003年4月1日(火) ホクテンザ2 60年代冷戦下のスパイものを髣髴とさせる非情さとうら淋しさが巧みに醸し出されている。曇天の欧州各地のロケーションが素晴しいの一語で成功の要因はそれに尽きる。ミスマッチな猿顔マットのウルトラアクションへの違…

ポンヌフの恋人

★★★★★ 1993年8月27日(金) 第七藝術劇場 転と結は青臭いのであるが、圧倒的な負のベクトルの集積とも言える起と承。カラックスの裂帛の気迫がキャストやスタッフに伝播しトランス状態の主演2人は隔絶世界の住人。借金塗れの大オープンセットを縦横に使い切っ…

ボディガード

★★★ 1993年8月15日(日) 新世界国際劇場 立つ世界の違いが、又人種の障壁が生み出す恋の刹那感。とくれば、これは『ローマの休日』の現代版焼き直しとも思える。監督が今いち巧くないのでしまりがないがカスダンの脚本も主役の2人も良い。特にホイットニーの…

僕の村は戦場だった

★★★★ 1993年9月17日(金) 第七藝術劇場 現在進行形の部分は今だありきたりな物語の尻尾にひきずられ、その静謐描写の連続は倦怠との臨界ギリギリとも思われるのだが、回想シーンのシュールな突出が失われし恒久平和をリリカルに表して惜涙が滲む。その時制の…

BODY ボディ

★★★★ 1993年9月25日(土) 池田映劇 エロティシズムを描こうとする映画は往々にしてあざといが、このマドンナは不感症の女が無理してる感が全く無い。それでも律儀にミステリーの体裁を全うしようとする演出の隙間から否応なくスケベが滲み出る。冗談ではなく…

ボーン・スプレマシー

★★★★ 2005年2月23日(水) 梅田ブルク7シアター3 過酷な訓練で最高レベルに達した者のみが成し得る機転を効かせて急場を凌ぐということを徹底的に繰り返して見せる一貫したポリシー。それは一見らしくないデイモンだから際立つ。相変わらずのロケの良さもあ…

ぼくんち

★★★★ 2005年3月18日(金) トビタ東映 少年は故郷を棄て女は故郷に回帰する。寺山的或いは黒澤『どですかでん』的邑社会に纏わる出入りの物語は多分に形骸的だが特筆すべきは観月ありさ。生なピンサロ嬢も神々しき慈母性も同時に存在そのものが体現。これが要…

濹東綺譚

★★ 1992年8月30日(日) ホクテンザ2 高所から見下ろす視点の物語を殊更に否定しても仕方ないとは思うし、この頃の新藤が美術や撮影に拘らなくなったのは了解するとしても、出過ぎてて又かの津川のルーティーン演技の辟易さ。何ひとつ乗れない。新人墨田も凡…

亡国のイージス

★★★ 2005年9月3日(土) 梅田ピカデリー2 ぶれない思想軸を持つのは北鮮工作員(中井)とダイス工作員(勝地涼)のみであり、ポーズにせよ日本国体の現状を撃つと言うのなら、グダグダ言わずに東京都内にミザイルをブチ込め!2人のインサートされる背景描写…

炎のメモリアル

★★★★ 2005年7月16日(土) ホクテンザ2 信念を持てる仕事と分かち合える仲間と愛する家族。50年代フォード映画のような揺るぎなき信念。それ以外のものは描こうともしない木訥な作りは『インクレディブル』同様の回帰願望を思わせる。世相はループする。そ…

ホステージ

★★ 2005年8月15日(月) 新世界国際劇場 折角の多角的な複合事件を設定しながら錯綜するサスペンスの醸成が全く出来ていない。単視眼的な構成であり初源的カットバックさえもろくすぽ使い方を知らんようだ。何より泣き虫ガキが相手では本気汁を分泌さえできな…

ボーイ・ミーツ・ガール

★ 1992年10月4日(日) みなみ会館 80年代を代表するインディーズ出の3人(ジャームッシュ、カラックス、スパイク・リー)のブレイク前の作品が揃いも揃って青くて観念的なのは或る意味出来過ぎだったような気さえする。(cinemascape) kenironkun.hatenablo…

ホット・ショット

★★★ 1992年10月10日(土) 新世界国際劇場 カッコつければつけるほど何かおかしい確信的天然のチャーリー・シーンの登用が成功の要因。壊れてハジけるにも物を言うのは「思いこみ」でこなして来たそれなりの芸歴。元ネタは観てないが文句無く笑える。(cinemasc…

ほんとうのピノッキオ

★★★ 2021年11月15日(月) 大阪ステーションシティシネマ7 「ほんとうの」ってなにがやねん。普通のピノキオやないかい。原題も単に「ピノキオ」やん、ええかげんなことすなよ配給会社。 ってことで、「本当は怖い童話」みたいな先入観を持ってた俺はかなり…

暴力金脈

★★★ 1992年10月25日(日) 新世界東映 企業と暴力団の癒着という未開領域に挑む…なんていう気は無いのは端から解ってはいるが惜しい題材であった。結局は個の対決に収斂してしまうのがトホホである。小沢や大滝の半端な投入が山本や熊井との比較感を呼び起こし…

ボンデージ

★★★ 1992年12月27日(日) シネマヴェリテ 職人化したラッセルが汎用的に録り続ける中庸世界。こんな娼婦か1人居りましたとさな物語はあまりに小さな世界で殊更な新味や感慨はない。テレサのボンテージ姿が撮りたかっただけかもの疑念が拭いがたいなか手慣れ…

ぼんち

★★★★★ 1991年1月26日(土) 毎日文化ホール 船場ブルジョワジーの凋落と時代のエネルギーを呑んで生きながらえる女たち。栄華を極めた60年大映の女優陣揃い踏みの圧倒を諧謔で受ける崑も雷蔵も鯔背だ。3人の女たちが高らかに談笑する入浴場面。ここに至って…

ホワイトハンター ブラックハート

★★ 1991年2月24日(日) 新世界国際劇場 『アフリカの女王』製作裏話的なケレンとハッタリが全く無いところを良いと思うか物足りないと思うかだが、50年代ハリウッドの豊穣さを期待するとうそ寒い。撮影そっちのけで象ハンティングに没頭する映画監督の心の…

暴走機関車

★★★★ 1991年3月3日(日) トビタシネマ 異常な刑務所長に抗するにヴォイトが切れて微妙に逸脱するあたりに通常ではないドラマトゥルギーが発生する。極寒のシベリアを暴走する重機関車上の望遠でとらえられた人影。その剥き身な生々しさだけで興奮しちまう。妥…

劇場版 ポケットモンスター ダイヤモンド&パール ディアルガVSパルキアVSダークライ

★★★ 2007年7月29日(日) ナビオTOHOプレックス3 丸っこいポケモンが無邪気に戯れる陽光の庭園の奥底で何十年にもわたり忌み嫌われながらも思いを全うし続けるダークライと隔世にわたる聖女の物語。サトシやピカチュウやロケット団のようなヘタレを後方…

HOME FIGHT

★★★★ 2021年9月5日(日) シネリーブル梅田2 「その日、カレーができるまで」にカップリングされて劇場公開された短篇である。元々は斎藤工プロデュースによる「TOKYO TELEWORK FILM」なるオンライン企画の中の1篇です。 兄妹によるどうっつうことない会話…

ポイント45

★★★★ 2007年8月25日(土) トビタシネマ 唾棄すべき最低のDV野郎ではなく男は誰に対してもサイテーな野郎だった。そこがまだしも女の心情の納得性の担保。グダグダの男と女の腐れ縁はミラのペチャパイの哀切さに補完され見応えがある。ただ、どうにも終盤…

墨攻

★★★ 2007年8月25日(土) トビタシネマ アクロバティックな攻防戦を排したのは好感を持ったが、そもそも非戦を説くべき墨家が戦争プロとしての戦略に長けてるアンビバレンツを強固に描かないので、どこか視点が定まらない。終盤は安直なヒロイズムに流された…

ボーン・アルティメイタム

★★★ 2007年11月10日(土) TOHOシネマズ梅田3 平常温度から一気に沸点に到達する速度が並ではない。序盤のウォータールー駅での攻防の細密手工芸の如き編集美に至福を感じたが、そのまま昇天できれば良かった。アレン再登場での出し殻感が尾を引き物語…

劇場版 ポケットモンスター ダイヤモンド&パール ギラティナと氷空の花束シェイミ

★★★★ 2008年8月3日(日) TOHOシネマズ梅田3 相変わらずの「行けーピカチュウ」には辟易するが、手塚治虫の嫡子とでも言うべきこましゃくれた新キャラのシェイミが良い。そして、列車や船での道行きの思わぬ旅情感。特に船シーンでのポッチャマやシェイ…

僕らのミライへ逆回転

★★★ 2009年3月21日(土) 新世界国際劇場 弛緩した展開は確信的なのだろうが、ならジャック・ブラックのゲロ芸みたいなので風穴でも開けて欲しいのに妙にマトモ路線の映画愛謳歌の展開。本気でもなかろうと思いたいが本気か?…そうなら居心地が悪い。あと、…

劇場版 ポケットモンスター ダイヤモンド&パール アルセウス 超克の時空へ

★★★ 2009年7月26日(日) TOHOシネマズ梅田1 3部作を纏める趣向は巨大ポケモン勢揃いのみで、それが繰り広げるバトルは大味で『怪獣総進撃』並の付け焼き刃感。人語を話すアルセウスにゲンナリし物語も凡庸であった。ダークライやシェイミ並の強固な脇…