男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【ふ】

ブルーバレンタイン

★★★★★ 2011年5月7日(土) 梅田ブルク7シアター4 剃刀で切られるような進行形現在に寄り添う長焦点カメラの優しさが寧ろ痛ましい。ラブホ浴室でのピン送りはアイデアではなく必然。敷衍される過去が内包する破綻の萌芽が哀しい。だが、それでも皆生きてい…

フォロー・ミー

★★★ 2011年5月28日(土) TOHOシネマズ梅田10 主人公の孤独感の要因たる階級社会へのアンチテーゼは結局提示されぬまま、緩い恋人ごっこに埋没する世界の行き詰まり。マゾヒスティックに耽溺するなら未だしも、迎合的半端な結末は老リードの限界だろう…

フィツカラルド

★★★ 1983年5月15日(日) 梅田ロキシー 極私的信念に凝り固まって偶発的な誤りで生じた周囲の助けを受けつつ馬鹿げたことやったからといって狂人の戯言であり、況してや延々それを見せられしんどいだけ。スペクタキュリティとして船の密林山越えは見せ場だが贅…

ブラック・スワン

★★★★ 2011年6月19日(日) MOVIXあまがさき2 高度に精緻な達成とは思うが意外性が無いし、純粋に性的な鬱屈のみで極めた『反撥』なんかと比べると夾雑物があるだけエッジが効かない。大体に安直な黒鳥たるべき資質だが、それをクリアできた劇的クライ…

フルーツ・バスケット

★ 1983年6月4日(土) 大阪府立文化情報センター 少なくとも俺は映画内世界に於いて誰がどういう嗜好を持とうとも寛容に受け止めようというくらいの心構えは持ってるつもりであるが、こうも相容れない趣味の世界を確信的に繰り広げられると我が身を呪いたくも…

不良番長 やらずぶったくり

★★★ 2011年11月26日(土) 日劇会館 お嬢学園の良家の子女も口八丁手八丁で瞬く間にスッポンッポンのオッパイ丸出しにされてしまうあたり不良番長も憎めないのであるが、ド田舎舞台の間延びしたユルさが締りない。乱闘でのマグロ攻撃程度の寒さでは足りない…

フライトナイト 恐怖の夜

★★★★ 2012年1月15日(日) MOVIXあまがさき8 大人悪ガキでマッチョな吸血鬼ファレルの押し出しパワーが序盤のルーティーンを打破し、中盤以降は砂漠の孤立ニュータウンと一本道で繋がる歓楽都市ベガスの距離感も展開に絶妙に寄与。テナントの胡散臭さ…

アパッチ砦 ブロンクス

★★ 1982年1月16日(土) 新世界国際 街「ブロンクス」が一方の主役と言うコンセプトなら、あくまで淡々とドキュメンタルにアプローチすべきでニューマンは不要だし、造形を凝らしてギミックの1つもというなら芸がない。何れにしても厳しさが無い。(cinemascap…

フェアウェル

★★★★★ 2020年10月9日(金) 大阪ステーションシティシネマ10 現代社会において一族が集う機会は結婚式と葬式くらいなもんになっており、場合によっては何十年も会ってない親族が顔を合わせる。 数日間一緒にいて、その後散り散りに別れ滅多なことでは再び…

ブリング・ミー・ホーム 尋ね人

★★★★ 2020年9月27日(日) シネリーブル梅田2 子どもが失踪するというモチーフで思い出される映画にイ・チャンドンの「シークレット・サンシャイン」があるが、この映画で監督デビューしたキム・スンウは同作のスタッフだったらしい。拘りがあるモチーフな…

ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー

★★★★ 2020年9月12日(土) シネリーブル梅田1 イケてない女子高生2人が、卒業式の前日、最後だからハッチャケちゃおうとする話で、そうなると展開は自ずと見えているように思える。 しかし、主演の2人が適度に肥えていたり、適度に性根曲がってそうに見え…

フェーム

★★★ 1982年3月27日(土) ビック映劇 プロを夢見る若者達にしては散りばめられたエピソードはどれもプロトタイプで、尚かつパーカーの演出がMTVの出来損ないのように場当たり的にカットを細分化し、そこにはエモーションを定着させる計算は片鱗さえも感じら…

トワイライト・サーガ ブレイキング・ドーン Part2

★★★★ 2013年1月6日(日) MOVIXあまがさき2 転生したベラの歓喜の世界変容を精緻に描く発端からして確信的で、俗世の煩悩から解き放たれしバンパイア人生ハレルヤなのであり、これまでのあれこれは最早どうでもいい。いてもうたれバトルの華やぎのウッ…

ファウスト

★★★★ 2012年6月14日(木) 梅田ガーデンシネマ2 高利貸しの性器やその妻の衣装や助手の人工生命等、彼岸との境界を融解するミクロなギミックは刺激的ではあるが、鳥瞰的視座はCG含め大味。ただ、聖処女の金色の毛に被れた恥丘の美しさは紛れも無い真実で…

ブレイクアウト

★★★ 2012年6月23日(土) 梅田ブルク7シアター2 見飽きた導入展開が、やがて攻守共々剥き身で待った無しの限界状況を露呈するあたり、好みの作劇ではあるのだが、正直もう1手欲しかった。シュマッカー演出もディゾルブ誤用の多用が鬱陶しいモッサリ感。キ…

トワイライト・サーガ ブレイキング・ドーン Part1

★★★★ 2012年2月25日(土) 大阪ステーションシティシネマ1 全体の半分をひたすら男と女が乳繰り合うだけに費やすという豪奢な作りに、古来より映画が委ねられた本来の時間律を想う。そして、半ばよりの怒涛のような釣瓶打ち展開のダイナミズムと最高潮での…

ブラック アンド ブルー

★★★★ 2020年7月26日(日) MOVIXあまがさき3 冒頭、ジョギング中の黒人女性が、パトカーに止められいきなり羽交い締めにされる。 今年の5月に起こったジョージ・フロイド事件を連想させるのだが、この映画は2018年の作で事件を直に反映したもので…

ブラック・サンデー

★★★ 2012年9月15日(土) TOHOシネマズ梅田10 フランケンハイマーのパレスチナへの被い切れない肩入れが際どい情感を産む。ケラーが負う被虐はダーンのそれと相乗され切ないまでの刹那を発散。だが、終盤のアクションシークェンスは正直力量が足りず茶…

ふがいない僕は空を見た

★★★★★ 2012年11月17日(土) テアトル梅田1 底知れぬ闇を背負った主婦と友人に挟まれ空を見上げる「僕」は自分のエロ動画を晒されてもイジける次元に居ない。田畑と窪田が踏み出す明日には良い事あるだろう…多分。そして、新たな命への賛歌。願わずにいられ…

フォー・フレンズ 4つの青春

★★★★ 1982年12月13日(月) 新世界国際地下劇場 緩い青春回顧ものかと思えば予想外に急坂を落ちるように転がる人生。背景に過ぎない筈のベトナムやフラワームーブの余波がテシックの想いを越えて迫ってくるあたりニューシネマの旗手ペンの面目躍如たるものがあ…

ブラック・ブレッド

★★★★ 2012年12月11日(火) 新世界国際劇場 『パンズ・ラビリンス』と通底するスペイン内戦下の非情。大人への幻滅は怨嗟に立ち代り少女は言う。村に火をつけて遠くへ逃げようと。少年はそれを拒み、しかし、緩やかに両親を棄てるのだ。哀しみを超えた果ての…

フランス軍中尉の女

★★★★★ 1982年12月13日(月) 新世界国際地下劇場 俳優が役に侵食されていくという新味なき題材も高度な手練により再構築され蘇る。英国の古典と現在を橋渡す両雄ライス・ピンターの初邂逅が到達したトリッキーな構成が全くもって痺れる。熟達フランシスの撮影…

ブリッツ

★★★★ 2013年1月8日(火) トビタシネマ それ程エッジが効いてるわけでもないし、構成や人物配置は完璧に『ダーティハリー』まんまなのであるが、良い塩梅に際どい境界線上を往来する人物群像が魅力的で飽きない。特にコンシダインのキャラに新味があり、終盤…

復活の日

★★ 1981年1月27日(火) 毎日ホール 世界からの孤絶感と追い討ちをかけるが如き圧倒的孤独感だけを描けば良かった。下手にハリウッドに媚びた前半はチープで無闇に暑苦しい。明らかに深作ではミスチョイスであった作品。1点集中の金の使い方をしてほしかっ…

フライト

★★★★★ 2013年3月24日(日) MOVIXあまがさき8 社会的逸脱者が特定分野で秀でるという序盤のテーゼは心地よいまでに反転され映画は転がり続ける。複数のジャンル映画の様相を横断しつつ行き着いた50年代的モラリズム。そのド真ん中を射抜く確信に心を…

ブラス・ターゲット

★★★★ 1981年1月25日(日) 伊丹グリーン劇場 大戦秘話として目新しいものではないが、ハフ演出が一貫してカットを細分化してテンポが抜群に良い。燻銀とも言えるカサベテスを主軸に添え、途中から絡んでくる殺し屋フォン・シドーも又拮抗し得る渋さ。スイス…

Fukushima 50

★★★ 2020年3月8日(日) MOVIXあまがあき6 見る前に懸念した ①過剰なヒロイズムや扇情性 ②時の総理に対する必要以上の毀誉褒貶 であるが、その点に関して露骨な扇動はなかった。 と思う。 俺は、関西系のテレビで、原作の門田氏が管直人をむちゃくちゃ…

プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ 宿命

★★★★★ 2013年6月1日(土) 梅田ブルク7シアター7 漂泊に終止符を打つのは新たな命であり、しかし、その命は否応なく宿命に支配される。この一見救われぬサーガを悲観や諦念で言うは易いのだが、映画は視線を逸らさず見つめ続ける。そうするしかないとでも…

フォード vs フェラーリ

★★★★ 2019年1月13日(月) 大阪ステーションシティシネマ2 当初のマイケル・マンからジェームズ・マンゴールドに監督が交代したそうな。 どっちも傑作を撮ってることは撮ってるけど、ここんとこはロクなもんがない監督ってことに俺の中ではなっていて、でも…

フォレスト・ガンプ 一期一会

★★★★ 2013年7月28日(日) 大阪ステーションシティシネマ5 為すがままの逍遥たる人生を語るに色目を使い過ぎ。ニュース映像とのCG合成には悪ふざけでしかなく、藁しべ長者的成功譚である必要すらない。所詮これは、ロックに彩られたアメリカ近代史の全肯…